ゴルフの練習に行った帰り、吉祥寺で遅めのランチを食べる。

昨日は一日中快晴で、吉祥寺の街中はどこも人でごった返していた。
もう時間は午後2時半を回っていたので、ランチ営業を終えて休憩時間に入っているお店も多いだろう。
さて、どこの店に行こうかなと考えた時、閃いたのが「コピス吉祥寺」の地下にある洋食屋さんだった。

「洋食&カフェ らすぷーる」。
1972年にオープンした老舗の洋食屋さんである。
今年で創業50周年、看板には老舗であることを誇るかのように「Since 1972」の文字が添えられている。

店の前にはコック帽を被ったおじさんの人形。
お店のサイトを見ると、このおじさんはピエロなのだそうだ。
「コピス」の前身である「F&Fビル」が開業した時からずっとこの場所で時代の変化を見つめてきたのだろう。
移ろいの激しい吉祥寺で50年営業を続けている飲食店はほとんどない。
それだけ地元に愛されてきた証拠とも言えるだろう。

昭和の香りをとどめるショーケースには、伝統的な洋食の数々が並んでいる。
テレビなどでも度々紹介されるオムライスやエビフライ、パスタやカレー、ステーキもある。
ちょっとタイムスリップした気分を味わいながらお店の中に入った。

店内は歴史を感じさせる重々しさはなく、商業施設の中によくある飲食店の趣だ。
午後3時になろうとする時間だが、テーブルは7割がた埋まり、食事をしている人も多い。

メニューを開くと、多彩な料理が並んでいた。
一番人気は「ナスとポークのしょうが焼」だと書かれている。
さあ、どうしよう。
少し迷っていると店員さんが3種類のランチについて説明してくれた。
ハンバーグ、パスタ、カレーの日替わりランチが午後3時まで食べられるという。
900円(税別)という値段に惹かれて、ハンバーグのランチをお願いした。

ランチは、注文からわずか3分ほどで運ばれてきた。
この日のハンバーグは、「和風オニオンハンバーグ」だという。

みじん切りにした玉ねぎをジュレ状のソースにしているらしい。
ハンバーグは大きすぎず、小さすぎず、午後3時に食べても大丈夫そうなサイズだった。

味の濃いドレッシングがかかったサラダには、コーンとポテトサラダが添えられている。
何から何まで昭和の洋食がそこにはあった。

オニオンソースを絡めながら、ハンバーグをいただく。
柔らかくてどこか懐かしいハンバーグの味がした。
特別な何かがあるわけではない普通のハンバーグ、でもそれがかえって珍しい。

50年続くお店には、斬新さよりも安定が求められているのかもしれない。
そんなことを感じさせられた昼下がりのランチだった。
食べログ評価3.27、私の評価は3.30。
「らすぷーる」 電話:0422-22-0877 営業時間:11:00~22:00 定休日:不定休 https://www.instagram.com/pielo1972/