<吉祥寺残日録>東京ビッグサイト「コンテンツ東京2022」で若きクリエイターたちに刺激をもらう #220630

東京は今日午前から35度を超え、6日連続の猛暑日を記録した。

もちろん6月としては観測史上初となる災害級の異常気象なのだが、梅雨前線がなければ本来は太陽の高いこの時期は暑いのが当たり前なわけで、今更ながら梅雨に感謝しなければならない。

そんな暑さにもめげず、昨日久しぶりに都心へ出かけた。

久々のお出かけとはいえ、半袖に短パン、帽子をかぶっての出勤だと、さほど暑さが苦にならない。

ラッシュ時間が終わった頃の井の頭線に乗り・・・

渋谷に着いた。

久しぶりに眺めるスクランブル交差点、特別変わった様子もない。

でも、来るたびに駅の動線が変わっている。

渋谷の再開発は少しずつ進み、新たなビル「渋谷フクラス」が完成しそこをつなぐ新しい連絡通路もできていた。

お上りさんのようにスマホを取り出し、写真を撮る。

昔を偲ばせる建物も少しずつ消え、渋谷のシンボルだった「東急百貨店東横店」もいずれ消えてなくなるのだろう。

東京に出てきた頃、この街に来ると不思議と方向感覚を失った。

私は普通より方向感覚に優れていると自負しているが、どうも渋谷との相性は当時から良くなかった気がする。

山手線に乗り換えようと歩いて行くと、一旦銀座線に誘導され、そこからJRの改札に向かうようにルートが設定されていた。

銀座線の脇にもクレーンが設置され、ここでも工事が行われていた。

JR渋谷駅のホームを付け替える工事だろうか。

りんかい線に乗り換えてやってきたのは「国際展示場駅」。

そう、今日は久しぶりに展示会にやってきたのだ。

コンクリートで固められた再開発エリアというのは、太陽の熱を吸収して暑さを一段と感じるのだが、それでも海が近いこともあって適度に風が吹き、日陰を歩いている分には汗が滴り落ちるということもない。

猛暑にもかかわらず、駅から展示場に向かう通路を大勢の人が歩いていく。

日本における見本市の殿堂「東京ビッグサイト」。

コロナ前にはグローバル化する世界経済の窓口として、拡張に拡張を重ねて巨大化したが、この2年間はリアルでの展示会は開けない冬の時代が続いた。

この日私がやってきたのは、テレビ局時代から通っていたコンテンツビジネスの総合展「コンテンツ東京2022」。

映像や広告といったテレビ屋には縁の深い展示会である。

同時開催は「XR総合展」。

ヴァーチャルリアリティ「VR」から始まり、拡張現実の「AR」、複合現実「MR」など新しい映像技術が次々に登場し、それらをまとめて「XR」と呼ばれるようになった。

展示会場は結構賑わっていた。

2年前まではテレビ局の名刺で入場していたが、今回からは個人事業の屋号「のんびり村」の名刺を持って参戦する。

ちょっと不思議な気分だ。

目についた展示をいくつか紹介すると、人垣ができていたこちらの展示はプロジェクションマッピングなどを精力的に手掛けていた会社の「XR スタジオ」。

背後と足元にLEDパネルを設置したスタジオセットで演奏するミュージシャンを撮影し、拡張現実の技術を使って屋外や仮想空間で演奏しているような映像に仕上げる。

コロナ期間中に急速に普及したライブ配信に対応した新たなビジネスということだった。

こちらは、立体的に映像が浮き上がって見えるデジタルサイネージ技術。

台湾企業のブースのようだが、外国で広まったこうした表現方法が新宿に登場し話題となったのは最近のことだ。

こちらは室内に360度の映像を映し出すプロジェクター。

スペインの製品だそうだ。

このプロジェクターとセットにして360度映像を配信できる8Kカメラというのが展示されていて、実際にブース内で映像を見せてもらったが、これはまるで使い物にならないと思った。

8K程度の情報量ではとても360度には不十分で、映像が汚い。

私が展示会に通い始めた7年前から映像の世界はあまり進化していないように感じる。

一方で、今世界中で注目されているのが仮想空間「メタバース」である。

こちらはモーションキャプチャー技術とデジタルヒューマンを組み合わせたブース。

人の動きに合わせてアバターが自在に動くこのシステムは5年ほど前から急速に技術開発が進み、Vチューバーと呼ばれる人気キャラクターも生まれている。

デジタルヒューマンの「ゆず」。

昔に比べて不自然な気持ち悪さがかなり解消されつつあると感じた。

いつの間にか機材も洗練され手軽に自分以外のキャラクターに変身し、仮想空間で遊ぶことが可能になりつつあるようだ。

今回の展示会でも「メタバース」を売りにするブースが目についたが、その展示内容を見てみると、とてもチャチで何の役にも立たないようなものが多い。

私のようなオヤジには、「メタバース」内に土地を買ったり、そこでショッピングしたりする若者の気持ちは理解できないので何ともいえないが、この先人類は本当にリアルな世界を離れて仮想空間で活動するようになるのだろうか?

私には到底想像ができない。

そんな企業のブースを離れて、今回私が一番時間を費やしたのが「クリエイターEXPO」と呼ばれる個人の出展エリアだった。

イラストや音楽、漫画や書道など様々な分野のクリエイターたちが自分の作品を売り込むために集まっている。

その中に「映像・アニメーション」というコーナーがあり、個人で映像を作る仕事をしているクリエイターたちがたくさん出展していた。

このジャンルはここ数年で急速に出展が増えていて、YouTubeやTikTokなど動画のニーズがいかに高まっているかを肌で感じた。

私は彼らが流している映像を見て、いいなと思ったクリエイターさんと次々に話をしてみた。

みんな新たな顧客を探して慣れない営業を頑張っていて、その若さと映像のセンスの良さにとても好感を抱いた。

彼らと一緒に何かやってみたい、と久しぶりにそんな気持ちになった。

やはり私は、こういう映像の仕事が好きなのだ。

大勢のクリエイターの中でチャンスを掴むのはごく一部だろう。

才能がある人たちと動画を作りたい人をつなぐ橋渡しができたら自分も楽しくてきっとやりがいもあるだろう。

大きなプロジェクトではなく、身の回りにある小さな飲食店やショップの集客につながるような仕組みを映像で作れれば楽しいかもしれない。

そんなことを彼らと話しながら妄想した。

今更ガツガツ仕事をする気はないが、若いクリエイターは応援してあげたい。

折りしも今日は、私がテレビ局を辞めてちょうど2年目となる記念日である。

明日から始まる隠居生活3年目の目標として、若いクリエイターの支援ということも新たに心にとめながら少しずつ活動していきたいと思った。

コンテンツ東京

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