今年初めて九州に上陸した台風4号はすぐに温帯低気圧に変わった。

事前の予報では台風は瀬戸内海を進むルートだったので、岡山でもそれなりの風雨を覚悟していたが、朝からまったく雨は降らなかった。
四国から関東にかけての太平洋側の地域に加え東北でも大雨が降ったそうだが、岡山は午前中どんよりした曇り空で、気温も先週より少し下がって過ごしやすくなった。

こんな日は農作業にもってこいだ。
朝5時前から起き出して畑に向かう。
今日はまず畑の草刈りだ。

先月刈ったばかりだが、1ヶ月経つとそれなりに雑草が伸びてくる。
でも今年気づいたのは、こうして毎月草刈りをしていると生えている雑草がまだ若く、草刈機に負担をかけることなく楽に刈れるということだ。
大きく硬くなった雑草と格闘した過去の経験と比べると、毎月こまめに草を刈る方がずっとコスパがいいことがわかった。

草刈りをしていると、キュウリのツルが地面を這っていたのに気づかず草刈機でキュウリをちょん切ってしまった。
お化けキュウリをたくさん収穫した後は、ほとんど実がなくなってしまった我が家のキュウリだが、草むらの中を這うように密かに生き延びようとしていたのだ。

一方、ミニトマトも赤く色づき始めた。
「アイコ」と「夏あま」の2種類のミニトマトを1個ずつ初収穫して食べてみることに。

2個のミニトマトとキュウリを並べて写真を撮ると、まるでスマイルマークのよう。
ちょっと微笑ましい写真が撮れたので、孫に送って自慢しようと思った。

桃の畑の方ではエダマメがそろそろ収穫時期を迎えている。
枝にたくさんのエダマメがぶら下がり、そのまま茹でて居酒屋で出てきそうな感じだ。

先月枝や葉にびっしりと付いていた「マルカメムシ」の姿はもうなく、どうやら大きな被害は免れたらしい。
野菜用の殺虫スプレーの効果があったのか、それとも単に育って別の場所に飛び立ったのか?
何はともあれ、エダマメを数株引っこ抜いて食べてみることにした。

葉っぱな根がついたままのエダマメをかごに入れて家に持ち帰る。
妻が早速ハサミで実を切り取って茹でてくれた。

どうだろう?
実の膨らみ方はもう一息だろうか?
でも妻によれば、これだけのエダマメを買うと1000円はするという。
実際に食べてみると、普通に美味しい。

エダマメの隣に植えているトウモロコシも雄花が開ききり、実も膨らんでいる。
「おお、トウモロコシだ」
あんな小さなタネからこんなに大きなトウモロコシが育つなんて、考えてみればちょっと不思議な気持ちになる。

ここで重要なのは、トウモロコシの1株につき、実を1つだけに減らすことだ。
2つの実が育っている株では、小さい方の実をもぎ取る。

もぎ取った実の中ではすでにトウモロコシの赤ちゃんが育っている。
いわゆる「ベビーコーン」だ。
私たちも早速食べてみたが、少し育ちすぎていて芯の部分が硬かったものの美味しくいただいた。

エダマメ、トウモロコシの順調な生育の一方で、その隣では予想もしない異変が起こっていた。
サツマイモを植えてあった黒マルチが無惨に破られ、サツマイモのツルが散乱しているではないか。
この激しい現場から想像するに犯人はイノシシに間違いないだろう。

こちらは帰省した7月1日に撮影したサツマイモの写真。
先月芋虫に食べられて葉っぱが瀕死の状態だったけど、サツマイモの生命力で復活し、昨日までは葉っぱがマルチの上に広がっていたのだ。

黒マルチに開いたこの穴はイノシシの足跡に見える。
昨夜暗闇に紛れて山から畑に降りてきて、大好きなサツマイモの葉っぱを見つけ、鼻先で掘り返したのだろう。
でも、サツマイモが収穫できる時期はまだまだ。
掘ってはみたものの、お目当ての芋がなくガッカリしたのではないだろうか。

隣のブドウ畑をやっているおじさんがこの辺りはイノシシが出るので対策をしないと全部食われると教えてくれたが、まさにその通りだったようだ。
おじさんによると、イノシシはサツマイモやカボチャが大好物で、エダマメには興味を示さないという。
どうせこの畑のサツマイモは芋虫に食われて瀕死の状態だったので、イノシシにやられてもさほどショックではない。
むしろ、「本当にイノシシが出た」とちょっと嬉しくなったぐらいだ。

毛虫やカメムシにやられ、ほぼ全滅となった桃の木。
最後まで残った4個の実に袋かけをしたが、その後モモの実が少し大きくなってきている。
今年のモモはもうとっくに諦めていたので、もしも食べられるモモが1個でも採れれば、この夏のビッグサプライズになるだろう。
台風くずれの低気圧が列島を縦断した今日、私にとってはいろいろ楽しい農業体験ができた1日となった。
<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 エダマメにカメムシ、サツマイモにはイモ虫・・・私たちはいろんな生き物たちと共存している #220611
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