<吉祥寺ライフ>井の頭公園の植物【1月】「カンツバキ」&「ヤブツバキ」

冬の井の頭公園を歩いていて、一番目につく植物といえば間違いなく「ツバキ」だろう。

今月の「井の頭恩賜公園 花便り」にも「カンツバキ」が載っていた。

「ツバキ」の種類はあまりに多いためその識別を諦めていたが、この「カンツバキ」を入り口に井の頭公園の「ツバキ」を観察してみることにした。

「カンツバキ(寒椿)」

「カンツバキ」が最も密集して植えられているのは井の頭池の東南岸である。

「井の頭恩賜公園 花便り」の説明はこうだ。

シシガシラの別名を持つツバキ科の低木です。枝が横に広がる品種のため、生垣としてよく利用されています。花の終わりには花弁が一枚ずつ散ります。紅色の花が冬の寒さの中に彩りを添え、温かさを感じさせてくれます。

引用:「井の頭恩賜公園 花便り」より

確かに、低木で枝が横に広がっている。

私がよく参考にする「庭木図鑑 植木ペディア」というサイトによれば、「カンツバキ」とは『サザンカとツバキの交雑種(異論もあり)のうち、背丈が高くなりにくく、八重咲きあるいは半八重咲きになる品種群の総称』なのだそうだ。

確かに、井の頭公園の「カンツバキ」も真っ赤な八重の花を咲かせていた。

「カンツバキ」の花が、花全体がポトリと落ちる一般的なツバキとは違い、花びらが一枚ずつ落ちるのは「サザンカ」の特性を受け継いだからだろう。

ただ、「カンツバキ」にもたくさんの種類があるそうで・・・

カンツバキの代表的な品種は「獅子頭」「勘次郎」であり、関西では古来、シシガシラと呼ぶことが多かった。また、樹高によってハイカンツバキ(這寒椿)とタチカンツバキ(立寒椿)に大別することがあり、前者は植え込みに、後者は公園や緑地の生垣に使われる。

出典:庭木図鑑 植木ペディア

ということは、井の頭池の南側に植えられた背の低い「カンツバキ」は、「ハイカンツバキ」という分類になるのだろう。

葉の大きさや形はサザンカに近い。長さ3~6センチの長楕円形で先端が尖り、縁には鋭いギザギザ(鋸歯)が規則的に並び、鋸歯の部分だけが外側に曲がる。枝や葉の裏面(葉脈付近)、葉柄には粗い毛がまばらにあるが、サザンカに比べれば少ない。

出典:庭木図鑑 植木ペディア

背の低い八重のツバキは「カンツバキ」。

ざっくりとまず、それだけを覚えておきたい。

花言葉は「愛嬌」「申し分のない愛らしさ」。

「カンツバキ」
分類:ツバキ科ツバキ属
特徴:常緑広葉樹・低木
花が咲く時期:12〜2月

井の頭公園の「カンツバキ」はここ!

「ヤブツバキ(藪椿)」

背の低い「カンツバキ」に対して、背の高いツバキの木も井の頭公園にはたくさんある。

たとえば、お茶の水橋近くの池のほとりにあるこのツバキには、この季節たくさんの花が咲いていた。

こうした背の高いツバキの中には、単に「ツバキ」という名札が付けられたものもある。

日本列島に自生する日本原産のツバキは「ヤブツバキ」と呼ばれ、高さ15メートルほどに成長する。

枝先の葉の脇に直径5~7センチの花を一輪ずつ咲かせる。5枚ある花弁は赤又は白で、やや筒状に開くのが特徴。しばし混同されるサザンカのように全開せず、その控えめな様子が好まれて茶花に使われる。花にはヒヨドリやメジロが集まり、花粉を運ぶ。

野生種では花の内側にある多数の雄しべが束状となり、その基部は花弁に合着している。このため咲き終わった花が丸ごと落下するのもサザンカとの違いであり、「武士たちは、これが打ち首を連想させるとして忌み嫌った。」との俗説が知られる。花はサルの好物であり、人間社会でも花弁を天婦羅にして食べる風習がある。また古代には落花を集めて煮出し、桜色や椿鼡の染料に用いた。

出典:庭木図鑑 植木ペディア

江戸時代、この「ヤブツバキ」と主に日本海側に生息する「ユキツバキ」を交配して様々な新種のツバキが生まれた。

白いツバキ。

ピンクのツバキ。

そして・・・

紅白の縞模様が特徴的なツバキも。

私はこの紅白のツバキを西園で見つけ、ちょっと興奮した。

ところが、こうした紅白のツバキは「絞り」と呼ばれ、これまた何種類もあるのだという。

「和みの庭」というサイトにたくさんのツバキの写真が載っていて、その中で「絞り系 八重咲き」として表示される写真と見比べてみる。

「蝦夷錦」「絵日傘」「翁更紗」「沖の石」「想いの儘」「狩衣」「空華」「小紅葉」「絞羽衣」「宝合」「田主丸」「初瀬山」「春の台」「吹上絞」「宝珠」「無類絞」「和歌の浦」

これらの花は全部、紅白絞りのツバキだった。

井の頭公園で私が見つけたツバキが果たしてどの種類なのか、見分ける術は私にはない。

ましてや、赤や白、ピンクのツバキとなると、それこそ似た種類が山ほどあって、花の特徴だけではなく葉の大きさや形も実に豊富、ツバキは桜以上に識別不能だと思った。

まずは、「カンツバキ」と「ヤブツバキ」という大きな見極めができるようになっただけでも一歩前進と考えよう。

「ヤブツバキ」の花言葉は「気取らない優美さ」。

ツバキは、花の色や種類によってたくさんの花言葉があるらしい。

「ヤブツバキ」
分類:ツバキ科ツバキ属
特徴:常緑広葉樹・小高木
花が咲く時期:11〜4月
実のなる時期:9〜10月

井の頭公園の「ヤブツバキ」はここ!

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【井の頭公園の植物】

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