2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
今日は、私がルーティーンとして運動に通う「西園」にある大きな樹木を2つ取り上げる。

今日いつものようにストレッチをしていると、ヘルメットをかぶったスタッフの人が数人、樹木の状態をチェックしているのを見かけた。
思い立って名前のわからない樹木の名前を聞いてみると、ちょっと観察した上で教えてくれた。
それが、「コナラ」と「エノキ」だった。
「コナラ(小楢)」

まず確認したのが、ストレッチゾーンのすぐ脇に立っているこの大木。
落葉樹だが、近くに並ぶ「ケヤキ」とは明らかに違うので聞いてみた。
スタッフのお兄ちゃんが「コナラかなあ」と言った。
「コナラ」と聞いてすぐに思い出したのは・・・

井の頭弁財天を望む井の頭池の畔に立っている大きな「コナラ」だ。

この樹木の下にはグリーンアドベンチャーの名札が設置されているので間違いない。
「コナラ」は、日本列島に広く分布する落葉紅葉樹で、いわゆる「どんぐりの木」の代表格である。

葉っぱがないこのこの季節には識別が難しいが、「樹皮が縦に裂ける」のが特徴だ。
「コナラ」は、かつて武蔵野に広がっていた雑木林を代表する樹種だった。

西園にあるコナラにも、はっきりとした縦の裂け目がある。
ただ、井の頭池のコナラに比べるとスラっとしていて、かなり印象が違う。
コナラの材は、炭の原料やシイタケの原木として昔は利用されたらしい。

さらに、井の頭池のコナラには、枯れた葉っぱがたくさん残っていたのに対し・・・

西園のコナラはすっかり葉を落としているという違いがあった。
確かに、同じソメイヨシノでも場所によって咲き方がまったく違うので、樹木の見極めというのは非常に難しい。
また、葉っぱが茂り、どんぐりができる頃、コナラの変化をチェックしてみたいと思う。

それにしても、かつて人々の生活を支えたコナラの巨木が首都圏の燃料として伐採されてしまったのは残念である。
効率を追い求めたスギやヒノキの植林よりも、日本古来の雑木林の方が私は好きだ。
「コナラ」 分類:ブナ科コナラ属 特徴:落葉広葉樹・高木 花の咲く時期:4〜5月 実がなる時期:9〜10月
井の頭公園の「コナラ」はここ!

「エノキ(榎)」

もう一本、公園スタッフに教えてもらったのが西園にあるこちらの樹木。
「エノキ」だと言う。
周囲に邪魔する樹木もなくのびのびと育った枝ぶりが気持ちいい。

表面の凹凸があまりなく、色といい質感といい、どことなく象の足に似ている。
根張りの美しさは、日本の樹木の中で最高の評価を得ていると言う。

下から見上げると、まるで秘密基地のようなエネルギーを感じさせる。
この枝が多くて、曲がりくねっているのが特徴らしく、ちょっと登ってみたくなるような大木である。
そのせいか、各地の一里塚や神社仏閣に植えられていて、御神木として崇められている巨木も多いそうだ。

エノキといえば、井の頭池の近くで名札を見たことがある。
『野鳥はこの木の実が大好きで、種子をあちこちに運びます。国蝶オオムラサキの食草です』との説明が添えられていた。
卵から孵ったオオムラサキの幼虫は、夏から秋にかけてエノキの葉を食べて成長し、冬には地面に降りて落ち葉の中で越冬、春に休眠から覚めると再びエノキに登って葉を食い、エノキの葉の裏でさなぎに成長するのだと言う。

よく見ると、枝先に小さな丸いものがついている。
これが成長して鳥たちが大好きな木の実になるのだろうか?
「エノキ」 分類:アサ科エノキ属 特徴:落葉広葉樹・高木 花の咲く時期:4〜5月 実がなる時期:9〜10月
井の頭公園の「エノキ」はここ!

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