<きちたび>沖縄3泊4日の旅⑥ 「万国津梁」アジアをつなぐ架け橋「浜辺の茶屋」で見た沖縄の豊かさ

沖縄では本当に多くの中国人、韓国人を見た。

今回私たちが宿泊した「メルキュールホテル沖縄那覇」にも多くの外国人が宿泊していた。

IMG_1889

フランス系のホテルだが、玄関ロビーにある「OTSレンタカー」のカウンターには中国人客が群がっていた。

聞くとここでレンタカーを借りる人の9割以上は中国人だという。

↓ 那覇のホテル検索はこちらから ↓

IMG_1522

ド派手な色彩の魚や豚の頭などが並ぶ牧志公設市場でも外国人の姿が目立つ。

IMG_1592

そう、沖縄は日本だけでなく、中国からも韓国からも台湾からも身近な「異国」なのだ。

IMG_1569

沖縄県立博物館に古い釣鐘が展示されている。

「旧首里城正殿鐘」、通称「万国津梁の鐘」と呼ばれる国の重要文化財だ。

銘文には琉球と朝鮮・中国・日本との友好関係や、琉球が「万国津梁(ばんこくしんりょう)」、すなわち多くの国々の架け橋になると記されている。

「万国津梁」という言葉は、海外交易に対する強い気概を示す象徴的な表現として、沖縄では広く親しまれているという。

IMG_1799

駆け足で回った今回の沖縄。再びゆっくりと訪れてみたいと思った場所がある。

IMG_1835

摩文仁の丘から普天間基地に向かう途中、昼食を食べる場所を探していて偶然見つけた。沖縄本島南部の南城市、浜辺にひっそりとたたずむ手作りのカフェがある。

その名もズバリ「浜辺の茶屋」だ。

IMG_1800

幹線道路からも外れた辺鄙な海辺にあるそのカフェは、海に向かって大きく窓が開かれている。

IMG_1803

窓辺に座ると、目の前に沖縄の海が広がっていた。

サンゴ礁に囲まれた浅い穏やかな海は「イノー」と呼ばれる。イノーは昔から「海の畑」などともいわれ、小魚・貝 ・海藻など、海の幸などを手軽に与えてくれる豊かな場所として大切にされてきた。

IMG_1828

彩り鮮やかな「たっぷり野菜のカンパーニュサンド」(550円)。

お店のオススメNO.1だ。

IMG_1824

そして、「ホットドッグ」(550円)。

ケチャップとマスタードでアメリカ風に・・・。

IMG_1820.JPG

さらには、「ブレンド珈琲」(500円)と「黒糖ときなこのシフォンケーキ」(400円)。

IMG_1827

こんな素敵な場所がどうしてこんな場所にあるのだろう?

しかも、お店は満席。入り口には入店を待つ人たちが名前を書く。しかも、日本人だけでない。店内には中国語や韓国語も飛び交う。

沖縄の片田舎に世界からお客を呼ぶカフェ。この場所を作ったのは、土木コンサルタントの職を捨てて生まれ故郷に戻った一人の男だった。

IMG_1838

稲福信吉さん。

1994年にこのカフェを開いた。

「海以外に何もないこんな田舎にカフェをつくっても誰も来ないよ」とはじめの頃は誰もが冷笑していたという。しかし、稲福さんは「海以外に何もない田舎」に世界から人を集めた。

絶景を楽しめるカフェを「ロケーションカフェ」というらしい。「浜辺の茶屋」はそうしたロケーションカフェの先駆けだ。そして稲福さんは、その後も「山の茶屋」「天空の茶屋」「さちばるの庭」など新たな施設を次々にオープンしていく。

IMG_1792

ネットで稲福さんを取材した記事を見つけた。そこで稲福さんは自らの少年時代を次のように振り返る。

『「海も山も遊び場でね、海のどこに行けば何を獲れるか、山のなかのどの辺りにどんな果物がいつ頃実るか知ってたんだよね」。前もって狙いをつけておいた果実でも、熟す機会を見誤ると、誰かに食べられてしまう。時には鳥や野ネズミに先を越されてしまうこともある。食べ頃を的確に判断して、誰よりも先に収穫しなければならない。お金を出せば何でも手に入る時代では考えられない競い合いがそこにはあった。けれども、同時に分かち合いの精神も生きていたという。』

高校を卒業すると那覇に移り住んだ。二度と故郷には戻りたくないと思ったという。

しかし、都会で日本的な生活に慣れていく中で、沖縄らしい生き方について考えるようになった。

『稲福さんがたどり着いた沖縄らしい生き方は、少年時代に過ごしたふるさとでの自然との距離が近い暮らしだった。やがて、週末が来ると子どもを連れて玉城に帰り、自然を満喫する生活が始まった。自然にどっぷり浸かって生きていた子どもの頃、お馴染みだった土地の匂い。再び触れた懐かしい匂いが心の奥の何かに触れたのだろう。しばらくたって決断した。今から22年前、40歳のときに都会での生活を捨て、玉城に戻ることにした。そして、始めたのは原風景を取り戻すこと。』

IMG_1833

そして稲福さんは、今の心境をこのように語っている。

『「シマ(沖縄)の風を吸って生きてきたわけだから、シマの風のおいしさはよく知っている。できればそのおいしさを独占したいと思う。日本語でいじめられてきた体験も、“日本語で殺されてきた”経験もウチナーンチュにはあるからね。最近の若い世代はそういう体験が身近ではないから、日本人だウチナーンチュだと区別するのは古臭いって考えているみたいだけど…。それでもやっぱり、おいしい風をよその人にも味わってほしいと思う自分がいるんです」。良いとか悪いとか簡単に決められないことが人生にはたくさんある。そういったことを教えてくれるのが沖縄という場所なのかもしれない。』

IMG_1844

今度の旅では、駆け足で通り過ぎてしまった「さちばるの庭」。

昨年12月には宿泊施設「さちばるやーどぅい」もオープンしたという。近い将来、この宿に泊まって本当の沖縄を少しでも感じたいと思う。

「万国津梁」アジアの国々をつなぐ架け橋をめざした沖縄。

軍事基地ではなく、この田舎のカフェにこそ、沖縄の本当の豊かさが秘められている。

 

<関連リンク>

沖縄3泊4日の旅

①「ステーキ」と「軍用地主」アメリカとの複雑怪奇な関係

②日本人の知らない琉球王国の歴史に己の無知を知る

③博物館で見る沖縄の歴史「港川人」から「琉球処分」まで

④「非武の島」琉球を「基地の島」沖縄に変えたのは誰か

⑤沖縄基地問題の原因は私たち日本人の心の中にある

⑥「万国津梁」アジアをつなぐ架け橋「浜辺の茶屋」で見た沖縄の豊かさ

<参考情報>

私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。



 

コメントを残す