<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 月一農業2021年11月/ 初めてタマネギの苗を植えてみた #211118

今日は午後から入院中の伯母に面会に行ってきた。

伯母は私たちの顔を見て、ガラス越しに嬉しそうな表情を浮かべてくれたが、部屋から面会場所に出てくる足取りは昔と比べて明らかに危なっかしい。

それでもことあるごとに、「どこも悪いところはないからな、もうそろそろ帰ろうと思うんじゃ」と言っている。

自分の異常について理解できない、これも認知症の代表的な症状である。

私は家の床下でシロアリ被害が見つかって工事をしなければならない話や、放置状態になっていたブドウ畑をやってくれる人が見つかりそうだという話を伯母に伝えた。

伯母は「あ、そう」と楽しそうに反応するが、果たしてどこまで理解できているのかはわからない。

連日、高齢の親たちの世話をする中で、少しずつ畑を耕して何か作物を育ててみようと考えた。

目をつけたのは、この時期に植え付けのタイミングを迎えるタマネギである。

ホームセンターを訪れても、この季節にはまるでワケギのようなタマネギの苗が一番目立つ場所で置いてある。

果たして何が違うのかよくわからないが、私たちはまず玉しまり良好な早生品種だという「ソニック早生」(50本・371円)を購入する。

耐病性が強く生育旺盛で作りやすいことと、甲高で大玉になり揃いも良いことが特徴の品種で、初心者にも育てやすいそうだ。

今の時期に苗を植えれば、収穫時期は来年の4月下旬から5月上旬となり、8月末ごろまでは貯蔵が可能だという。

もう一つ、収穫の時期をずらすために、「ネオアース中晩生」(50本・371円)も合わせて購入する。

こちらの品種の特徴は、「貯蔵性に優れていることだそうで」、こちらは5月下旬から6月上旬が収穫時期だという。

タマネギの場合、種から苗を育てるのがちょっと難易度が高いそうで、私のような素人は出来上がった苗を買ってきて、まずはそれを畑に植えることから農業の第一歩をスタートするわけである。

今回はお墓近くにある小さな畑を耕して、そこにタマネギを植えてみようと考えた。

先月購入した卓上コンロで使うガスボンベで動くホンダのミニ耕耘機「ピアンタ」を畑まで押していき、草刈りしただけの荒地を耕してみる。

今年の夏は一面雑草に覆われていた畑だけに、地下には雑草の根が縦横無尽に伸びていて、それが耕耘機のローターに絡みつく。

4〜5メートル耕しては、耕耘機を止めてローターに絡んだ根を取り除き、再びエンジンをかけて反転して耕す。

こうした反復運動を何度か繰り返すうちに、少しずつ土が柔らかくなり、荒地が畑へと変化していく。

耕耘機で耕した土を、納屋に残っていた古いふるいにかけて、草の根っこや小石を取り除く。

これは原始的な作業だが、細かい土が下に落ちて、ふるいの中に要らないものが残るのは気持ちがいい。

ただ、普段使わない筋肉を使うので、時間がかかるうえに思っていた以上にきつい作業である。

こうしてきれいにした土をクワでならして、小さな畝を2つ作った。

ここに伯母が使っていた堆肥を混ぜてよく土となじませる。

本当ならば、苗を植え付ける20日以上前に石灰を撒いて耕し、土壌酸度をpH6.0~7.0になるよう畑の準備をし、2週間前には化成肥料などを加えて元肥を入れる作業があるのだが、私たちは時間もないのですべて省略してしまった。

普段は細かいことを気にする妻は「大丈夫、大丈夫」とこういう時には妙に大雑把になる。

ここで、ホームセンターで購入してきた「マルチ」と呼ばれる黒い農業用シートを取り出す。

マルチにはサイズや用途がいろいろあり、私たちは「たまねぎ苗用の穴あきマルチ」(95cm × 50m・910円)を購入した。

タマネギ用のマルチは15cm間隔で穴が開いていて、このシートで畝を覆うと地温を上昇させ水分を保持し、肥料の流出を防ぎ、そして何より雑草の繁殖を防止する効果があるとされる。

何はともあれ、雑草を減らすことができるのであれば、私は喜んでマルチを使う。

こうして畑にマルチを張り、あらかじめ開いた穴にタマネギの苗を1本ずつ植えていく。

この際肝要なのは、深植えしすぎず苗の白い部分が少し地上に出るように植えることだそうだ。

これまた妻と一緒に適当に苗を植え、マルチが風で飛ばないように所々に土をかぶせてみた。

本やネットで見た情報を断片的に利用して、後は自分たちの気分次第。

こんなので本当に来春、タマネギが収穫できるのだろうか?

本によれば、12月中下旬と3月上旬に2回の追肥をすることになっている。

ただマルチを使うと、元肥を30%ほど増やしておくと追肥の必要がないとも書いてある。

ただ私たちの場合、そもそも堆肥以外の肥料を入れていないので、果たしてどうなるのか予想がつかない。

とりあえず、ジタバタしても仕方がない。

「葉の色が淡いようなら株間のところどころに小穴を開けて肥料を入れる」という本の指導に従うことにして、しばし様子見を決め込むこととした。

所詮、できたタマネギで金儲けしようというわけではない、ただの遊びなのだ。

そんな私たちのいい加減な農作業を嘲笑うかの如く、夕日が山蔭に沈んでいく。

でも、初めてのタマネギ作り、私も妻も大満足でとても楽しい体験だった。

<吉祥寺残日録>買ってよかった!カセットガスで動くミニ耕運機「ピアンタ」#211016