2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
ソメイヨシノが満開となった今の季節、井の頭公園のあちこちで一斉に変化が現れてきて整理が追いつかないので、ジャンルごとにまとめて記録することにした。
先日ダウンロードした中国製アプリ『Picture this』を使って植物の名前を判断し、ネットでチェックしたものだけを書くつもりだが、所詮は素人なので正確とは言えないので悪しからず。
今回は、花壇も雑草も含めてこの季節に咲く黄色い草花を総まとめする。
「オオキバナカタバミ(大黄花片喰)」

井の頭池の南、いつもなら花見客で賑わう花見エリア脇の花壇に黄色い花が咲き乱れていた。
桜とのコントラストが鮮やかなので、立ち止まって黄色い写真をカメラに収めていく人も多い。

『オオキバナカタバミ』。
南アフリカ原産の多年草だそうだ。
日本に古くからある「カタバミ」よりも花が大きく、観賞用に移入されたものらしい。

地下茎で成長するため一度繁殖すると駆除が難しいほど生命力が強いという。
地上茎はなく、地中に鱗茎を伸ばしその周囲に根がつく。株元に長径5~8mmほどの長卵形の子鱗茎を多数つけ、この子鱗茎で栄養繁殖を行って増える。葉はすべて根出し、葉柄は長さ15~20cm、その先端に幅1.5~2cmの倒心臓形の3小葉が円形につくカタバミ属特有の三出複葉を生じる。
出典:ウィキペディア
日本の家紋に「片喰紋(かたばみもん)」というのがあるが、これもカタバミは繁殖力が強く、一度根付くと絶やすことが困難であることから「(家が)絶えない」に通じるとして武家の間で用いられた。

それにしても、この花は実に美しい。
この花が今、帰化植物として分布を拡大しているという。
「セイタカアワダチソウ」に比べたら断然きれいなので、これならいいかとも思うが、井の頭公園でも花壇から飛んだ種が芽吹いている場所を見つけた。

これが木立の根元に生えていた「オオキバナカタバミ」の葉。
ハート型の葉が3枚合わさった可愛らしい葉っぱで、美しいのは花だけではないらしい。
ひょっとすると、数年経ったら井の頭公園のあちこちにあの黄色い花が咲くようになるのかもしれない。
花言葉は「決してあなたを捨てない」、意味深だ。
「オオキバナカタバミ」 分類:カタバミ科カタバミ属 特徴:多年草 花が咲く時期:4〜5月
井の頭公園の「オオキバナカタバミ」はここ!

「クサノオウ(瘡の王)」

御殿山の山野草エリアに生えている菜の花のようなこの草。
「クサノオウ」という名前だそうで、食べると麻痺を引き起こす毒草だが、一方でいぼや水虫に効く薬草でもあるらしい。
生薬「白屈菜(はっくつさい)」は、本種の全草を乾燥させたもので、アルカロイドのケリドニンなどの成分を含み、鎮痛、消炎作用などがあります。しかしながら、末梢神経麻痺作用なども有す有毒植物ですので、内服は危険です。
出典:「武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園」

黄色い花も近くから見るとちょっとグロテスクで、7月ごろまで長い間咲くという。
この草を食おうとは思わないが、この草を傷つけると切れた部分から有毒アルカロイド成分を含む黄色い乳液を流し出し、皮膚に炎症を及ぼすというので、うかつに近づかない方がよさそうだ。
花言葉は「思い出」「私を見つめて」、う〜む、違和感がある。
「クサノオウ」 分類:ケシ科クサノオウ属 特徴:越年草 花が咲く時期:5〜7月
「キクザキリュウキンカ(菊咲立金花)」

山野草エリアで他の草に埋もれるように咲いていた小さな黄色い花。
中国製アプリの出した答えは「キクザキリュウキンカ」。
こちらはまったく自信がないが、ネットの写真と見比べると似ているようにも思う。

「キクザキリュウキンカ」はヨーロッパ、西アジア原産の外来植物で、19世紀に観賞用としてアメリカに持ち込まれ繁殖したと書かれている。
もしこの草花がそうであれば、山野草エリアの在来種にとっては脅威になる可能性があるみたいでちょっと気になる存在だ。
花言葉は「必ず来る幸福」、在来種にとってはどうなのだろう?
「キクザキリュウキンカ」 分類:キンポウゲ科キクザキリュウキンカ属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜5月
「ラッパスイセン(喇叭水仙)」

同じく山野草エリアに1株だけ咲いていたのは「ラッパスイセン」。
中央部が飛び出している花の形からこの名がついた。
原産地はイギリスで、ウェールズの国花にもなっているそうだ。

山野草ということでもないので、誰かが植えたものなのだろう。
植物全体、特に地下茎に毒性物質を含んでいるため口にしてはいけないとネットには書いてあった。
花言葉は「尊敬」だそうだ。
「ラッパスイセン」 分類:ヒガンバナ科スイセン属 特徴:多年草 花が咲く時期:12〜4月
井の頭公園の「山野草エリア」はここ!

「タンポポ(蒲公英)」

こちらは子供でも知っている「タンポポ」。
もちろん公園のいたるところに咲いている。
そして西洋、東洋問わず世界中でいろんな名前がつけられた人気者だ。

でもなぜ日本ではタンポポと呼ばれるようになったのか、その由来には諸説あるという。
和名「タンポポ」の由来は諸説ある。花後の姿が綿球のタンポに似ているので、「タンポ穂」とよばれたとする説。花茎を切り出して、その両側を細く切り裂いて水に浸けると反り返り、鼓の形になるので、タン・ポン・ポンという音の連想からという説。タンポポが鼓を意味する小児語であったことから、江戸時代にツヅミグサ(鼓草)と呼ばれていたものが、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったとする説がある。日本語では古くはフヂナ、タナと呼ばれていた。地方によっては、ツヅミグサ、フチナなどの方言名がある
出典:ウィキペディア
タンポポには、古くから日本に咲いていた「日本タンポポ」と明治以降にやってきた「セイヨウタンポポ」があり、今街でよく見かけるのは「セイヨウタンポポ」が多いそうだ。
「日本タンポポ」の中にも、「カントウタンポポ」「カンサイタンポポ」「エゾタンポポ」などいろんな種類があるというので、井の頭公園で見かけるタンポポがどの種類なのか、とても私には見分けがつかない。

井の頭公園のタンポポの中には、すでに綿毛になったものもあった。
花が咲き終わると、花茎は一旦倒れ、数日後に再び立ち上がって、花を付けていたときよりも高く伸びる。立ち上がった花茎の先端にできる果実は、綿毛(冠毛)の付いた種子を作り、湿度が低いときに綿毛を球状に展開して、風によって飛び散る。
出典:ウィキペディア
花が終わった後いったん倒れ、再び立ち上がって綿毛をつけるとは知らなかった。
数少ない知っている植物のことも、実は知らないことばかり。
今後は謙虚にタンポポとも接するよう気をつけたいと思う。
花言葉は「愛の信託」「別離」。
「タンポポ」 分類:キク科タンポポ属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜5月
「ノゲシ(野芥子)」

一見、タンポポによく似たこの草、タンポポではなく「ノゲシ」という。
ちょうど虫が花に止まっている瞬間を撮影できた。

こうして全体を見ると、タンポポではないことがわかる。
日本でも道端に自生する雑草だが、もとはヨーロッパ原産で世界各地に広まったものと考えられている。
どうやらタンポポのようなキク科の雑草はグローバルスタンダードを身につけているらしい。
花言葉は「旅人」、やっぱりグローバルな草なのである。
「ノゲシ」 分類:キク科ノゲシ属 特徴:越年草 花が咲く時期:4〜7月
井の頭公園の「ノゲシ」はここ!

「オニタミラコ(鬼田平子)」

道端でよく見かけるこちらの雑草は「オニタビラコ」という。
葉っぱの感じはタンポポに似ているが茎の長さは最長1mにもなり、その先端に一年中小さな黄色い花を咲かせる。

この草は中国や日本といった東アジア原産だが、世界中ではびこっているという。
外来生物は来るだけではなく、海外に進出もしているようだ。
でもあまり美しくないので、あまり拡散しないでほしいと思える黄色い花だ。
花言葉が「純愛」というのも、ちょっとしっくりこない。
「オニタビラコ」 分類:キク科オニタビラコ属 特徴:越年草 花が咲く時期:5〜10月
井の頭公園の「オニタビラコ」はここ!

井の頭公園の植物2021
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