<吉祥寺残日録>60男の調理修行🔪ちょっと早めの鏡開きで「ぜんざい」を作る #220105

今日から二十四節気の「小寒」、すなわち「寒の入り」である。

今年、我が家のトイレのカレンダーは「和食の暦」に変わっていて、「百合根饅頭」という知らない料理が描かれていた。

妻に「百合根饅頭作ってみる?」と問うと、「今は面倒臭いから岡山で」と言う。

その代わりに「鏡開き」の項目に絵が添えられていた「ぜんざい」を作ってみることとなった。

お正月の恒例行事である「鏡開き」について、カレンダーにはこんな情報が書かれていた。

お正月に年神様に供えた鏡餅をおろしていただく日。地域によって日にちが異なり関東は11日、京都は4日、松の内が15日の地域は20日とされている。鏡餅は刃物を使わず手や小槌で割ってぜんざいやかき餅にしていただく。「割る」ではなく「開く」と呼ぶのは言霊を信じた日本人らしい言い換え。

「和食の暦」より

本来ならば、東京あたりでは11日が鏡開きのようだが、7日から岡山に行く予定なのでちょいと早めに京都の暦に合わさせていただくことにする。

昨夜のうちに、家にあった小豆を用意する。

「ダイズ」が漢字由来の呼称であるのに対し、「アズキ」は大和言葉で古来から日本で食べられていたようだ。

祖先の野生種であるヤブツルアズキ(V. angularis var. nipponensis) は日本からヒマラヤの照葉樹林帯に分布し、栽培種のアズキは極東のヤブツルアズキと同じ遺伝的特徴をもつ。原産地は一般に東アジアと考えられているが、栽培化が起こった地域を再検討する必要がある。

日本では古くから親しまれ、縄文時代の遺跡ら発掘されているほか、『古事記』にもその記述がある。滋賀県の粟津湖底遺跡(紀元前4000年頃)や登呂遺跡(弥生時代、紀元1世紀頃)などから出土しており、古代から各地で栽培されていたと考えられる。

出典:ウィキペディア

文字通り「小さな豆」、でも美しい。

「ぜんざい」という言葉は、関東と関西で違う食べ物を意味するという。

岡山で育った私は、「ぜんざい」といえばつぶあんの汁物をイメージするが、関東では汁気のない餡そのものを「ぜんざい」と呼ぶらしい。

関東では汁気のあるものは全て「おしるこ」と呼ばれると書いてあるが、東京の甘味処でも私がイメージする「ぜんざい」が「ぜんざい」として供されているように感じるので、関西の呼び名が関東流を凌駕したということだろうか。

いずれにせよ、私が作りたい「ぜんざい」は関西風のつぶあんの汁ありである。

今回はネット上のレシピを参考にするのではなく、妻の手抜き流を習うことにした。

妻は昨夜のうちにまず小豆を水に浸し、それを冷蔵庫に入れた。

こうしておくと、小豆が早く煮えるのだそうだ。

私が朝起きると、妻はもう調理を始めていた。

小豆を一旦10分ほどゆでて、そのゆで汁は捨てる。

これを「渋切り」というそうだ。

そして渋切りした小豆を再び鍋に戻し、大量の水で煮ていく。

妻の場合には、水の量は適当だという。

時々、小豆の様子を観察しつつ、コトコトと煮ていく。

水が少なくなってきたら適当に水を差す。

そして適当なところで、砂糖と塩を入れ味をつける。

その間に、お正月飾りとして部屋に置いていた鏡餅を割っていく。

今時スーパーで売っている鏡餅は、プラスチックの包装がしてあって乾燥しない。

昔の鏡餅は鏡割りする頃には硬くなってひび割れていたが、我が家の安物鏡餅はしっとりとしていてひび一つ入ってはいないのだ。

とてもカレンダーに書かれていたように、手や小槌で割れる代物ではないので素直に包丁で切ることにした。

妻のやり方は餅を焼くのではなく、茹でる。

よく考えてみると、雑煮も餅を焼くのではなく茹でるのが妻の流儀なのだ。

こうして、小豆を煮る赤い鍋と餅を茹でる白い鍋が出来上がった。

妻はいつものように朝ドラを見ながら、時折鍋の様子をうかがっている。

やはり小豆を煮るのは時間がかかるのだ。

案の定、主役である小豆に気を取られている間に、餅の方が茹ですぎてしまった。

ぐたっとなった鏡餅をお椀につける。

やはり餅は焼いたほうがよかったかもしれない。

それでも小豆の汁をかけると、それなりの「ぜんざい」が出来上がった。

甘さは控えめ、朝食がわりに食べるにはちょうどいい。

時間はかかったが、調理自体は簡単で、これなら私一人でもできそうだ。

妻が毎朝見ている朝ドラ「カムカムエブリバディ」では和菓子店が舞台だったので、小豆を煮るシーンがよく登場した。

「美味しゅうなれ、美味しゅうなれ」と声をかけながら、小豆の声に耳をすますことが美味しい餡を作る秘訣。

レシピが簡単なだけに奥が深そうである。

参考までに、老舗和菓子店「和久傳」のレシピがネットに出ていたので、「家庭画報.com」から引用させていただく。

  1. 小豆は流水で汚れをしっかり落とす。
  2. 1をボウルに入れ、重量の5倍ほどの水に10時間以上浸して戻す。水に浸した時に浮いてくる豆も取り除く。
  3. 2をざるにあけて水を切り、鍋に移して、小豆の1.5倍量の水を入れ、火にかける。
  4. 沸騰してきたら火を少し弱めて10分ほどゆでた後、ざるにあけてゆで汁を捨てる。流水にさらして「渋切り」をする。
  5. 4を再び鍋に戻し、小豆の1.5倍量の水を入れて火にかける。最初は強火で、沸騰してきたら火を弱めて、小豆がゆっくりと上下に対流する程度に炊いていく。
  6. 沸騰後、弱火にしてから約15分後にびっくり水(差し水)を約150cc入れる。
  7. 途中でゆで汁が少なくなってきたら、こまめに差し水をする。同時にアクをすくう。小豆が柔らかくなってきたら、ごく弱火にして焦げつかないように注意しながら、炊いていく。
  8. 加糖する。白ザラメ糖は3~4回に分けて加える。途中でアクが出てくるようであれば取り除き、小豆をつぶさないよう注意しつつ時々全体を混ぜながら炊いていく。砂糖を小分けに入れるのは、ゆで汁の糖度が急激に上がると、小豆の皮の部分が収縮して、砂糖が入っていかないため。小豆も表面が硬く、味がまだらになって仕上がってしまう。また、鍋中を混ぜる回数も最小限に抑えたほうが仕上がりが美しい。
  9. 白小豆がかぶるくらいの煮汁の量になり、好みの柔らかさになった時点で塩少々を入れ火を止める。
  10. 白小豆のぜんざいを器に盛り、焼いた丸餅をのせる。

妻の手抜きレシピでも十分美味しい「ぜんざい」ができたが、こだわればどこまでも奥が深い小豆。

和菓子の真髄はまさに、小豆を煮ることにあるのかもしれない。

<吉祥寺残日録>60男の調理修行🔪妻の見習いで「おせち」を作る #210101

シリーズ「60男の調理修行🔪」

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