2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
雨の日曜日、風が強くなる前にと、午前中に公園を散歩してきた。

天気が悪い日には高木の写真はうまく撮れないが、野に咲く草花はしっとりとして美しい。
そんな中から、御殿山の山野草エリアで見つけた小さな植物を2つ。
「ヒトリシズカ」と「マルバスミレ」である。
「ヒトリシズカ(一人静)」

すごく小さな植物である。
山野草エリアに降り積もった落ち葉の中から、ひょっこりと白い頭をもたげている姿が目に止まった。
新兵器の中国製アプリを使って名前を調べると・・・

「ヒトリシズカ」という名前だということがわかった。
「ヒトリ」という名前ではあるが、このように群生するのが普通らしい。
一本の茎の先端に1つのブラシ状の白い花「穂状花序」をつける。

「一人静」という名前が意味深だが、ウィキペディアにはこんな記述があった。
かつては「吉野静」といった。『和漢三才図会』には静御前が吉野山で歌舞をしたと書いてあり、その後、静のきれいさになぞらえたもの。近縁種のフタリシズカが花穂を2本以上出すのと対比させた。『和漢三才図会』には謡曲で静の幽霊が二人となって一緒に歌舞をしたのが起源という。
出典:ウィキペディア
昔の日本人は、野に咲く小さな草花にも物語を重ねる豊かな感性を持っていた。

森の中の湿った場所を好む多年草。
今日の雨は、気のせいか嬉しそうに見える。
もうすぐ、花の下部についた4枚の葉を広げると、一段と静御前の舞に似てくるのだろう。
花言葉は「隠された美」。
「ヒトリシズカ」 分類:センリョウ科チャラン属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜5月
「マルバスミレ (丸葉菫)」

「ヒトリシズカ」ほどは目立たないが、山野草エリアにひっそりと生えていた小さな白い花。
近くには、『マルバスミレ 』と書かれた立て札が・・・。
スマホアプリ『Picture This』を使って写真を撮ると、「アメリカウスバスミレ」という名前が出てきた。

家に帰って調べてみると、『マルバスミレ』で間違いなさそうだ。
白い花とともに、丸みをもった葉っぱが特徴だ。
花言葉は「ひかえめ」、いかにもという感じがする。

野に咲く花の代表格として昔から人気の高いスミレの仲間は、世界で400種、日本だけでも50種もあるという。
園芸用のパンジーやビオラは春になるとたくさん見るが、野生のスミレはあまり見られなくなった。
日本は古くからの「スミレ大国」で、非常に変異も多いため学名がついたものだけで200ぐらいあるらしい。

井の頭公園内では、薄紫色の『タチツボスミレ』も見つけた。
花言葉は「小さな幸せ」。
慌ただしい都会人には見過ごしてしまいそうな道端の小さなスミレたち。
こうしたところにも気づくようになるのは、シニアの特権かもしれない。
「マルバスミレ」 分類:スミレ科スミレ属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜5月
井の頭公園の山野草エリアはここ!

井の頭公園の植物2021
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