2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
今回は、春の公園に彩りを添え、名前は似ているのに、まったく異なる植物を2つ。
「シダレヤナギ」と「ユキヤナギ」だ。
「シダレヤナギ(枝垂柳)」

井の頭池のほとりで日向ぼっこする人たちをやさしく見守る新緑の樹木。
垂れ下がった枝が風になびくおなじみの『シダレヤナギ』だ。
中国中南部が原産で、やはり中国のイメージが強いが、日本全国に植樹され日本でも柳といえばこの『シダレヤナギ』を指すようになった。

柳といえば、その繊細な風にそよぐ枝ばかりが印象に残るが、樹皮は案外いかめつい。
この『シダレヤナギ」の緑が目につくようになったのは3月に入ってからだった。

「シダレヤナギ」の新緑は実に瑞々しいが、よく見ると綿毛のようなものがいっぱい出ている。
この黄緑色のもじゃもじゃが柳の花、『尾状花序』だそうだ。

雄花と雌花があるそうだが、これはどちらなんだろう?
柳の花など、これまで意識したこともなかった。
花言葉は「従順」「自由」、風の吹くまま気ままな感じがいい。

見慣れたものにも、知らないことがいっぱいある。
この季節に咲く「シダレヤナギ」の花も、そんな一つなのかもしれない。
「シダレヤナギ」 分類:ヤナギ科ヤナギ属 特徴:落葉広葉樹・高木 花が咲く時期:3〜5月
井の頭公園の「シダレヤナギ」はここ!

「ユキヤナギ(雪柳)」

ジブリ美術館前の庭に咲く白いたくさんの花たち。
私でも知っている『ユキヤナギ』である。
主に暖地の山間や谷間に自生する。春になると雪が降り積もったように小さな白い花を枝いっぱいに咲かせ、枝葉の様子がシダレヤナギに似ていることから、ユキヤナギと名付けられた。
出典:「庭木図鑑 植木ペディア」
枝ぶりは確かに柳のようだが、もちろんまったく違うバラ科の植物である。

5弁の花は真っ白で、太陽を浴びて光り輝く。
公園などの植えられる見慣れた植物だが、その由来などはよくわかっていないようだ。
中国原産という説もあるが、日本原産であると考えられている。
出典:ウィキペディア

井の頭線の線路をくぐった先にも立派な「ユキヤナギ」があった。
一見繊細そうに見えるが、自生地では岩の裂け目から生えるほど強健で繁殖力も高く、早春の植物の中でも最も育てやすいので公園などでよく利用されるのだそうだ。
小さな花が枝にびっしりついた今の季節の姿は、花の祭壇のような艶やかさだ。

ほんの10日ほど前、咲き始めの「ユキヤナギ」はこんな感じだった。
個人的には、白と緑が適度に入り混じった、この頃の「ユキヤナギ」の方が好きである。
花言葉は「愛嬌」、わからなくはない。
「ユキヤナギ」 分類:バラ科シモツケ属 特徴:落葉広葉樹・低木 花が咲く時期:3〜5月
井の頭公園の「ユキヤナギ」はここ!

<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌸七十二候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」、公園の花見会場は封鎖されていた #210315
井の頭公園の植物2021
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