<ご当地グルメ>茨城潮来「清水屋」の「天然鰻うな重 霞ヶ浦産」

孫のお宮参りも無事に終わり、東京駅行きのJRバスの車内でこの記事を書いている。

息子からの連絡で、午後1時に鹿島神宮まで来てくれと言うので、その前に老舗のうなぎ屋さんでランチを食べることにした。

選んだのは、潮来市の町外れ、霞ヶ浦に面した場所にお店を構える「清水屋」。

なんと創業は江戸時代の安永3年、1774年だというからもう少しでその歴史は250年となる。

だから、店の入り口にはとんでもない歴史の痕跡が残っていた。

暖簾をくぐると、正面には立派な生花が飾られた玄関があるのだが、その入ってすぐ脇に飾ららていたのは、幕末の水戸藩を騒がせた「天狗党の乱」の際に柱についた銃弾跡だそうだ。

天狗党といえば、幕末の水戸藩で尊王攘夷を唱えて挙兵した武士たち。

軍資金を求めて北関東で暴れ回り、最後は水戸藩出身の将軍慶喜に見捨てられ哀れな最期を迎えた。

そんな激動の歴史を見守ってきた利根川沿いの旧館を畳んで、今の場所に店を移したのは船に代わって自動車が交通の主役となった戦後のことらしい。

午後の1時には鹿島神宮には行かねばならぬため、店が開く午前11時に訪れた。

メニューを開くと、うな重は松が4800円、竹が3800円、そして梅が3200円となっている。

妻は迷うことなく、一番安い「うな重 梅」3200円をチョイスする。

まあ普通の値段だが、お茶を持ってきた店員さんが「こちらは養殖物ですが、今日は天然の鰻も入荷しております」と教えてくれた。

霞ヶ浦入って昔からの鰻の産地、この辺りを車で走るとやたらと鰻屋が目につく。

せっかくなので天然鰻を食べてみるかと値段を聞くと、こんなメニューを持ってきてくれた。

「天然鰻うな重 肝吸い・香の物付き 霞ヶ浦産」

値段は鰻の大きさによって、「細め:3匹」5300円から「太め、肉厚:身2切」10600円まで沢山の種類が用意されていた。

せっかくだったら太めがいいだろうと「太め、肉厚:身1切」5800円をいただいてみることにする。

ここまでは実に順調だった。

まだ時間には余裕があり、お店の歴史やアメリカから帰国して9代目を継いだ若女将の記事などを妻と一緒に興味深く読んだりしてうな重が出来上がるのをワクワクしながら待っていた。

記事によれば、「清水屋」の客には皇族のほか、森繁久彌や三船敏郎、坂本九らの著名人、さらにはラストエンペラーの弟である愛新覚羅溥傑もこの店の鰻を食べたという。

こういう蘊蓄は私の大好物である。

しかし、30分が経ち、40分が経ち、ついに50分も過ぎて、私も妻も不安になってきた。

いくらなんでも時間がかかりすぎる。

これでは約束の時間に間に合わなくなってしまう。

とうとうしびれを切らせて店の人に「まだ時間がかかりますか?」と聞きにいく。

すると厨房に確認に行った店員さんが、「天然鰻を蒸すのに時間がかかっていて、もう少しお待ちください」と言う。

それを妻に伝えると、妻の心配性に火がついてしまった。

「天然鰻なんか頼むからだ」と私を非難して、今からキャンセルして妻が注文した養殖鰻を二人で分けようとまで言い出した。

そんな感じで、妻が今にも店を出ようとし始めた時、「今、蒸しが終わり、これから焼きますので後6分ほどお待ちください」と伝えにきてくれた。

時刻は12時になろうとしていた。

店から鹿島神宮までは車で30分はかかるので、私も正直やばいと思い始めた。

12時も回り、そろそろ我慢の限界を感じ始めた時、「お待たせしました」と言ってうな重の膳が私たちの前に置かれたのだ。

助かった、これならなんとか間に合うだろう。

妻は私が写真を撮るのも待たずに「うな重 梅」を食べ始めてしまった。

仕方がない。

養殖鰻のうな重は他でも食べられるので、天然鰻のうな重だけは写真を撮って記録しよう。

私が注文した「天然鰻うな重 太め、肉厚 身1切」は、確かに太めで焼き色も美しい。

肝吸いは味付け薄めで上品な仕上がり。

香の物はしっかりと味が染みていて、タレご飯にアクセントをつけてくれる。

こうして手早く写真を撮り終えると、鰻に山椒を振り、鰻をかきこむ。

あっ! 柔らかい!

これが天然鰻の第一印象だった。

というのも、過去に食べた天然鰻の蒲焼がまるでゴムのように硬かったことが記憶に残っていたからだ。

妻が注文した養殖鰻と比べると、天然鰻は身が引き締まっているが硬くはない。

しっかり蒸すことでふわふわの食感が得られるのだと実感した。

結局、私も妻も10分ほどで食べ終わってしまった。

約束の時間が気になって、ゆっくりと吟味する気分になれなかったのだろう。

残念ではあったが、デザートの水羊羹だけは少しゆっくりといただいた。

バタバタしたランチになってしまったものの、天然鰻に対する認識が変わったのはよかったと思う。

これも創業250年の老舗の実力。

最終的には約束の時間には間に合ったし、私たち夫婦の間では面白い経験として記憶されることになりそうである。

食べログ評価3.51、私の評価は3.40。

「清水屋」
電話:050-5597-6327
営業時間:土日・祝祭日11:00~20:00
     火曜~金曜日11:00~16:00
定休日:月曜
https://www.kappo-shimizuya.com/info.html

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