来月、亡父の法事で東京から家族が岡山に集まるため、会食に使えそうな店を妻と新規開拓しようということになった。
Googleマップで調べると、我が家から比較的近くに古民家ダイニングがあるらしい。
詳細は全くわからないまま、とりあえず行ってみることにする。

我が家と同じような焼き板張りの古民家。
岡山では珍しくもない民家だが道路に向かって掲げられた看板によってそこがレストランであることが辛うじてわかる。

「古民家Dining noBu」。
エントランスの暖簾やビールの看板が無ければその辺にある普通の農家である。
ただよく見ると、入り口の右側には業務用の大型冷蔵庫が置いてあった。

玄関を入ると、黒板にその日のメニューが掲げられている。
「カジュアルミニコース」1500円。
ランチタイムにいただけるのはこのコースのみ、迷う余地はない。

この日は平日だったが、店内はほぼ満席だった。
夫婦で来ている客もいるが、大半はやはりマダムたちである。
我が家と同じ田の字の畳の部屋を繋げて赤絨毯を敷き、テーブルを並べている。
間取りは我が家とそっくりだが、襖がない分、すごく広く感じる。

テーブルからは庭を眺めることができる。
ツツジやら松やら金木犀やら、庭木まで我が家と同じようで、縁側の位置も含めて我が家でレストランを開いているような感覚に陥る。

私たちが店に入ったのはすでに午後1時半を回った頃。
接客を担当する男性は注文を聞くでもなく、すぐに最初の一品を運んできてくれた。
テーブルに置かれたお品書きを見ると、これは前菜ではなく「季節の野菜」という一皿のようだ。
説明には、「自家製果実酢ドレッシングで食べる焼き野菜やマリネ」と書いてある。
8種類ほどの野菜、ちょっと酸っぱい。

続いて、「前菜3種」と「ポタージュスープ」。
前菜はスペイン風オムレツ、揚げ大豆、リエットの3種類、スープは豆乳入り野菜ポタージュだそうだ。
特別美味しいわけではないが、悪くもない。

次は「オリジナルピザ」。
サイズは小さめで、「海洋酵母入りミックスピザ」とメニューには書いてあるが、ピザとしては今ひとつと感じる。

そして「本日のメイン」。
週替わりのようだが、この日のメインは「ローストビーフ」、赤米入りライスと野菜が添えられていた。
ローストビーフはとても柔らかい。

最後は、デザートとドリンク。
デザートは「ミルクアイスとグレープフルーツのムース」で、これがコースの中で一番美味しかった。
ドリンクは、コーヒーと紅茶、アップルジュースとオレンジジュースの中から選ぶ。

厨房は奥様らしき女性が切り盛りし、2人の若者がサポートしていた。
彼らは彼女の子供たちなのか、それともただの従業員か?
接客をしていた男性はおそらく女性の旦那さんなのだろう。
テレビ朝日の「人生の楽園」を地でいくようなレストランである。
個人的には料理の満足度は決して高くはなかったが、古民家レストランの雰囲気は十分珍しく、誰かお客さんが来た時に案内する候補にはなりそうだ。
ちなみに、ランチ中心の営業で、ディナーは予約のみの受付となる。
食べログ評価3.39、私の評価は3.20。
「古民家Dining noBu」 電話:086-201-0726(ランチタイム予約不可) 営業時間:11:00~14:30/18:00~22:00 定休日:木曜 https://www.big-advance.site/s/164/1434