2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
立秋も過ぎ、雨が多かったせいもあるのか、8月の井の頭公園ではあちらこちらにキノコが出現した。
ということで、今回はキノコを取り上げる。
キノコは植物ではなく菌類に属し、植物よりもむしろ動物に近いことがわかってきたそうだが、私はキノコといえば椎茸やなめこ、エノキなど食卓に並ぶキノコしか知らないので、ものすごく種類が多いと言われるキノコについても徐々に勉強していきたいと思っている。
今回は植物識別アプリ「Picture This」の表示を信じて、「マンネンタケ」「ハラタケ」「テングタケ」の3つを記録するが、このアプリを信じていいのか正直わからない。
「マンネンタケ(万年茸)」

西園にある木の切り株に生えていた黄色いこのキノコを「Picture This」で調べると「マンネンタケ科」と表示された。
「マンネンタケ」は別名「霊芝草(れいしそう)」とも呼ばれ、乾燥させた「霊芝」は薬として珍重された。
成長し乾燥させたものを霊芝として用いるが、子実体は木質で直接の食用には適さず、適当な大きさに切り、熱水で煎じて抽出液を服用するほか、薬用酒とする。後漢時代(25-220)にまとめられた『神農本草経』に命を養う延命の霊薬として記載されて以来、中国ではさまざまな目的で薬用に用いられてきた。日本でも民間で同様に用いられてきたが、伝統的な漢方には霊芝を含む処方はない。
出典:ウィキペディア

成長過程の「マンネンタケ」は様々な形になるようで、まるで地面から鎌首を持ち上げたコブラのようなものもあった。
どうやらこれも、特徴らしい。
本種やサルノコシカケの様にリグニンやセルロースを多く含み成長後にコルク質で樹木の様に硬化する種類のキノコでは、原基形成の時点では担子胞子の元は形成されておらず、成長点が先端あるいは辺縁部にあるため、周囲にある木などの異物を取り込んで成長することがある。
出典:ウィキペディア
古代中国では不老長寿のおめでたいキノコとして「霊芝」の効能が特に誇大に信じられていたそうで、発見者はこれを採取して皇帝に献上することが義務付けられ、官吏などへの賄賂としても使われたというが、特に傘の形成されていない成長過程の子実体がより価値が高いとされたという。

健康食品などで時々その名を聞くことがある「霊芝」だが、その効能ははっきりしていないのだという。
「免疫力を高める」「高血圧・低血圧を改善する」「ガンを予防および抑制」など様々な効能を謳った健康補助食品が販売されているがヒトでの有効性については信頼性のおける十分なデータが見当たらない。しかし、中国や日本では霊芝には幅広い薬能があるものと信じられ、さまざまな目的に用いられてきた。
日本においては臨床試験は進んでいないが、中国では各種の霊芝製剤が作られており、認証を得るためにもヒトへの臨床試験が行われ、効果が確認されている。たとえば、不眠に対しては、顆粒剤を4週間服用させたところ、96%に改善効果が見られ、これにともなって食欲、記憶の向上や疲労感、動悸、軟便などの軽減がみられた。神経衰弱に対しては、錠剤を2週間服用させたところ、88%に改善効果がみられた。慢性気管支炎に対しては、1~2週間の服用で咳、痰の改善がみられ、特に喘息には大きな改善効果がみられた。また、霊芝内服液をマウスに与えてCoγ放射線治療の副作用低減効果を調べた研究では、五色霊芝内服液を服用させたグループでは、対照グループに見られた脱毛や死亡がなく、脾臓リンパ球転化とインターロイキン-2分泌促進作用が認められ、白血球の減少も少なく、かつ回復も早かったとの報告がある。
出典:ウィキペディア
まあ、信じるものは救われる、ということだが、信心深くない私にはあまり関係なさそうな話ではある。
「マンネンタケ」 分類:マンネンタケ科マンネンタケ属 特徴:菌類・一年生・薬用 季節:夏〜秋
井の頭公園の「マンネンタケ」はここ!

「ハラタケ(原茸)」

吉祥寺通り沿いの植え込みの中から、ひょっこりと顔を覗かせていたこちらのキノコを「Picture This」で調べると・・・「ハラタケ」という名前が表示された。
白くて、いかにもキノコという形をしている。
「ハラタケ」は、雨の後の野原や草地で見つけることができ、また世界中で見ることのできるポピュラーなキノコで、英語圏では「フィールド・マッシュルーム」と呼ばれるそうだ。

西洋料理でポピュラーなマッシュルーム(ツクリタケ)と近い種で、食用に適しているという。
広く食べられている。通常キノコ狩りを行わない人々さえとって食べることがある。商業的に生産されてはいない。成熟が早く、棚に並べてもすぐ使い物にならなくなるからである。
料理ではソテーやフライ、ソースなどに使われ、生でサラダに使われることもある。風味と食感は、食料品店で購入可能なツクリタケと同一か、さほど変わりはない。
出典:ウィキペディア

欧米ではとても人気の「ハラタケ」だが、日本ではほとんど見向きもされないという。
また「ハラタケ」の仲間はたくさんあって、似ていても毒があるものもあるそうなので、やはり素人がうかつに手を出すと危険かもしれない。
私が見たこのキノコも、本当に「ハラタケ」なのかどうか、正直わからないのだから採取して食べるためにはもう少し勉強が必要だろう。
「ハラタケ」 分類:ハラタケ科ハラタケ属 特徴:菌類・可食 季節:春、秋
井の頭公園の「ハラタケ」はここ!

「テングタケ(天狗茸)」

白いイボがたくさんあるこちらのキノコを「Picture This」で調べると、「テングタケ」と表示された。
広い意味では「ハラタケ」の仲間なのだが、「テングタケ」は立派な毒キノコである。
本種は有毒で、食べると下痢や嘔吐、幻覚などの症状を引き起こし、最悪の場合、意識不明に至ることもある。毒の成分はイボテン酸で、うまみ成分でもある。また、この成分は殺蝿作用もあり、同じ成分を含むベニテングタケよりも強い毒をもつ。
出典:ウィキペディア

広葉樹林に広く分布し、地上に顔を出した時には半球状の可愛らしい形をしているが、やがて傘が開くと平らになる。
毒があるのでもちろん食べられないが、昔の人はこのキノコを蠅取りに利用したというからたくましい。

白いイボがあるので素人でも見分けがつきやすいが、時々このイボが取れてしまうものもあるらしく、用心が必要だ。
「テングタケ」 分類:テングタケ科テングタケ属 特徴:菌類・有毒 季節:夏〜秋
井の頭公園の「テングタケ」はここ!

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