NHKのBS1の番組「国際報道」で、ちょっと面白い2つのリポートを見た。
Embed from Getty Images一つは、去年訪れたカナダのバンクーバーのお話だった。
トランプ政権がシリコンバレーで働く外国人の入国にも規制を強化する動きを見せていることを受け、バンクーバーへの移転を検討するIT企業が増えているというリポートだった。早速、バンクーバーにはIT企業の誘致を支援する会社が活動を始めている。
バンクーバーの街は再開発が進み、湾に沿って統一感のある高層ビルが建ち並んでいる。高級コンドミニアムも林立し、IT長者を受けれる環境は整っている。しかも、もともと人種のるつぼを絵に描いたような街だ。
https://kichitabicanada2016.wordpress.com
アメリカファーストのトランプ政権が、逆にアメリカ経済を弱体化させる。そんな日が迫っているかもしれない。
Embed from Getty Imagesそしてもう一つのリポートはパレスチナからのものだった。
「世界一眺めの悪いホテル」というのが人気なのだという。イエス・キリストの生誕地ベツレヘムのパレスチナ側に建つ一軒のホテルがそれだ。
Embed from Getty Imagesこのホテルは、イスラエルが国境に築いた壁の目の前に建っている。客室からは壁が街を分断している様子がよく見える。
Embed from Getty Imagesホテルの中は、パレスチナの現実を風刺したアートで埋め尽くされている。
Embed from Getty Images催涙ガスに取り巻かれる彫像。
Embed from Getty Images枕で殴り合うイスラエル兵とパレスチナ人。
これは、世界から注目される覆面アーティストの作品だ。彼の作品は街のあちこちにあり、それを見るために世界中から人々が集まるという。
Embed from Getty Images彼の名前はバンクシーという。本名などプロフィールは明かしていない。ロンドンを中心に活動し、世界各地でゲリラ的にストリートアートを描いている。
Embed from Getty Imagesご興味がある方は、バンクシー本人のウェブサイトもある。
イスラエルが壁を作り始めた時には、時代錯誤だと思ったが、今ではそれが時代の趨勢になりつつある。
こうして歴史は思わぬ迷路に迷い込んでいくのだろう。