買い物に出たついでに、「ベトナム料理でも食べて帰らない」と妻を誘ってみた。
老人と接することを気にしてあまり外食に行きたがらない妻だが、好物のベトナム料理と聞いて心が動いたらしい。

我が家お気に入りのベトナム料理専門店「WICH PHO 吉祥寺店」。
もともとアメリカで営業していたベトナム人が開いたお店だが、オープン当時はお客さんも少なく、果たして激戦地・吉祥寺でやっていけるか心配してものだ。
でも、店に降りる階段の前には「米粉を使った麺 フォー」と書かれた派手なのぼりが立てられ、元気に営業を続けていた。

雑居ビルの地下にあるお店は、三連休ということもあって賑わっていた。
オープンからもうすぐ3年。
コロナ禍で苦労しただろうが、どうやら吉祥寺に根を下ろしてくれそうだ。
本場のベトナム料理が食べられるお店として私も妻も気に入っているので、この賑わいを見て嬉しく思った。

しばらく来ない間にいろいろ変化もあった。
注文用にタブレットが導入され、メニューの数も以前よりだいぶ増えたようだ。
最初は夫婦で営むお店といった印象だったが、従業員の数も増えていた。

妻はワンパターンの「Pho Ga 鶏肉のフォー」(1000円+税)を注文した。
『フォー・ガーとは鶏のスープで仕立てた麺料理のことなのでとてもあっさりした味付けで、現地では朝食として食べられることも多いのだそうです。屋台で提供されているような身近な料理ですが、一方で五つ星のホテルでも提供されることもあるという事です』
タッチパネルには、トッピング卵や麺大盛といった有料オプションの他に、レモンや香辛料などいろんな無料オプションもあって、お好みで足すことができるようだ。

私は悩んだ末、食べたことのない「pho xao フォーと牛肉炒め」(1050円+税)を選んだ。
こちらは何の説明もつけられていないので、写真の見た目で選んだ感じだ。
イメージで言うと、タイ料理の「パッタイ」みたいな料理だろうか?

さほど待つこともなく、まず妻が注文した「鶏肉のフォー」が運ばれてきた。
玉ねぎや刻みネギが散りばめられ、見た目も美しい一杯である。
味の方も文句なし、妻はレモンを絞っただけのシンプルな味付けで食べていたが、ある程度量があるため、私も分前に預かった。
私的にはあっさりし過ぎているため、テーブルに用意されている調味料をいろいろ混ぜ、自分好みの味に整える。
う〜む、実に美味である。

そしてこちらが私が注文した「フォーと牛肉炒め」。
もやしの入ったピリ辛スープ付きだ。

きしめんのようなフォーと牛肉の薄切りを野菜と一緒に甘辛く炒めたもの。
やはりタイ料理の「パッタイ」に似た味だ。
一口食べた妻は「焼肉のタレで炒めたみたい」と言ったが、確かにそんな感じの味でもある。

妻は一口食べて、「鶏肉のフォーの方が美味しい」と言ったが、私はこれはこれでとても美味しいと感じた。
とてもやさしい、安心できる味なのだ。
普通のフォーももちろん美味いが、初めて食べた炒めたフォーも悪くない。

やはりベトナム料理はタイ料理に劣らず優れていると思った。
気楽に立ち寄れるベトナム料理店としていつまでの吉祥寺にあってもらいたいお店である。
食べログ評価3.29、私の評価は3.50。
「Wich Pho」 電話:0422-26-5939 営業時間:ランチ11:00~15:00 カフェ15:00~17:00 ディナー17:00~22:00 定休日:年中無休