<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌻七十二候「麦秋至(むぎのときいたる)」、カワウやカイツブリの子育てもそろそろ終盤 #210531

今日で5月も終わり、トイレの歳時記カレンダーをめくる。

今年このカレンダーを眺めるようになって、私の生活は確実に変わった。

本当に、人生なんて、ちょっと意識を変えるだけで、違った風景が見えてくるものだと感じている。

さて、今日からは七十二候の「麦秋至」。

ウィキペディアを始め「むぎのときいたる」と読んでいるサイトが多いが、我が家のカレンダー同様「ばくしゅういたる」と読むものや「むぎのあきいたる」と読んでいる場合も散見される。

要するに、「麦畑が色づき麦を刈りいれる頃」という意味のようだ。

とはいうものの、私自身、色づいた麦畑をちゃんと見た記憶がない。

ひょっとするとヨーロッパで麦畑を車や鉄道で通ったことがあるかもしれないが、少なくともその頃の私には麦秋にひたる余裕はなかっただろう。

いつの間にか「ミズキ」の花も消え、井の頭公園はすっかり緑一色に塗り潰されている。

この公園に麦畑などあるはずもないが、季節の変化を探して梅雨入り前の公園を一回りしてみた。

まず目につくのは無秩序に生茂る夏草たち。

我も我もと他者を蹴落としてでも日の当たる場所に出ようとひしめき合う姿は、まるでワクチン接種に押し寄せた中国人の群衆のようだ。

ところどころきれいに草刈りされた場所もあるのだが、それはそれで力で群衆を押さえ込んだ強権的な国のようでもある。

岡山の畑の雑草のことも気にかかる。

麦ではないが、それに似た雑草なら公園の中に生えている。

どうやらイネ科の雑草のようだが、「カモジグサ」なのか、それとも「イヌムギ」か?

どちらも日本中に生えている昔からの雑草だ。

こんな白い穂をつけた雑草も生えていた。

「チガヤ」かな?

こちらも昔から日本各地で見られる強靭な雑草である。

イネ科の雑草は見かけによらずしぶとく、草刈機に絡みついて駆逐が難しい厄介者だということを私もここ数年の草刈り体験から学んだ。

御殿山の雑木林で見つけたこちらの雑草もイネ科のようだ。

植物識別アプリで調べると「セイバンモロコシ」と表示されたが、もしそうなら夏から秋にかけて穂をつける結構厄介な帰化植物である。

稲や麦は昔から大切な食糧として人間に守られてきたが、それ以外のイネ科の植物は人間を悩ます厄介者の雑草。

植物の方には何の悪意もないのに、人間の都合でずいぶん不当な差別を受けてきた。

池に目を転じると、藻が水面を覆い始めていて、きれいだった水とはしばらくお別れである。

とはいえ、こうした水草が繁茂するようになったのも井の頭池の水質が改善したため、決して悪いことではない。

弁天橋の上に立つと、水中からたくさんの水草が水底から水面に向かって成長してきているのがわかる。

この水草の名は「ツツイトモ」。

環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定されている水草だが、井の頭池では「かいぼり」によって復活した。

6月になれば、水面いっぱいに「ツツイトモ」が広がり、小さな花を咲かせる。

私もその時期にボートに乗ったことがあるが、「ツツイトモ」に進路を阻まれてボートが動ける範囲が小さくなってしまうほどだ。

群れになって泳ぐ小魚の姿も見えた。

どうやら「オイカワ」という魚のようだ。

「オイカワ」はコイ科の淡水魚で、ちょうど今が繁殖期だという。

繁殖期:5月-8月で、この時期のオスは顔が黒く、体側が水色、腹がピンク、尾びれを除く各ひれの前縁が赤という独特の婚姻色を発現し、顔に追星と呼ばれる凹凸が現れる。

出典:ウィキペディア

ただ魚の名前も詳しくないので、これが本当に「オイカワ」かどうか定かではない。

トンボの姿も見かけた。

これは「シオカラトンボ」だろうか?

子供の頃からよく見かけてトンボだ。

池の中ほどでは突然「カワウ」がバシャバシャと水面を叩き始めた。

「何だ? 何だ?」と思ってそちらに注目すると、再びバシャバシャと・・・。

そこでカメラを向けたまま待っていると、上のような写真が撮影できた。

ついでに、動画でも・・・

「カワウ」は集団で追い込み漁をするそうだが、これは魚獲りというよりも単なる水浴びにように見える。

そういえば、春先から続いていた「カワウ」の子育てもそろそろ終盤を迎えたようで、中之島にあるメタセコイアの樹上では、大きく育った雛鳥が餌を求めてうるさく鳴いていた。

しかし、「カワウ」が井の頭公園で営巣を始めたのはごく最近のことらしい。

昨年、井の頭池で初めて営巣して話題になったアオサギが、この春も営巣を始めています。昨年と同じ個体かどうかは分かりませんが、2年連続の営巣です。
そして、アオサギの巣の近くではカワウも初めての営巣。温かく見守っていただければと思います。

引用:東京都建設局 2020年3月10日

「カイツブリ」の雛たちもすっかり成長して、親鳥とは違う「ピーピー」という甲高い声を発している。

今では井の頭池のシンボルとなった「カイツブリ」だが、2014年にかいぼりが始まるまで公園での子育ては途絶えていたそうだ。

かいぼり以前、井の頭池には肉食性の外来魚がとても多く生息しており、カイツブリの餌となる小魚やエビなどが乏しく、繁殖は難しい状況でした。かいぼりの際に外来魚を駆除したことにより、小魚やエビなどが回復し、カイツブリの餌環境が好転したことから、繁殖数も増加したと考えられます(図)。

引用:東京都建設局 2020年3月4日

図からは、つがい数が増えるのにともない、孵化数や独り立ち数(孵化後1ヶ月生存したヒナの数)も増加していることが分かります。かいぼり直後よりもかいぼりのない年の繁殖数が多いのは、かいぼり直後は春先に水がないので繁殖開始が遅くなることと、かいぼり直後の年に繁殖して増えた水生生物が、その翌年の食物になるためだと考えられます。

引用:東京都建設局 2020年3月4日

「カイツブリ」の親子の様子も動画で撮影してみた。

4月20日はまだこんなに小さかった「カイツブリ」のヒナたちも、昨日撮影した際には・・・

もうすっかり大きくなって、親鳥とさほど大きさが変わらなくなっていた。

ちょっと前まで、親鳥が獲ってきたエサを我先に奪い合っていたのに、もう独り立ちも遠くなさそうだ。

本当に、野生動物の成長は早い。

明日からは6月、水無月が始まる。

アオサギ

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