<きちたび>中央アジアの旅2023🐪 ウズベキスタン🇺🇿 首都タシケントの人気寿司店で食べた「北海道」という名のたこ焼きのような寿司

中央アジア最大の大都会タシケントでは、ちょっと面白みに欠けるがヒルトン系のホテルに泊まった。

「Hampton by Hilton Tashkent」

ヒルトン系列の廉価版ホテルといったブランドで、1泊1万3700円だった。

選んだ理由は新市街の中心ティモール広場から歩ける距離だったからである。

それでもさすが国際ブランドだけあって、部屋のインテリアなどは洗練されていて、ベッドまわりもシンプルで居心地がいい。

冷蔵庫にもアメリカらしい遊び心があり、引き出しに隠された金庫も扱い方が分かりやすく便利だ。

水回りもシンプルに機能的にまとめられていて、期待以上の満足度があった。

ただ、ホテルの周辺は新市街の中心で、巨大な建造物や近代的なビルが立ち並び、歩いていて特別面白いところというわけでない。

ホテルに入ったのはもう夕方だったので、この日の夕食はホテルの近くで探すことにした。

ホテルの隣はケンタッキー、でもあまりに安直なのでGoogleマップで周辺を調べると面白そうな店が見つかった。

地元で人気のお寿司屋さんらしい。

中央アジアの料理にも少し疲れて来ていたので、ここらで一回リセットして、ウズベキスタンの人がどんなお寿司をたべているのかチェックしに行くことにした、

お店の名前は「Yaponamama」、現地の言葉で「日本の母」という意味らしい。

お店の前にテーブルが並ぶ、カフェのようなお店だ。

店内も日本のイメージではなくモダンなインテリアである。

すでにファミリー客がテーブルを埋め、予約も入っているようで入口で少し待たされたが空いていた2人かけのテーブルに案内された。

もらったメニューを開いて驚いた。

この店を代表する寿司がこれだ。

色鮮やかな寿司?をハート形などに盛りつけて、家族でそれをつまむのがこの店のスタイルらしい。

とても一人では食べきれないので、別のメニューを探す。

ちょっと日本のイメージに近い握り寿司とラーメンのページがあったので、とりあえず、マグロとサーモンの握りを2貫ずつ頼んで様子を見る。

これまたカラフルな飲み物に混じって緑茶があったので、これも注文してみた。

果たしてどんなものが出て来るのだろうか?

先に運ばれて来たのは握り寿司だった。

確かに握りの形はしているが、並べ方が独特だ。

それに添えられたワサビとガリの色。

これがウズベキスタンの人の感性に合うのだろう。

小さな鉄瓶を醤油さし西崎使う発想も日本人からは出てこなさそうである。

とにかく、寿司を食べてみる。

シャリが硬い。

そして何より酢の味がしない。

ネタもらったもちろん日本のものとは比べものにならないレベルだが、酢の効いていないこの食べ物は寿司と呼べるのだろうか?

と、思ってたら、今度は緑茶が中国風のポットに入ってきた。

この方が派手でウケがいいのかもしれない。

ところが、飲んでみるとこちらはちゃんとした緑茶なのだ。

変なフレーバーも付いていない。

緑茶にプラスアルファでレモンを入れることもできるようだが、まじでレモンいらない。

お茶で少し心が落ち着いたところで、モニターに謎の物体が映し出されているのに気づいた。

メニューでその物体を探してみると、「Hokkaido」というお寿司であることが判明した。

これなら8個だから一人でも何とか食べられそうだ。

せっかくウズベキスタンの寿司屋に来たんだ。

日本では食えない寿司を体験して帰ろう。

目の前に「北海道」が置かれた。

どう見ても寿司ではなくタコ焼きである。

嬉しくなって、口の中に一つ放り込んだ。

美味い。

もちろん寿司の旨さではないのだが、別の食べ物と考えれば、これはアリだ。

ひと口サイズで食べやすい。

メニューをもう一度開いて、食材を調べてみると、サーモン、鰻、カニ、チーズ、バター、蒲焼のタレ、焼肉のタレと書いてあった。

これらをどのようにブランドするとこんな味になるのかは検討もつかないが、マヨネーズを焼いたような濃厚な味がする。

醤油との相性も悪くなくて、8個ペロリと平らげてしまった。

この店の握り寿司よりははるかに美味い食い物であることは間違いない。

こうして私がウズベキスタンの寿司を堪能している間も、客が次から次へとやって来る。

確かに人気店のようだ。

そして客たちは決まったように、あのカラフルなウズベキスタン寿司の盛り合わせを注文し、みんなでそれを分け合って食べるのである。

モニターには、例のハート形の盛り合わせが繰り返し流される。

次第に私もあれが食べてみたくなってしまった。

案外、日本でこの店の寿司を出せば人気が出るかもしれない。

常識を打ち破ったところに新たなチャンスは転がっているものなのだ。

ちなみに、私の滞在中、日本人の客は1人も来なかった。

中央アジアの旅2023🐪

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