1週間あまりの岡山滞在を終え、吉祥寺に戻ってきた。
妻の不眠症は最悪期を脱したようだが、まだ本調子とは言い難い状況が続いている。
とはいえ、久しぶりに夫婦別々に暮らす期間があるのも少し新鮮で、お互いに悪くない時間だったように感じる。

さて、今日はエダマメとトウモロコシのその後について書いておこうと思う。
桃が植わった小さな畑の一角を耕して、エダマメとトウモロコシのタネを蒔いたのは先月のことだった。
種まきから半月ぐらい経ち、果たしてどうなっただろうと気になって帰省してすぐに畑を見にいった。

トウモロコシのタネを蒔いた畝からは、立派なチューリップのような葉っぱが出ていた。
わずか半月であの小さなタネが大変身。
何事も初めて見るものは新鮮だ。

1つの穴に3つずつタネを蒔いたので、基本的に3本の芽が出ているが、その中から一番強そうな芽を残して残りの2本を間引く。
本当は芽が出てすぐに3本を2本にし、さらに成長した段階で1本にするらしいのだが、時間の限られた私は一気に1本に減らすことにした。
まあ、それで失敗しても自家消費用なので問題もないだろう。

エダマメもきれいに発芽していた。
畝を覆う黒マルチのおかげで、エダマメが雑草に覆われることもなくいい感じで育っている。

エダマメも1つの穴に3つずつ豆を蒔いたので、基本的に3本ずつ芽が出ている。
マニュアルを参考にしながら、これを2本に間引きする。

そしてやはりマニュアルに従って化成肥料を「ひとつまみ」株元に与えた。
しかし、これが失敗だった。

肥料を蒔いて1週間ほどが経ち、今朝様子を見にいってみると、いくつかの株が枯れていた。
病気にやられたのか、それとも害虫か、と驚いてネットで調べてみると、「肥料の与えすぎ」でエダマメが枯れてしまうことがあると書かれていた。
確かに追肥した時の写真を見直すと、株元が真っ白になるほど化成肥料を置いている。
「ひとつまみ」がどの程度の量なのかわからないまま感覚的に肥料を置いたのだが、どうやら多すぎたようだ。

一旦枯れた葉っぱは復活しないので、この苗はもうダメかもしれない。
しかし全部の苗がダメになったわけではないので、まだ土の上に残っていた肥料を取り除いたうえで様子を見ることにした。
もし肥料の与えすぎが原因でエダマメの収穫ができなかったら、本当に馬鹿みたいだ。
わざわざ手間をかけた挙句、自分でダメにしてしまったのだから・・・。

ダメということでいえば、同じ畑にあるモモもダメらしい。
先月来た時は桃の花の終わり頃だったが、5月になると小さな実がたくさんついていた。
ところがよく見ると、何やら白い病気にかかっているように見える。
近所のおじさんに写真を見せると「灰色カビ病」だと言われた。

それだけではない。
モモの実には虫たちも集まる。
これはカメムシだろうか?
よく見ると、あちらにもこちらにも、たくさんの虫がモモの木を這い回っているではないか。

病気や害虫に弱いモモは、どうしても手のかかる作物だ。
今年もモモはダメかと半ば諦めつつ、ホームセンターで見つけた野菜と果樹の病害虫対策スプレーをダメ元で撒いてみることにする。
似たような商品がいくつか並んでいる中から、モモにも効くと書いてあるこのスプレーを選んで買ってきて、すぐにモモの木全体に散布した。

今朝改めてモモの木を見にいくと、まだ朝早かったせいか虫の姿は消えていた。
中には表面がさほどダメージを受けていない実も残っていて、スプレーの効果は多少あったのかなと感じる。
ブドウにしろモモにしろ、タマネギなどに比べると圧倒的に手間がかかる。
だから店頭に並んだ時には高価になるのだが、こうしたデリケートな果実をきれいに育てるのはかなりの修行が必要なようだ。

モモの話を書いたついでに、もう一つ、畑から生えてきた奇妙な植物のことを書いておく。
赤い毛に表面を覆われたこの謎の植物、一体なんだかわかるだろうか?
和風とは呼び難いその見た目からわかるように、これが外来の果樹であることがわかった。

その正体は、キウイだった。
今年の3月、伯母が耕作放棄したキウイの棚を撤去したのだが、どうやら残っていた根から新芽が生えてきたらしい。
キウイには雄株と雌株があり、7月ごろに花が咲くと雌蕊の有無で雌雄を見分けるのだという。
せっかくしぶとく生き残ったこのキウイをどうすべきか、もう少し研究してみようと思っている。

エダマメとトウモロコシとモモとキウイ。
どれも我が家では脇役だが、それぞれに個性があり、放っておいて育つ作物というのはなかなかないようだ。
でもこんな試行錯誤も1回経験すると驚かなくなるものだ。
今のうち、たくさんワクワクを体験しておこうと思っている。