<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌸七十二候「桃始笑(ももはじめてさく)」、梅と桜と桃の見分け方 #210310

「啓蟄」の次候は、『桃始笑』。

『ももはじめてさく』と読むのが普通らしいが、我が家のトイレにあるカレンダーには素直に「ももはじめてわらう」とルビがふられている。

私はこちらの読みの方が好きだ。

意味は文字通り、『桃の花のつぼみが開きかける頃』という意味だそうだ。

この写真は、岡山に帰省した妻の妹が実家に咲いていた桃の花の写真を送ってきたものだ。

まさに、『桃始笑』そのものだ。

「はて、井の頭公園にも、桃の木はあっただろうか?」

義妹からの写真を見ながら、ふと思った。

少なくとも私は見たことがないので、公園案内所で聞いてみることにした。

すると、公園の東の端、井の頭公園駅近くの「三角公園」に『ハナモモ』があると教えてくれた。

「でも、咲いているかどうかわかりませんよ」との、但し書き付きで・・・。

井の頭池の眺めながら、久しぶりに三角公園まで散歩する。

「コブシ」の花がかなり開いてきた。

弁財天の赤い壁をバックにすると、その真っ白な花が映える。

「シダレヤナギ」も、だいぶ新緑が出てきた。

もうすぐ花も咲くという。

柳の木の下でひなたぼっこする中年のカップルの手には、なぜかハヤブサが・・・。

戦国武将が愛しただけのことはあり、確かにその姿は美しい。

それにしても、このカップルは一体何者か?

井の頭線のガードをくぐって、東へ進む。

こっちまで来ることはそれほどないが、果たして「ハナモモ」は見つかるだろうか?

ここが、三角公園だ。

子連れのママさんたちや、女子高生のグループがちらほらいる程度で、周囲に植えられた樹々もまだほとんど枯れ木のままである。

一本一本、樹木を吟味しながら歩く。

女子高生から怪しげな視線が向けられているのを感じる。

それらしき、木を発見した。

2本並んでいる。

まだつぼみの状態だが、つぼみの先が赤くなっていて、今にも咲きそうな雰囲気だ。

でも、これって本当に、桃?

梅にも、桜にも似ている。

調べてみると、桃は梅や桜と同じバラ科の植物で、その見分ける特徴がいくつか書かれていた。

まずは、花びらの形。

  • 「梅」・・・花びらが丸い
  • 「桜」・・・花びらの先が割れている
  • 「桃」・・・花びらの先が尖っている

しかし、まだ花が開いていないので、この特徴によって見分けるのは不可能だ。

次の見分け方は、花のつき方。

木の枝から花までの長さが違うのだという。

  • 「梅」・・・花が枝にくっついている
  • 「桜」・・・枝から花までの花枝が長い
  • 「桃」・・・枝から花までの花枝が短い

つまり、花枝の長さが長いのが桜、短いのが桃、そしてほとんど花枝がないのが梅ということになる。

しかし、あくまで相対的なものなので、どうもよくわからない。

最後の見分け方は、幹の模様である。

  • 「梅」・・・ゴツゴツしている
  • 「桜」・・・縞模様がある
  • 「桃」・・・斑点がある

さて、この幹の写真、やっぱりわかりにくい。

縞模様もある気がするし、ゴツゴツもしている。

斑点があるとも言えるかもしれない。

要するに、断定はできなかったのだが、案内所のスタッフの人が「三角公園にハナモモがある」と教えてくれた以上、ほかにそれらしき樹木がない以上、これを「ハナモモ」だと推定するしかないだろう。

あと1週間もすれば、かなり花が開くだろうから、その時に改めて花びらの特徴などを確かめてみようと思う。

まずは、「三角公園にハナモモがある」という情報をゲットしただけで今日のところは満足することにした。

三角公園からの帰り道、春の変化を探しながら公園をぐるりと一周してみた。

今月初めにはまだ蕾だった「シダレウメ」がほぼ満開になっていた。

こちらは、「ユキヤナギ」。

まだ咲き始めだが、花盛りよりも緑の中にポツポツと白い小さな花が咲いているぐらいが私は好きだ。

よく見れば、一つ一つの花が実に美しい。

なんでも、「ユキヤナギ」も梅や桜と同じバラ科の植物なんだとか・・・。

でも、私はこの小さな白い花の方が好きかもしれない。

池の畔では、高所作業車が出て、高木の剪定が行われていた。

「コナラ」の大木を切っているようだ。

せっかく広い公園なのだから、もっとのびのびと植物を育てればいいと思うのだが、どうしても人間の手を加えたがる。

とはいえ、例年のように進む井の頭公園の春の準備。

本来なら桜の季節が近づき、多くの人がやってくる時期だが、今年はやはり様子が違い。

公園の駐車場は閉鎖されたまま。

もちろん、コロナ対策のためだ。

緊急事態宣言の期間中にも大勢の人に賑わっていたテニスコートも閉鎖されていた。

これでどれだけ感染を食い止められるかわからないが、東京都ができる対策は実は多くはない。

こうしてぶらぶら歩いていると、「ジブリ美術館」の前に出た。

何という植物かは知らないが、まるで花びらのような若葉が出てきていた。

こちらの植物も、面白い。

何という名前かは知らないが、枯れ木の先に茶色い実がたわわに・・・。

こうして細かく見ていくと、自然界の作り出す造形の豊かさに驚かされることばかりだ。

こちらの黄色い小さな花は、おそらく「トサミズキ」。

なぜわかったかと言えば、最新版の『井の頭恩師公園 花便り』に出ていたからだ。

今日からは、気温の高い日が続きそうだ。

いよいよ本格的に、春が動き出す。

コロナには気をつけながらも、私の植物観察も、ますます忙しくなりそうだ。

<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌸七十二候「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」に早咲きの桜を愛でる #210305

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