弟の会社を訪ねて八王子まで出かけた帰り、昼ごはんを食べることにした。
八王子に来ることなど滅多にないし、特に南口は降りたこともない。
ということで、食べログで「八王子駅 ランチ」で検索し最上位に出てきたラーメン屋さんに行ってみることにする。

八王子駅の南口に出ると、41階建てのタワーマンションが建っていた。
「サザンスカイタワー八王子」。
すごく新しそうに見えたけれど、2010年に完成した多摩地方で一番高いビルだそうだ。
八王子、人も多いし、思っていた以上に街なんだと思う。

Googleマップを頼りに歩いていくと、タワーマンションの目の前にこんな渋い雑居ビルがあった。
東洋一昭和レトロの銘店街「八王子ロマン地下」という文字が見えるが、調べてみると大昔から存在するのではなく、南口の再開発に合わせて古いビルを利用して地元が作った地下街だということがわかった。
しかし知らないとちょっと入りにくい雰囲気を感じるのだが・・・

駅から歩くこと10分ほど、国道16号沿いにその人気店はあった。
「ほっこり中華そば もつけ」。
「大和屋」という古い屋号が残る建物をそのまま利用し、2916年にオープンしたまだ新しいお店だ。

食べログNo.1なのだから多少の行列は覚悟していたが、通りから見て待っている人は10人ほどかなと思って列に並ぼうとすると、行列は建物の壁沿いに角を曲がりその先まで伸びていた。
気づいた時にはすでに食券を買っていて、今更止めるわけにもいかない。
いやはや、これは入店まで時間がかかりそうだ。

主要なメニューは、「中華そば」と「坦々麺」。
中華そばは「力強い無添加スープにぷりっぷりの自家製麺」、坦々麺は「胡麻ペースト・辣油など、すべて“手作り”にこだわります」と記されていた。
ただ事前に見た「つけ麺」の口コミがすごく気になっていて、お店に着いた時にはすっかり「つけ麺」を食べるモードになっていて、迷わず「味玉つけ麺」(1000円)の食券を購入したのだ。

結局、行列に並んでからお店に入れるまで40分ほど待った。
それもそのはず、店内はカウンター席が6席のみ。
事前に食券を受け取ってスムーズに調理を行なっても、これだけの客をこなすには時間がかかる。

席に着くと5分ほどで注文の品がカウンターに置かれた。
「味玉つけ麺」(1000円)。
スープは濃い目の味付けになっているので、麺を半分程度つけて食べてくださいと説明される。

そのスープ、見た目が想像以上にシンプルだった。
熱々なのはいいのだが、スープに入っているのは刻みネギのみ、いささか寂しい印象を受ける。
カウンターに置かれた説明には、『国産鶏スープに沢山の乾物を合わせて作る無添加スープです』と書いてあるが、実際にはかなり濃厚な魚介の味がした。
塩味も強めで、店員さんが言った通り、麺をドバッとスープに浸すとちょっとしょっぱすぎるだろう。

一方、麺の方は、上にぎっしりと並んだ具材でほとんど見えない。
まずは麺を拝むために、チャーシューからいただくことにする。

2種類のチャーシューが合わせて3枚乗っている。
『国産肉を使い、その他の食材に適した調理法で仕上げております』
確かにしっとりとジューシーで美味しいチャーシューだ。

続いて味玉。
こちらもいい感じの半熟で丁寧な仕事ぶりがうかがえる。

そしてチャーシューの下に隠れるように、ワンタンの皮とメンマ、ほうれん草が添えられていた。
中華そばを注文すると、中身の入ったワンタンが入っているようなのだが、つけ麺の場合は皮だけとなるらしい。

こうして具材を一つ一つ剥がしていき、ようやく麺に到達する。
『「春よ恋」をはじめ数種類の国産小麦にたっぷり卵と合わせて製麺しています』
麺は細めで腰がある。
ツルツルした喉越しの良い麺だが、冷水で絞めてあるので、箸でつまみ上げると長くつながってくるので、ちょっと食べにくい。

3分の2ほどを食べ終わったところで、スープ割を頼み残りの麺をいただいた。
「辛かったらもっと薄めますからおっしゃってください」
確かにまだ塩辛い。
でもそのまま麺を食べ切り、スープは飲み干す気にはならなかった。

全体的に完成度の高いラーメン屋さんで接客もとても丁寧、この店が短期間で超人気店になってのはよくわかる。
ただ「つけ麺」をあえて選んだ私のチョイスは間違っていたかもしれない。
個人的にはこの店のつけ汁は塩味が強すぎた。
もし今度来ることがあれば、「坦々麺」を食べてみたいと思う。
食べログ評価3.85、私の評価は3.40。
「ほっこり中華そば もつけ」 営業時間:[月・水~金]11:00~14:30/17:00~20:00 [土・日・祝]11:00~15:00 定休日:火曜 https://twitter.com/MiQ4x