VRアーティスト

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幕張メッセで開かれた「Interop  Tokyo  2017」で未来に触れてきた。

AI、VR、AR、4K、8K、SNS、サイネージ、ロボット、ドローンなどなど。

「第4次産業革命」と呼ばれる変革の時代。その中核をなすのが、IoTとAIだ。

すべてのものがインターネットにつながるIoT社会は確実にやってこようとしている。しかし、それで何をするのかという肝心の部分がまだはっきりしない。それでも、あらゆる業種がIoT社会に向けた準備を始めている。

膨大なデータが飛び交う「IoT社会」をコントロールするキーワードとして今年最も注目されているのが、「人工知能=AI技術」ということになる。ビッグデータはもはや人間の能力では扱えない。それを人工知能を使って制御しようというのだ。

ただ、現在の人工知能はまだ、人間の能力を超えることはない。AIを適正に働かせるためには、どのようなデータを学習させるかを人間が決める。人工知能といっても、その得意とするのは、膨大なデータの読み込みと処理のスピードに過ぎないのだ。学習させるデータが少なかったり、適切でなければ求めるような結果は得られない。

それでも、自分の業界にAIを導入すると何ができるか、考えずにはいられない。テレビの世界は労働集約的で非効率の塊だ。間違いなく人工知能に置き換えられる仕事がたくさんあるはずだ。そして人間はよりクリエイティブな分野に自らの頭脳を使う時間を確保する。今はやりの「働き方改革」は最新テクノロジーの導入を前提に考えざるを得ない。仕事の質を落とさずに、クリエイティブな部分を犠牲にせずに労働時間を短縮するためには、テクノロジーの活用以外の方法はないだろう。

新しいテクノロジーは新しい表現をもたらしてくれる。

例えば、映像を映し出すドローン。そうしたドローンを自動制御し、編隊飛行をさせるとこれまでになかったような、パフォーマンスを空中で展開することができる。

例えば、360°動画で注目されるバーチャルリアリティ。昨年は「VR元年」と言われ、世界中でVRが注目された。多くの企業がVRコンテンツに挑戦しているが、期待したほど一般に広まっていない。

ターゲットと想定された若者層が今までのところVRにあまり興味を示さない。私はもともと今のようなヘッデオマウントをつけないといけないVRがビジネスになるとは思っていないので、この結果は当然だと考えている。ハードだけでは流行は作れない。そのハードの特性を活かしたコンテンツが登場して初めて一般に広まるのだ。

VRの代わりに今若者に人気なのが「写真加工アプリ」だという。やはり基本は「自撮り」なのだ。世界中の若者たちは「自分」を撮影し、可愛く加工=「盛って」、SNSで仲間内で見せ合う。そのためのアプリが次々に開発され人気となっている。

日本では「snow」というアプリが女の子たちの間で流行っているという。

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ブタの鼻でも「カワイイ」自己表現ということになるらしい。海外で人気の「スナップチャット」というアプリは自撮り写真を加工できるだけではなく、一定時間が経つと投稿した写真や動画がサーバーから消えるというのが売りになっているらしい。昔の恥ずかしい写真がいつまでも残るのは困るらしい。すぐに消えるから、より際どい映像も仲間と共有することができるということらしい。

いずれにせよ、SNSの世界もどんどん変化していて、写真から動画へ、動画も横から縦へ、さらに不特定多数からよりクローズドな仲間内だけのコミュニケーションへと移り変わっているのだという。

今年の展示会で注目を集めていたのは、テレビ局の動向だ。これまで腰が重かったテレビ各社がここ数年、突然新しいビジネスに積極的に乗り出す動きが表面化した。HuluやabemaTVのような動画配信、VR動画、スマホ向けコンテンツの開発などだ。まだ始まったばかりだが、最強のコンテンツ制作集団が本格的に動き出したということで、その動向が注目されている。様々なテクノロジーを開発しても必要なのは良質なコンテンツであり、皆が見たくなるエンターテインメントがなければ普及しないということが、わかってきた結果のような気がする。

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サイネージの分野で目を引いたのは、シャープだ。台湾のホンハイの傘下に入って再建を目指すシャープは、8Kに力を入れている。8Kモニターも展示していたが、大型のハイビジョンテレビ16台を組み合わせて8K映像を映し出す8Kパブリックビューイングを打ち出した。全体的には去年一昨年に比べ、4K・8K熱が落ち着いてきている中で、シャープ一社が突出する力の入れようだ。果たして会社再生の切り札になるのか、注目したい。

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そして、こんな展示会で私が一番面白かったのは、大企業の展示ではなく、一人のユーチューバー女性だった。「VRアーティスト・せきぐちあいみ」と紹介された。

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彼女はVRのヘッドマウントディスプレーを頭にかぶり、両手にコントローラーを持って、バーチャル空間に絵を描くのだ。しかもスピードが早い。わずか3分ほどで見事な絵を描きあげる。これはイベントでもテレビでも使えると思った。

彼女の見ているディスプレーの映像が大画面に映し出された。

ちょっとわかりにくいかもしれないが、あっという間に見事な龍の絵が出来上がった。

「映像のプロ」の時代は終わり、新しい道具を自在に操って遊ぶ若い世代が新たな時代のコンテンツを作っていくのだと確信した。

彼女はユーチューバーのアイドルとして何年も活動し、過去には数千万PVというページビューを獲得したこともある実力派だ。そんな彼女のVRアートは海外からも注目されている。

もはや私の時代ではない。

オヤジは黙って、若者が作り出す今まで見たこともないコンテンツを楽しみたい。願わくは、おじさんにもわかるようなコンテンツであるといいのだが・・・。

面白い時代がやってきそうな予感がする。

 

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