<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 耕作放棄地を焼く!穏やかな冬の日は絶好の「野焼き」日和なのだ #230111

昨日から岡山に来ている。

2023年に初めて帰省した岡山は、予想通り、高校サッカー全国制覇でお祭り騒ぎだった。

ローカルニュースのトップは各局揃って岡山学芸館高校。

それにしても、どこも同じような作りで何の工夫もない。

本当に地方局の制作するローカルニュースはもう少し何とかならないものだろうか・・・。

帰省初日はいつものように、畑をひと回り。

11月に植えたタマネギが少し大きくなっている。

一部、風によってマルチが剥がされている場所があり、パタパタとマルチが上下するので、タマネギの葉がマルチの下に潜り込んで成長を妨げられていた。

冬は特に風が強いので、マルチを張る時にはいつも以上にしっかりと土で押さえておかないといけないと反省する。

先月、東京に戻る前に全部収穫した九条ネギは、カットしたところから次のネギが伸びていた。

まだ十分に育っていないので、ここは手を出さずに大きくなるのをじっくり待とうと思う。

茎ブロッコリーは、12月までの勢いはすっかりなくなり、残しておいた小さなブロッコリーはほとんど成長していない。

さすがに真冬になると成長が止まってしまうらしい。

仕方がないので、本当に小さなブロッコリーを8つほど摘み取って茹でて食べた。

味は普通のブロッコリーと変わらない。

混植しているニンニクとイチゴは、どちらも少しずつ成長しているようだ。

水は全くあげていないが、朝には氷点下に下がるので霜が降りてそれで水分補給をしているのだろうか。

成長は遅いものの、冬は雑草が伸びないので特にやるべき畑仕事はない。

その代わり、今月の帰省中にどうしてもやりたいことがあった。

返してもらった耕作放棄地を整備して畑として使えるように準備することだ。

先月草刈りした2000平米の畑。

刈り倒した雑草はこの1ヶ月ですっかり乾燥し、地面を覆い尽くしている。

これを野焼きして一気に片付けてしまうのだ。

ダイオキシンが問題になった頃から一般には野焼きは禁止されているが、農家には例外的に認められているらしく、この周辺では冬になるとあちらこちらから剪定した枝や下草を燃やす煙が上がる。

私も去年一度経験しているのである程度の要領はわかっているものの、岡山もほとんど雨が降っていないので、野焼きした火が他人様の畑に燃え広がることは絶対に避けなければならない。

非常時の水確保のために購入していた20リットルのポリタンクに満タンの水を入れ、ジョウロと共に畑に持っていった。

金属製の熊手を使って地面を覆う雑草をかき集め火を付ける。

時刻は8時50分。

まだ雑草の表面には霜が残り濡れているが、中の方は乾燥しているためチャッカマンで簡単に火をつけることができた。

去年は調子に乗って一度に何箇所にも火をつけて制御不能になってしまったので、今年は畑のセンターに枯れ草を一列に並べ、端から時間をかけて焼いていくことにした。

風は西から東へ緩やかに吹いている。

体感ではほとんど風を感じなくても、火をつけてみると煙の流れる方向で風を視覚的に感じることができる。

東の端に火をつけて、風に逆らうように西向きに焼いていく。

そうすることで火力が強くなりすぎず、慌てずに火の燃え広がり方を眺めることができる。

写真の右が東、左が西である。

私が作った枯れ草のレールに沿って火は東から西へとゆっくりと移っていく。

そうすると細長い枯れ草の山が、黒い灰に変わっていくのだ。

注意すべきは、火が予期せぬ枯れ草に燃え移りコントロールできなくなること。

そのためには、燃やす枯れ草と燃やさない枯れ草の間にしっかりと距離をとり、その間を綺麗に掃除してあげることだ。

燃えるものが近くになければ、たとえ想定外の方向に小さな火が進んでも自然と消えてしまう。

こうして1時間半ほどかけて、火は私が積み上げた一列の枯れ草を山を焼いて自然に消えた。

枯れ草を1箇所に集めて焼いてもいいのだけれど、今焼いているのは今年畑として利用するつもりの場所なので、どうせならば広範囲を焼いて、切り株や落ちたタネも根こそぎ焼いてしまおうと思ったのだ。

火は消えても、まだあちこちから煙が上がっている。

せっかく水を持ってきたので、ポリタンクの水をジョウロに移して、まだ燃えていないエリアとの境を中心に水をかけて回る。

ジョウロで水をかけると煙が上がっていない場所からも水蒸気が上がる。

黒く焦げた灰もまだ熱を持っているのだ。

しっかり消火して、一旦家に戻って昼食︎&休憩だ。

午後1時20分、野焼きを再開する。

今度は、午前中に焼いたラインに沿ってその外側を焼いていく。

周辺部から枯れ草を集めて、再び焼きたい場所に帯のように並べて細い山を作る。

風向きは少し南寄りの風に変わっているので、あまり炎が大きくならないよう、午前中よりも草の量を減らす。

今日の日本列島は高気圧に覆われて南から暖かな空気が流れ込む。

日差しもたっぷりで火の近くにいると熱くてたまらない。

火力をあえて強くせず、離れた場所に椅子を置いて、日向ぼっこしながらゆっくりと燃え広がる火を眺める。

なんというのんびりした時間だろう。

去年のように効率重視で大きな炎を作ってしまうと、こうしてのんびり日向ぼっこなどしているゆとりはなくなってしまう。

2年目にして習得した「のんびり農業」の極意である。

午後2時半。

今度は午前中に焼いたラインの北側を焼いていく。

隣のブドウ畑が近いので、一層注意が必要だ。

風向きは変わらず南風、煙が隣のブドウ畑の方へ流れるのは許してもらえるだろうが、火が畦道を越えて越境すると只事では済まない。

一段と枯れ草の量を少なくして、ゆっくりと焼いていく。

しかし枯れ草の量を減らすと、火力が強くならないので燃え広がるスピードが遅くなる。

そうこうしている間に太陽がもう前の山に沈み始めた。

時間を確認するともう4時前である。

このまま今日の作業を終えるか、耕す予定の場所を一気に焼いてしまうか、迷う。

私の下した結論は、延焼が怖くてこの時まで温存していたイネ科の枯れ草を使って、耕作予定地を一気に焼くことだった。

ここまでの作業でセイタカアワダチソウなどの太めの雑草はすでに処理が終わり、最も可燃性の高いイネ科の枯れ草が残っている。

これを焼きたい箇所に並べて、効率的に野焼きを進めようと思ったのだ。

すでに燃え移りそうな枯れ草は大方無くなっているので、イネ科の枯れ草が一気に燃え上がったとしても隣まで燃え広がるリスクは格段に小さくなったと判断した。

燃えている火から目を離さないようにしながら、イネ科の枯れ草を配置していく。

イネ科の枯れ草を燃やしたい場所に並べ、端っこに火を付けると、案の定ものすごい勢いで燃え上がった。

去年もこのイネ科の枯れ草に意図せずに燃え広がったことから制御不能に陥ったのだ。

今年はその教訓が生き、一番燃えやすいこの草は端っこに避けて、最後に場が広くなってから焼くことにしたのが正解だった。

カラカラに乾燥したイネ科の枯れ草は本当に危険だ。

でもこの草を焼きたい場所にうまく配置することで効率的に野焼きができる。

去年よりは一歩、火のコントロールが上手くなった。

小さな火が切り株伝いに燃え広がるが、これ以上進んでほしくないところまでくると金属製のスコップで叩いて消火する。

風はいつの間にか東風に変わった。

その風に煽られて火力が増す。

あっという間に耕作予定地を焼き尽くしたが、それ以上燃え広がることはなく、一応狙い通りの場所で火が消えた。

ホッと胸をなで下ろす。

今日の野焼きはこれで終了。

まずまず上手くできたと思う。

最後は再び水を撒いて消火作業。

明日もう少し周辺を片付けて、後日耕耘機を使って一部を耕してみようと思っている。

セイタカアワダチソウやイネ科の雑草に覆われていたこの土地は、私の小さな耕耘機で耕せるものだろうか?

雑草が片付いた畑には、まだしぶとくつるバラが生き残り、棘のある厄介なつるを伸ばしている。

まずは草刈機でもう一度、こういう輩を徹底的に退治していから畑づくりを始めた方がいいかもしれない。

3月にジャガイモの植え付けができるように、今月は荒く土をほぐす寒起こしという作業をしたいのだが、上手くいくだろうか?

野焼きから戻り、大相撲を見て、自分で夕食を作った。

主菜は適当に作った鶏もも肉のガーリック炒め。

ごはんを炊き、明太子と一緒に食べる。

朝作った味噌汁に食べる辣油を入れて韓国風に。

妻のいないひとり田舎暮らしにもだいぶ慣れてきた。

確実に家事力が上がっているのを感じる。

明日も天気が良さそうなので、やっぱり今日の続きであの耕作放棄地の野焼きをさらに進め、できれば隣接するうちの小さなブドウ畑の草も燃やすことにしようと思った。

金曜日から天気は下り坂の予報なので、明日の晴天を最大限利用して雑草どもとおさらばするつもりである。

<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 重いコンクリートの支柱を運びながら奴隷の人生に想いを馳せる #220320

1件のコメント 追加

コメントを残す