<きちたび>3泊4日ソウルの旅 2019 ③ 必見!カンナムのショッピングモール内に登場した巨大図書館が超クール!

「江南スタイル」という曲が世界中で大ヒットしたのは、もう6年以上前のことになるだろう。そう、カンナム地区とはソウル市を流れる漢江(ハンガン)という川の南側に開発された近代的なエリアだ。

3.1独立運動の話ばかりでは暗くなってしまうので、土曜日の午後、地下鉄を乗り継いで漢江の南へと行ってみることにした。

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まず向かったのは、漢江の中洲でもある汝矣島(ヨイド)地区。

国会議事堂やテレビ局もある再開発エリアだ。

地下鉄5号線のヨイナル駅を降りて、漢江沿いを西へ歩く。漢江の岸辺は広々とした公園になっている。明洞の喧騒から逃れて、少しホッとした気持ちになる。

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ここを訪れた理由は、韓国を代表する電機メーカー「LG電子」の本社があると聞いたからだ。特段LGに興味があるわけではないが、他に知っている名前が見当たらなかったので、ここを選んだ。

とにかく、韓国の最先端エリアを見たいと思ったのだ。

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LGの本社は漢江を望むツインタワーだった。

ただ、予想したほどモダンなビルではない。週末だったので、ほとんど人の気配もなくひっそりとしていた。

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それにしても、本社ビルの前に立っていたこの2体の人物像、一体どんな意味があるのだろうか?

昨年末に深圳で見たファーウェイ本社に度肝を抜かれた後なので、LG本社にはいささかがっかりした。

そのため、私の興味はその隣に建設中の超高層ビルに向かったのだ。

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LGのツインタワーを圧倒するこのビルは何だろう?

LGが新しい本社ビルを建設しているのではないかと推測して調べてみることにした。

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壁には「Parc.1」の文字。この名前をネットで調べると、驚くような事実がわかった。

この土地は、日本でも有名な統一教会が所有する土地だったのだ。信者の間では「汝矣島聖地」と呼ばれ昔から有名な場所らしい。

汝矣島には日本統治時代、飛行場が建設され戦後も利用されていた。その空軍基地の移転後、1970年代に統一教会が空き地を取得したという。土地の所有者名は「統一財団」。教団はここに「世界宣教本部」を建設しようと計画したが、政府の認可が降りず長い間手つかずのまま放置されていた。

この曰くつきの土地が動き出したのは2000年代。地上権を「Y22」という投資会社に99年間貸与して大型複合施設を開発する「汝矣島開発パークワンプロジェクト」がスタートしたのだ。韓国で3番目の高さとなる72階と56階のオフィスピル2棟のほか、百貨店やホテルを作る計画だ。

ところが建設が始まって3年、突如工事がストップした。統一財団がY22に訴訟を起こし、工事は6年間も中断されてしまう。

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工事が再開したのは2017年。金融機関などから新たな資金を調達し、今まさに建設が進められているという。

超高層ビルはかなりの高さまで完成し、お隣のLG本社を見下ろすほどになっている。

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「パーク・ワン」の南隣には、「ソウル国際金融センター」の真新しいビルが建っている。韓国政府はこの一帯を文字通りアジアを代表する一大金融センターに育てる意向だという。

これまで全く知らなかったが、パーク・ワン・プロジェクトの進捗を注目して見守っていきたいと思う。

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金融センターの前には屋根のかかったバスターミナルのような場所がある。

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その一角に地下に降りる階段があり、入り口には「SeMA Bunker」の文字。

気になったので写真だけ撮って通り過ぎたのだが、帰国後調べてみると地下の美術館だったことがわかった。

「KONEST」という観光サイトの記述を引用させていただく。

『2005年に「汝矣島(ヨイド)公園」前にバス停留所を工事する際に、地下にある不思議な空間が偶然発見されました。関連資料が少なく特定できませんが「どうやら、軍事政権時代の70年代に、大統領の警護用施設として作られた地下シェルターらしい」という推測が有力です。2015年に一時、期間限定で公開されましたが、2017年10月より「SeMA(ソウル市立美術館)」が運営する複合美術館としてオープン。トイレ、シャワーなどは発見当時のまま保存されていて、復元されたソファーに座ってみることもできます。施設中央に位置する展示スペースとその奥に位置する歴史ギャラリーでは、時期によって様々な展示を見ることができます。無料で開放されていて、市民たちが路線バスの待ち時間に気軽に立ち寄れます。』

なるほど、ちょっと入ってみればよかった。

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地下鉄5号線と9号線が交わる汝矣島駅の近くに韓国最大の通信事業者である「KT」のショップがあった。

その店頭で見つけたのは・・・

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今、世界がしのぎを削っている次世代通信規格「5G」のポスターだ。

韓国は世界に先駆けて、3月末から5Gの商業サービスを開始する予定だ。1月にダボス会議に出席したKTの会長は、「第5世代(5G)移動通信は韓国が主導する」と宣言した。「5GはKTがすでに標準を開発し、昨年の平昌五輪で一部商用化した上、クアルコムもわれわれの基準どおりにチップ設計を終えたため、世界は追いつけない」と豪語していると報道されている。

果たして5Gは、韓国経済の救世主となるのだろうか?

そんな思いを胸に、地下鉄でカンナム地区に向かった。ただ、どの駅で降りればいいのか、わからない。空港でもらったソウルの地下鉄マップを睨みながら、目星をつけたのが9号線の奉恩寺(ポンウンサ)駅。特に理由はない。強いて言えば、その周辺にレストランやショップのマークが多かったからだ。

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地上に上がると、いきなり色鮮やかな野菜のオブジェ。

ここは一体、どこだろう?

どこに来たかもわからず、とりあえず目の前のビルに入っていくと・・・

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そこは巨大なショッピングモールで、いきなりちょっと格好いいシネコンが現れた。

16スクリーンを擁する「メガボックス」という映画館らしい。

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日本で見慣れたシネコンとは一味違う。

エスカレーターを降りたロビースペースには、大きく開放的なカフェがあり・・・

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ゲームセンターやプレステのショップが入っていたりする。

「スターフィールド・コエックスモール」という名前のこのショッピングモールには、こうした映画館のほか、水族館やディスコ、最近日本でも流行りのゲーム・トーナメント「eスポーツ」の会場もあるという。

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帰国後に知ったのだが、この施設、ソウル最大のショッピングセンターであり、地下のショッピングモールとしてはアジア最大なのだそうだ。

世界的に有名なショップはほとんど揃っている。

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お寿司やラーメンといった日本食のお店もたくさん入っていて、どこも大人気だ。

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商売柄気になったのは、100枚以上のモニターを組み上げたデジタルサイネージ。

この規模のものは日本では見たことがない。さすが、液晶パネルや有機ELの本場・韓国である。コンテンツもK-POPアーティストものだけでなく、巨大スクリーンを活かしたクオリティーの高いものが流れていた。

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今話題の日産もこの巨大サイネージに広告を流していた。

驚いたことに、この100面サイズのものは1つではない。この通路の端から端まで、合わせると300面ほどの超巨大なサイネージ通路なのだ。

ところが、こんなのは序の口だった。

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さらに通路を進んでいくと、明るい広場のような場所に出た。

この巨大モールの中心に作られていたのは、なんと図書館だった。

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2017年5月に完成した「ピョルマダン図書館」。

ピョルマダンとは「星の庭」という意味だそうで、約5万冊の蔵書が置かれているという。

高さ13mの巨大な本棚に並べられた本を、人々は自由に手に取り読むことができる。入場料は、無料だ。

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こんな場所は、日本では見たことがない。

ショッピングモールの中心に図書館を置くという発想といい、そのデザインのクールさといい、今回のソウル訪問で私が一番心を奪われた場所だ。

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中央の三角柱に描かれた水色の熊のイラストも、よく見ると本を積み上げて作成されていた。

なるほど、面白い。

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あまりに気に入ったので、エスカレータを何度も上がったり降りたりしてこの空間を楽しんだ。

こうやっていろんな角度からこの図書館を眺めていると、本というものは人の想いが詰まった最高にクールな素材なんだと気づかされる。

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5G時代に突き進む韓国の巨大モールで見つけた素敵な図書館。

このモールには、デジタルとアナログをいかに融合するか、一つのヒントを見た想いだった。

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コエックスモールを抜け、入った所の反対側に出ると、地下鉄2号線の三成(サムソン)駅だ。

交差点に立って見上げると、2棟の高層ビルとこれまた巨大なLEDビジョンが私の目を引いた。ここは、国際会議などを誘致する韓国を代表するコンベンションセンター「コエックス」なのだ。

短時間だったが、江南エリアの街歩き。なかなか興味深かった。

 

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