<ご当地グルメ>岡山・勝山「一心庵」の「淡い緑の十割そば」

昨日蒜山高原までドライブに行った帰り、岡山県北の小さな城下町・勝山に立ち寄った。

目的はお蕎麦を食べることである。

お目当てのお店は国道313号線沿いにある石臼挽手打ちそばの専門店「一心庵」。

地元の人気店らしく私たちが到着した午後1時前には店内は満席で、後から後からお客さんがやってくる。

入口に置かれた黒板には、「本日の蕎麦の産地」が書いてある。

「淡いみどり(十割)」は茨城県の常陸春新そば、「無玄(十割)」と「二・八」は長野県の信濃一号。

そば通ではない私には何のことやらだが、そば粉にこだわった十割そばの店であることは十分に伝わってくる。

さほど待つこともなく店内に案内される。

お店は古民家風で、接客の女性はとても低姿勢だ。

メニューは冷たいものも温かいものもいろいろ用意されているが、店の売りは2種類の十割そばである。

「無篩(ぶる)い無玄そば」は、石臼で篩を通さず、粗挽きに製粉し水だけで打ち上げた十割そば。

「淡い緑の十割そば」は、色彩選別機で、より緑色の綺麗な丸抜きの実を取り出し、店の石臼でゆっくり丁寧に製粉した十割そばだという。

私も妻も、予想がつかない「淡い緑の十割そば」(1000円)を注文した。

そばを待つ間、店内をキョロキョロと眺める。

上を見上げると、天井がとても高い。

店内に飾られた白い花は、間違いなくそばの花だろう。

私たちが蒜山を訪れようと思ったのも、ちょうど今頃咲くそばの花畑を見るためだった。

そうこうしているうちに、もう蕎麦が運ばれてきた。

「淡い緑の十割そば」。

その名の通り、言われてみればほんのり緑がかったおそばである。

民芸風の器もこの店の雰囲気にマッチしている。

この店のこだわりは国産そば粉だけではなく、昔ながらの製法で、こね、のし、包丁を大切に、一本一本丹精を込めて打ち上げる技にも込められているという。

十割そばというと、ヘタをするとパサパサした印象を受けることもあるが、この店のそばは実にしっとりとしていて喉越しがいい。

当然のことながら、十割そば特有の香りももちろんある。

つゆは甘すぎず、辛すぎず、私好みの味だ。

通ではない私はたっぷりつゆをつけてそばを食べるが、薄まることもなく最後まで美味しくいただけた。

「一心庵」の隣には、「勝山木材ふれあい会館」があり、地元産の木材を加工したユニークな製品が展示販売されているので、食後にぶらりと覗くのも楽しいだろう。

わざわざ遠回りした勝山まで来た甲斐があるそばの名店である。

食べログ評価3.61、私の評価は3.60。

「一心庵」
電話:0867-44-2733(予約不可)
営業時間:平日11:00~15:30
                土日11:00~16:30
定休日:月曜・火曜

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