<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 ビーチの下見をし、朝採りのキュウリを持って東京に帰る #220613

12日間の岡山への帰省を終え、先ほど吉祥寺に帰ってきた。

この2ヶ月ほど不眠症で悩んでいた妻が、岡山で土いじりや家の片付けをしていると不思議と体が元気になり、夜も寝られたらしい。

古ぼけて汚れていた伯母の家もほぼ1年かけて妻が片付けた成果が現れて、徐々に居心地の良い家になりつつある。

慣れぬ農作業で肉体を酷使しているため、夜は早く眠くなり、私も妻もとても早起きになった。

今朝も4時ごろから起き出し、6時には畑をひとまわり見回りに出かけた。

トウモロコシが1メートルを超える高さに育っている。

あの小さなタネから育ったとは思えないほど、茎も太く逞しくなった。

てっぺんからは雄花が顔を覗かせている。

私たちが東京に帰っている間にきっと雄花は開花するだろう。

雌花の方は少し遅れているようでまだ確認できないが、雄花の花粉が落ちて雌花に付着すればトウモロコシの実ができるはずである。

確実に受粉させるためには雄花を摘んで雌花に擦り付けてやればいいそうだが、留守中のことなのでトウモロコシ自身に頑張ってもらうほかはない。

サツマイモとエダマメに発生した虫の被害は、殺虫剤の効果があったのか、その後拡大はしていないようだ。

果たしてこのまま生き残ってくれるのか?

次回7月に帰省した際のお楽しみである。

トマトとキュウリを栽培している畑に行ってみると、キュウリが昨日よりひと回り大きくなっているのに気づいた。

キュウリは毎日どんどん大きくなる。

花が咲いてからわずか1週間でもう採りごろの大きさになるそうだ。

それをすぎてしまうと、ヘチマのように大きくなりすぎて中がスカスカになるらしい。

そのため、できたばかりの小さなキュウリも全部摘み取って東京に持ち帰ることにした。

次に岡山に来るのは2〜3週間後。

その間に今ある実は確実に巨大化してしまうだろうと思ったからだ。

それならば、小さくても美味しく食べられるうちにありがたくいただいた方がいい。

今朝の収穫は、大小のキュウリ12本と緑のトマト2個。

トマトの方は、キズがついているものを2つ早めに摘み取った。

密集して他のトマトとぶつかったせいか、何か虫に食われたせいか、どちらも小さな穴が開いている。

トマトはまだ緑色でそのまま食べられる状態ではないが、青いトマトを利用する方法を調べてみると、ピクルスや炒め物として食べることは可能なようだ。

さらにポリ袋に入れて常温で2〜3日置いておくと、追熟して赤くなるという。

ちょっと試してみよう。

屋根裏部屋から下ろした木箱が畑のベンチに使えるのではないかと妻が言うので、きのう猫車で運んで柿の木の下に置いてみた。

風通しの良い日陰で、休憩するにはもってこいの場所ができた。

この場所は山の切れ目から西風が吹いてくる場所なので、夕暮れに妻と2人、木箱に腰かけてぼんやり山などを眺めていると、蒸し暑い岡山の夏が嘘のような涼しさを感じることができる。

せっかくなので、この木箱が雨で腐らないよう、来月来た時にペンキでも塗って防水性を高めるつもりだ。

そして、夏になると不思議と海が見たくなる。

昨日の岡山は最高気温が30度近くまで上がり、農作業を午前中で切り上げて、午後はひとり海水浴場の下見に行くことにした。

岡山の海といえば瀬戸内海。

昔は公害でとても泳げたものではなかったが、近頃はかなりきれいになったようなので、今年の夏は海遊びをしてみようと思い立った。

家から一番近いビーチといえば「宝伝」。

瀬戸内海に面した宝伝は昔ながらの小さな漁港で、エーゲ海風のリゾートになっている隣接の牛窓に比べてマイナーなイメージが強い。

だから、私もまだ子供の頃から一度も宝伝には行ったことがなかった。

車のカーナビで調べると家からの距離は18キロほど、案外近い。

カーナビによれば宝伝まで片道50分ほどかかるということだったが、実際走ってみると目立った渋滞もなく35分ほどで到着した。

ただ、海水浴場では検索できず、カーナビ通りに進むと狭い通りを抜け漁港に出てしまった。

穏やかな海、そして素朴な集落、悪くない。

何より、吉祥寺から湘南に行くよりもはるかに近いのがいい。

ビーチの案内もないので地図アプリで海水浴場の場所を調べると、集落の入り口の三叉路を登る狭い道の先にあるらしい。

一旦戻り、坂を登る。

すると、高台に小さな駐車場があった。

そして眼下に300メートルの砂浜が姿を現した。

これが「宝伝海水浴場」である。

例年、夏の海水浴シーズンになると海の家が並ぶようだが、去年はコロナで中止となり、今年もまだどうなるか決まっていないらしい。

それでも、真夏のような暑さに誘われ、子供連れのファミリーが次々にやってくる。

高台の駐車場に車を停め、歩いてビーチに降りていくと、ビーチ脇にフラットな駐車場があり、トイレやシャワーが設置されていた。

ここまで車で来れば、もう砂浜は目の前である。

海水浴場の目の前に浮かぶのは犬島。

岡山市唯一の有人島で、かつての銅の精錬所跡が美術館になっていて、3本の煙突が独特の風景を作り上げている。

そして犬島の向こうに見える大きな島は小豆島だ。

暑い夏の午後、波の静かな瀬戸内海までひとっ走りしてどぼーんと海に飛び込めばさぞ爽快なことだろう。

今度岡山に帰省するときには、海水パンツと浮き輪を忘れずに持って来よう。

吉祥寺ではほとんど使わないサマーベッドも岡山に置いておいた方が利用価値が高そうだ。

こうして遊び心が動き始めたのも、農作業に多少余裕が出てきた証拠。

吉祥寺とは全く違う岡山での暮らしをせいぜい満喫したいと思っている。

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