<吉祥寺ライフ>井の頭公園の植物【5月】「テイカカズラ」&「ネズミモチ」

2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。

5月になると華々しい変化はなくなるが、気をつけて見て歩くと、密かに花を咲かせる植物を発見することができる。

今日新たに見つけたのは「テイカカズラ」と「ネズミモチ」、常緑樹に咲く白い花だ。

「テイカカズラ(定家葛)」

白いプロペラのような花が大木に咲いていた。

しかし、この花は大木に咲いたのではなく、大木に絡みついているつる性植物である「テイカカズラ」の花である。

井の頭池の南側では、桜かムクノキかわからない樹木に取り憑いていた。

「定家葛」という名前は、平安末期の歌人・藤原定家にちなんで名付けられたという説がある。

和名は、式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説(能『定家』)に基づく。

出典:ウィキペディア

しかし、藤原定家とは関係がないという説も有力なのだそうだ。

名前から連想されるとおり藤原定家にちなんだエピソード(藤原定家の死後、彼を愛した女性が葛に姿を変え、その墓にまとわりついた~謡曲「定家」から)もあるが、テイカは「定家」ではなく「庭下」であり、庭の下の方に咲く葛の花を意味するという説の方が有力視されている。

出典:庭木図鑑 植木ペディア

緊急事態宣言により、現在池のほとりにはフェンスが設置され、樹木の近くに接近できないが、「テイカカズラ」の花にはジャスミンに似た強い芳香があるという。

5~6月に咲く花は直径3センチほどで強い香りがあり、扇風機の羽根のように少し捻じれて咲くのが特徴。かつてはこの香りを楽しむために植えられることが多かった。

出典:庭木図鑑 植木ペディア

池の北側にも、「テイカカズラ」にすっかり覆い尽くされた樹木があった。

幼木の頃には地上を這い、取り付く樹木などを見つけるとそれに取り憑いて上に這い上っていく。

藤原定家が取り憑いたのか、取り憑かれたのかは別として、強い怨念のようなものを感じる。

花だけ見ているとなかなか可憐ではあるが、葉や茎を切ると出る白い乳液は有毒物質だという。

やっぱり人間の怨念に似た恐ろしさを感じさせる植物である。

花言葉は「依存」。

「テイカカズラ」
分類:キョウチクトウ科テイカカズラ属
特徴:常緑つる性広葉中木
花が咲く時期:5〜6月
実のなる時期:10月

井の頭公園の「テイカカズラ」はここ!

「ネズミモチ(鼠黐)」

園内のところどころでこの季節に白い花序をつけるこちらの植物は「ネズミモチ」である。

果実がネズミの糞に似ており、姿が「モチノキ」に似ていることから名付けられたものだというが、「モチノキ」とは種類が違う。

白い小さな花が群がって咲き、昆虫たちにも人気らしい。

とはいえ、人間様にはあまり人気はないらしく、こんな失礼な扱いを受けているようだ。

庭木としての観賞価値はあまり高くないものの、堅強な性質を持ち、都市部の劣悪な環境でも耐えることから、垣根や緑地の「植えつぶし」として使われる。

出典:庭木図鑑 植木ペディア

「植えつぶし」とは、業界用語で「庭の植栽であまり重要でない場所や空いたままにしておけない場所に、あり合わせの樹木を密に植えること」を意味するのだという。

井の頭公園でも、大木の間にできた何もないスペースに植えられていた。

もともと照葉樹林を代表する「陽樹」で日当たりの良い場所を好むというが、この場所はあまり適地とは言えないだろう。

昔から「ネズミモチ」の黒い果実は生薬として利用されてきた。

日干しした黒熟した果実は和女貞子(わにょていし)もしくは、女貞子(じょていし)と称する生薬で、滋養強壮目的などに漢方薬で使われる。

民間療法では、疲労回復、虚弱体質などの強壮保健、風邪のときの解熱剤として、陰干しにした果実1日量3 – 10グラムを水400 – 600 ccで半量になるまでとろ火で煮詰めた煎じ汁(水性エキス)を、食間3回に分けて服用する用法が知られている。いわゆる老化防止の薬草で、若白髪、視力減退、目がかすむようなときにもよいともいわれている。冷え症で胃腸が冷えやすい人に対して、服用は禁忌とされる。その一方で、35度の焼酎1リットルに対して和女貞子100グラムの割合で浸して、3か月冷暗所で寝かせて女貞子酒をつくり、毎晩就寝前に盃1杯ほど飲むと、冷え症や低血圧の保健に役立つとされる。また、乾燥した葉を茶葉のように使うか煎じて飲む方法もあるが、渋みが強い。

出典:ウィキペディア

これほど薬として使われてきたのに、今では「植えつぶし」扱いというのは「ネズミモチ」に気の毒な気もするが、この木をわざわざ庭に植えたいかと聞かれると、私も選ばないだろう。

花言葉は「名より実」。

「ネズミモチ」
分類:モクセイ科イボタノキ属
特徴:常緑広葉樹・高木
花が咲く時期:6月
実のなる時期:7〜12月

井の頭公園の「ネズミモチ」はここ!

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