2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
5月も残り2日となり、今月撮りためた植物の写真を整理することにした。
まずは、今日公園をひと回りして目についた低木の花たちをまとめる。
「ムラサキシキブ」と「キンシバイ」と「ビヨウヤナギ」の3種だ。
「ムラサキシキブ(紫式部)」

その名前を知ってから、ずっと開花を待っていた「ムラサキシキブ」の花が咲いていた。
とても小さな紫の花。
でも、「紫式部」という名前がついたのは、秋にできる実の色が紫だからだそうだ。

公園管理事務所近くに数本植えられているが、この花に目を止める人はいない。
私のように時々気に留めていなければ、見過ごしてしまうほど地味な低木であり、目立たない花なのだ。

でも、よ〜く見ると、とても可憐な花である。
「ムラサキシキブ」は日本全国の山に自生する低木だというが、園芸用には実の小さい「コムラサキ」が「ムラサキシキブ」の名でよく植えられるそうだ。
おそらく井の頭公園の「ムラサキシキブ」も「コムラサキ」なのかもしれない。

「ひょうたん橋」の近くにも1本植えられていて、「ムラサキシキブ」の名札が立っている。
「ムラサキシキブ」は葉全体にギザギザがあるが、「コムラサキ」は先端方向半分だけにギザギザがあるというが、果たしてこの葉っぱはどちらなのだろう?
いずれにせよ、秋に紫色の美しい実がなるのが楽しみである。
花言葉は「聡明」「上品」。
「ムラサキシキブ」 分類:シソ科ムラサキシキブ属 特徴:落葉広葉樹・低木 花が咲く時期:6〜8月 実のなる時期:9〜11月
井の頭公園の「ムラサキシキブ」はここ!

「キンシバイ(金糸梅)」

5月末にもなると、井の頭公園でも明るい色の花がめっきり少なくなってくる。
そんな中で井の頭池のほとりに「ヤマブキ」に似た黄色い花が咲いていた。
植物識別アプリ「Picture This」を使って調べてみると、「キンシバイ」と表示された。

中国原産で、江戸時代の宝暦10年(1760年)に渡来したといわれ、古くから観賞用として栽培されてきた。花の形が良く梅に似ており、色が黄色であることが名前の由来である。
花期は6月から7月。常緑の低木で、高さは1m。庭木や地覆い用植え込みとして、北海道をのぞく日本各地に植えられている。
出典:ウィキペディア
競争相手の少ない時期に咲く「キンシバイ」には、虫たちが集まってくる。

しかしまだ咲き始めたばかりで、花も横向き、あまり大きく開かない。
今日の段階では、やや大人しい印象を受ける植物だ。

とはいえ、枝先にはたくさんの蕾がスタンバイ中。
6月になればもっと派手に存在を主張するのかもしれない。
花言葉は「悲しみを止める」。
「キンシバイ」 分類:オトギリソウ科オトギリソウ属 特徴:半落葉広葉樹・低木 花が咲く時期:5〜7月
井の頭公園の「キンシバイ」はここ!

「ビヨウヤナギ(未央柳)」

「キンシバイ」の仲間だが、もっと自己顕示欲の強そうなこの花は「ビヨウヤナギ」という。
花は上を向き、長い雄蕊をこれでもかと伸ばしている。

すでにたくさんの花を咲かせていて、今頃の公園内では最も派手な花かもしれない。
日本の花にはない華美な雰囲気が好まれ、庭園用として広く使われる。中国名は「土糸桃」、「金糸海棠」、「土連翹」などだが、日本では「未央柳」、「美容柳」あるいは「美女柳」と表記される。
6月から7月にかけて咲く黄色い花が美しく、葉の形や垂れ下がる様子が柳に似ることから名付けられた。
出典:庭木図鑑 植木ペディア

それにしても、毒々しい。
中国では金糸桃と呼ばれている。ビヨウヤナギに未央柳を当てるのは日本の通称名。由来は、白居易の「長恨歌」に
『太液の芙蓉未央の柳此に対ひて如何にしてか涙垂れざらむ』
と、玄宗皇帝が楊貴妃と過ごした地を訪れて、太液の池の蓮花を楊貴妃の顔に、未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に喩えて 未央柳の情景を詠んだ一節があり、美しい花と柳に似た葉を持つ木を、この故事になぞらえて未央柳と呼ぶようになったといわれている。
出典:ウィキペディア

まったく私好みではないが、世の中にはとにかく派手なものが好きな人はいる。
「アジサイ」の季節を迎えた井の頭公園で、異彩を放つ黄色い花。
この花が好きな人とは仲良くなれそうもない。
花言葉は「多感」。
「ビヨウヤナギ」 分類:オトギリソウ科オトギリソウ属 特徴:常緑広葉樹・低木 花が咲く時期:6〜7月
井の頭公園の「ビヨウヤナギ」はここ!

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