<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌾七十二候「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」に旧「葡萄屋」脇の道路が陥没した #211102

昼ニュースを見ていて驚いた。

全国ニュースのトップで吉祥寺の話題が出てきたからだ。

今朝、吉祥寺本町の一方通行の道路が陥没してゴミ収集車がその穴に落ちたというのだ。

どこだろうと思って見ていると空撮が流れ、東急百貨店の北側、去年までステーキハウス「葡萄屋」があった場所だと分かった。

「葡萄屋」の跡地ではあの個性的な建物は取り壊されて新しいビルの建設工事が行われていた。

上空から見ると、土留めをして地下2階までの大きな穴が掘られているのがよくわかる。

素人目に見ても、陥没に工事が関係しているように見える。

図書館に行くついでに、私も事故現場を見てみることにした。

東急側の歩道には報道陣が陣取り、見物人も集まって通りにくい状況になっている。

私も自転車を止めて、見物人の塊に加わった。

カメラマンは三脚を目一杯高くして、陥没した穴を覗き込むように撮影している。

テレビ局のリポーターやディレクターらしき人たちも忙しそうに走り回っている。

若い頃、私も何度このような現場に身を置いただろう。

事故が起きたのは午前6時ごろだが、私が行った午後2時ごろにもまだ落ちたゴミ収集車は現場にあった。

地上の高さからカメラを構えても、穴の様子はよく見えない。

しかし、後輪は完全に穴の中に落ちていて、前輪でかろうじて踏みとどまっている印象だ。

私も何度か訪れた「やきとり Katsu」のちょうど入り口付近で、あの店は完全に立ち入り禁止エリアになってしまった。

せっかくコロナが下火になり通常営業ができるようになったばかりなのに、本当にお気の毒というほかはない。

路地の反対側にも回ってみた。

ちょうど「トラットリアチッチョ」や「やぐや」が入った雑居ビルの前にカラーコーンが並べられ、作業員の人が通行止めの案内をしていた。

「この先のお店は営業できないの?」と聞くと、作業員の人は「もう少し先までは入れるので店は営業してますよ」と教えてくれた。

そのまま進むと、規制線が張られた手前にやはりテレビのスタッフたちがいた。

ちょうど各局とも午後のワイドショーの時間帯、さらに夕方のニュースでも大きく取り上げられるに違いない。

最近、時々こうした陥没事故や水道管の破裂事故が起き、地下の老朽化が問題となっている。

今回、吉祥寺のど真ん中で起きた陥没事故も、原因が特定されるまでは騒ぎが続くことになりそうだ。

あくまで個人の見解だが、今の武蔵野市長さんは市民運動ばかりで、あまり街の再開発には興味がないように見える。

吉祥寺の中心部はお寺が地主で再開発がしにくい事情もあって、ビルの老朽化が進んでいる気がする。

今回の陥没の原因は「葡萄屋」跡地の再開発かもしれないが、もっとヤバい現実が人知れず進行している可能性も十分に考えられるのだ。

さて話変わって、暦を見れば、今日から七十二候の「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」である。

二十四節気「霜降」の末候ということで、5日後には「立冬」、すなわち暦の上ではもう冬に突入するというわけだ。

「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」とは、文字通り「モミジやツタの葉が黄葉する頃」という意味である。

確かにいつの間にか、井の頭公園の樹々も少し色づき始めている。

11月始めのこの季節、どんな植物が紅葉しているのか公園をぶらぶらしながらチェックしてきた。

一番黄色に染まっていたのは「カツラ」の木である。

すでにほとんどの葉っぱが黄色に変色し、すでにどんどん散り始めている。

赤く紅葉しているということでは、「アキニレ」の木が一番赤い印象だ。

七井橋をバックに赤く色づいた葉が美しい。

狛江橋のたもとにある大きな「メタセコイア」の木も半分以上色がついていた。

褐色に染まったメタセコイアは実に美しいものだ。

「自然文化園」がある中之島には「メタセコイア」や「ラクウショウ」の木がたくさんあるので、井の頭池の周囲よりも色づきが早い気がする。

週末はお天気も良かったので、水面に秋の景色が映ってとてもきれいだった。

おまけに、枝先にはたくさんの実がついていて、近くで眺めるとなかなか壮観である。

この実が今後どのように変化していくのか、植物観察を続ける私は興味津々だ。

テニスコートの向こう側で赤く染まっているのは「ケヤキ」の大木だ。

「ケヤキ」は場所によって色づきがバラバラで、吉祥寺通り沿いのケヤキ並木が最も色がついている気がする。

さて、肝心の「モミジ」はどうだろう?

「お茶の水橋」のイロハモミジはまだようやく色づき始めたところである。

井の頭公園にはたくさんのモミジがあるが、その大半はまだこんな感じだ。

プロペラ状の種子がたくさん枝についている。

この木が赤く染まるのは今月下旬ごろだろうか。

しかし井の頭池のほとり、日当たりの良い場所ではすでに五分ほど赤く色づいたモミジの木もある。

木によって、日当たりによって、紅葉の進み具合にはかなりの差があるようだ。

ツタでいえば、弁財天を望む樹木に絡んだこちらのツタはまったく緑のままだ。

そもそもツタには色づくものと常緑のものがあり、私にはまだそれを見分けることができない。

黄色く色づいたツタを見つけたと思って植物識別アプリ「Picture This」で調べてみると、なんと「ナガイモ」との表示が出た。

これが本当に「ナガイモ」なのかどうか、私には判断ができないが確かにネットで見ると野生化したナガイモもあるようなのだ。

色づいたツタという意味では、美容室の装飾に使われているつる植物がとても美しく色づき始めているのを見た。

これは本物なのか造花なのか知らないが、いつもセンスのいいお店だなあと思いながら店の前を通るのである。

日本人にとって紅葉狩りは秋の大きな楽しみである。

私も若い頃から秋には紅葉を求めて旅行したりしたものだが、どの植物がどのタイミングで色づくのかなどこれまでまったく興味がなかった。

春に新緑を見にまとった樹々が、夏には深い力強い緑となり、それが徐々に色あせていき、散る間際になって最後の輝きを見せる。

それが紅葉なのだ。

ある意味、人間の一生にも似ている。

最後に美しく色づいて見せられるかどうか、私も頑張らなければならないと思っている。

<吉祥寺残日録>葡萄屋ビルの解体が始まったいた #200917

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