2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
花が少ない9月の井の頭公園で私の目に止まった植物を、最後に総まとめしておく。
「タイワンホトトギス」と「オシロイバナ」、そして「ノアザミ」である。
「タイワンホトトギス(台湾杜鵑草)」

井の頭池南側の遊歩道を歩いていると、こんな花が目についた。
植物識別アプリ「Picture This」で調べると、「タイワンホトトギス」と表示された。
御殿山の山野草のエリアで以前見かけた「ヤマジノホトトギス」と似た花だが、その色は明らかに南国の色彩である。

台湾では、ごくふつうに見られるホトトギス属の種である。日本では沖縄県の西表島に分布し、滝の水が滴るような場所に生育する。
出典:ウィキペディア
井の頭公園では遊歩道の中に設けられた花壇で咲いているので、当然ながら自生したものではなく人間の手によって育てられているものだろう。

それにしても、見れば見るほど不思議な形をした植物である。
花言葉は「永遠にあなたのもの」。
「タイワンホトトギス」 分類:ユリ科ホトトギス属 特徴:多年草 花が咲く時期:9〜11月
井の頭公園の「タイワンホトトギス」はここ!

「オシロイバナ(白粉花)」

この植物は「オシロイバナ」。
南アメリカ原産で江戸時代に日本にやってきた。
花が開いているところが撮影できたら記録しようと思っている間に時間が経ってしまい、とりあえず萎んだ状態の写真だけで記録しておこうと思ったのだが・・・

実は、夕方になると花が咲くということを知り、改めて先ほど見に行ってみると確かに花が開いていた。
「オシロイバナ」は別の名を「夕化粧」という。
まさに夕方になると化粧を始める女性たちを偲ばせる花である。
夜間に開き花筒が長いので口吻の長い大型の夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難である。日本のオシロイバナでは主にスズメガが吸蜜し、送粉に関わっている。
出典:ウィキペディア

どうしてわざわざ夜に咲くのか?
人間もいろんな人がいるが、植物の世界も本当に多種多様である。
花言葉は「臆病」。
「オシロイバナ」 分類:オシロイバナ科オシロイバナ属 特徴:多年草 花が咲く時期:6〜10月
井の頭公園の「オシロイバナ」はここ!

「ノアザミ(野薊)」

御殿山の山野草エリアで、夏頃から存在感を放っているのがこちら。
おなじみの「ノアザミ」である。
こうして花だけを見ているととても綺麗なのだが、その背丈は2メートルほどにもなる。

他の植物を圧して背が高く、力強さは人一倍だが決して美しい立ち姿とはいえない。
夏の間に大きく育った茎は、この季節にはだいぶ疲れてきて、グデっとうなだれてしまっている。

それでも昆虫たちには人気のようで、アザミの蕾にアブがしがみついて一生懸命花の蜜を吸っていた。
持ちつ持たれつ、植物たちは己の個性を精一杯発揮して、命を繋いでいることがよくわかる。
花言葉は「独立」。
「ノアザミ」 分類:キク科アザミ属 特徴:多年草 花が咲く時期:4〜10月
井の頭公園の「ノアザミ」はここ!

井の頭公園の植物2021
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