2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
道端の雑草から個性派を2つ記録する。
「ヤブヘビイチゴ」と「キランソウ」だ。
「ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)」

井の頭池の北側にある「ハンノキの再生エリア」でこの赤い実を見つけた。
まるでコロナウィルスを彷彿とさせる毒々しさ。
植物識別アプリ「Picture This」をかざすと『ヤブヘビイチゴ』と表示された。

上の写真は今月18日に撮影したものだが、赤い実の近くに黄色い5弁の花が咲いていた。
イチゴ(オランダイチゴ属)と似た葉や果実を持つが、異なる属に分類され、白色あるいは薄ピンク色の花を付けるイチゴとは異なり、黄色の花を付ける。
黄色の花は春中頃に咲き、その後成長シーズンを通じて散発的に咲く。果実は白色あるいは赤色で、赤い種子のような痩果で全体が覆われている。この果実は食べられるが、味はほとんどしない。
ヘビイチゴに比べて一般的に葉や果実は大きい。
出典:ウィキペディア
あの時見た可憐な黄色い花が、あまり時間を置かず毒々しい赤い実に変わるのだ。

「ヤブヘビイチゴ」と「ヘビイチゴ」の見分け方について、いくつかのサイトを見てみたが、井の頭公園で見つけたこの赤い実が果たしてどちらなのか、私にはわからない。
とりあえず、「Picture This」の判定を信用して「ヤブヘビイチゴ」ということにしておこう。
「ヘビイチゴ」がアジア東南部から日本全土に広く分布しているのに対し、「ヤブヘビイチゴ」は東アジアおよび南アジア原産で世界各地に園芸種として広まったという違いがある。

今日再び同じ場所に行ってみると、黄色い花は消え、赤い実がたくさん増えていた。
「ヘビイチゴ」には毒があるというのは俗説で、実際には無毒で食べても害はないそうだ。
しかし味がないので、加工してジャムなどにするか、乾燥させて漢方として利用する方法があるという。
花言葉は「小悪魔のように魅力」。
「ヤブヘビイチゴ」 分類:バラ科キジムシロ属 特徴:多年草 花が咲く時期:4〜6月 実のなる時期:4〜10月
井の頭公園の「ヤブヘビイチゴ」はここ!

「キランソウ(金瘡小草)」

御殿山の山野草エリアの隅っこに張り付くようにスペースを確保しているのが「キランソウ」だ。
別名を「ジゴクノカマノフタ」という。

どうして「地獄の釜の蓋」などという恐ろしい名前がついたのか?
別名で、ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)という呼び名もあるが、これは根生葉が地面に張り付くように放射状に広がる様が、地獄の釜の蓋(ふた)に見立てられたもので、さまざまな病気に対して薬草としての効能から医者がいらず、「これで地獄に落ちないで済む」という意味や、「病気を治して地獄の釜にふたをする」という意味が由来だといわれている。
出典:ウィキペディア

たくさんの草花が生茂るこの山野草エリアで、わざわざ名札を立ててもらっているというのも、この恐ろしい名前のせいか、それとも薬草として珍重されたせいなのか・・・。
医者が必要ないというところから、イシャゴロシ(医者殺し)の異名もある。
開花期の全草を乾燥したものは、筋骨草(きんこつそう)とよばれる生薬である。漢方では使われない[7]。高血圧、鎮咳、去淡、解熱、健胃、下痢止め、切り傷などに効果があるとされるが、民間薬的なものである。
漢名(中国名)では、金瘡小草という。金瘡とは刀傷のことで、キランソウの葉を潰して傷に塗ると、切り傷や腫れ物に効用があることから名付けられたものである。
出典:ウィキペディア

とにかく、目立たない草なので普通なら気づかずに素通りしてしまうだろう。
それでも、この草が薬だと思えば、なんとなくありがたいようにも見えてくる。
花言葉は「あなたを待っています」。
「キランソウ」 分類:シソ科キランソウ属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜5月
井の頭公園の「キランソウ」はここ!

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