<吉祥寺ライフ>井の頭公園の植物【3月】「メタセコイア」&「ラクウショウ」

2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。

明治時代以降に海外から渡来した落葉針葉樹を2つ取り上げる。

背が高くクリスマスツリーのような整った樹形が人気の「メタセコイア」と「ラクウショウ」、その春先の姿だ。

「メタセコイア(曙杉)」

ボート乗り場のある中之島の七井橋側にそびえる背の高い木。

春先から何かがぶら下がっていることが気になっていた。

下から見上げると、ご覧の通り。

稲穂のようなものが大量に枝先からぶら下がっている。

「これは一体、何だ?」と思って調べてみた。

すると、この木は美しい樹形で最近よく見かける『メタセコイア』で、ぶら下がっているのは花の集合体「花序」だということがわかった。

「メタセコイア」が日本にやってきたのは戦後のことらしい。

メタセコイアが日本に渡来したのは1950年のことで、アメリカで育苗された100本の苗木が全国の植物園などに配られたのがきっかけ。メタセコイアは挿し木でどんどん増え、成長も早いため今ではまったく珍しい木ではなくなった。

出典:「庭木図鑑 植木ペディア」

枝先にビッシリとついているのは雄花の蕾、雌花は枝の先端に1つだけ咲くという。

雄花が咲くのは3月下旬というが、日本では花が咲かないまま終わることも多いそうだ。

それでも公園にある「メタセコイア」は人間の手で植えられたものばかりなのだから、自分で子孫を増やさなくても日本各地にどんどん増えているのだ。

「メタセコイア」の幹は、ちょっとヒノキに似ている。

真っ直ぐに伸びて、樹皮が縦にむける。

そして、「メタセコイア」という名前の由来は「絶滅した後になって発見された杉」という意味で、一度は絶滅した種だと考えられていた。

メタセコイア属の樹木は白亜紀から古第三紀にかけて北半球に広く分布し、日本にも自生していたことが化石から判っているが、新第三紀に絶滅したと考えられていた。

1941年に京都帝国大学講師(当時)であった三木茂博士が化石の属名として命名していたが、奇しくも同年、地元民の口コミを元に中国西南部(四川省と湖北省の境)の磨刀渓という部落を訪れた中国農林省の王戦氏が生きたメタセコイアの標本を持ち帰り、数人の学者らの研究を経てその存在を明らかにした。

出典:「庭木図鑑 植木ペディア」

この花穂を目印にすると、公園のあちらこちらに「メタセコイア」を見つけることができるようになった。

井の頭線の線路脇に立つ背の高い樹木も、「メタセコイア」のようだ。

それでも、花穂を間近で眺められる中之島の「メタセコイア」は、この季節必見だと私は思う。

「メタセコイア」
分類:ヒノキ科メタセコイア属
特徴:落葉針葉樹・高木
花が咲く時期:3月
実のなる時期:11月

井の頭公園の「メタセコイア」はここ!

「ラクウショウ(落羽松)」

「メタセコイア」とよく似ている樹木が「ラクウショウ」である。

井の頭池の東にある「ひょうたん橋」の周辺に立ち並ぶ背の高い木の多くはこの「ラクウショウ」だ。

別名、「沼杉」と呼ばれるほど湿地を好む。

葉が出ると「メタセコイア」と見分けがつきにくいが、今の時期だと、花穂があるのが「メタセコイア」で、ないのは「ラクウショウ」だと区別がしやすい。

下から見上げると、この時期なら一目瞭然、「ラクウショウ」の花の季節は4〜5月で今の時期はまだ冬の装いだ。

漢字では「落羽松」と書くが、実は松ではなく杉の仲間である。

北アメリカ東南部からメキシコ湾岸の湿地を原産とするスギ科ヌマスギ属の落葉高木。日本に来たのは明治時代で、よく似たメタセコイアと共に公園などに植栽される。

ラクウショウという名前は、秋になると羽状の葉が枝ごと落下することにちなむ。

出典:「庭木図鑑 植木ペディア」

「ひょうたん橋」の北側に一際背の高い「ラクウショウ」の木があるのだが、その根元に注目。

「ラクウショウ」の周辺には、地中からこのような突起物がいくつも現れる特徴がある。

これは「気根」と呼ばれるもので、酸素不足を補うために根が変形したものだ。

「メタセコイア」には、このような「気根」はできないので、これも2つの樹木を見分ける手がかりとなる。

ひょうたん橋の「ラクウショウ」の「気根」もぜひ見ていただきたい。

「ラクウショウ」
分類:ヒノキ科ヌマスギ属
特徴:落葉針葉樹・高木
花が咲く時期:4〜5月
実がなる時期:10〜11月

井の頭公園の「ラクウショウ」はここ!

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