2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
中国製アプリ『Picture This』を使って植物の名前を判断、3月に一斉に花をつける草花を色別に記録する。
今回は、白い花たちをまとめてみた。
「イチリンソウ(一輪草)」

御殿山の山野草エリアで新顔を見つけた。
上をむえて一輪だけ咲いているこの花は「イチリンソウ」という。

イチリンソウは本州から九州の野山に生える代表的な「春植物」で、人里でも見られ、春に咲くかわいらしい白い花は多くの人に愛されています。早春になると、1本の花茎に3枚に分かれた羽状総苞葉を輪生させ、その先端に大きな白い5枚の萼花弁を開きます。花弁はなく、白い花弁のように見えるものは萼片です。
出典:みんなの趣味の園芸
この白いのは花弁ではなく萼弁。
上を向いて咲く特徴があり、花の大きさは直径4cmほどである。

花が咲く前の様子はこんな感じで、まるで踊り子のようだ。
切れ込みの深い、3枚の葉っぱが目印となる。
花言葉は「追憶」。
「イチリンソウ」 分類:キンポウゲ科イチリンソウ属 特徴:多年草 花が咲く時期:4〜5月
「ニリンソウ(二輪草)」

一方、山野草エリアで結構幅をきかせているのが、こちらの「ニリンソウ」。
「イチリンソウ」同様、春を代表する草花だが、多くの場合1本の茎から2輪ずつ花茎が伸びる特徴を持つ。

根茎で増えるため群生を作ることが多く、「イチリンソウ」同様、白い部分は花弁ではなく萼弁だそうだ。
似た種類に「サンリンソウ」もあるという。
花言葉は「友情」「ずっと離れない」、確かに井の頭公園の「ニリンソウ」も必ず群生して咲いていた。
「ニリンソウ」 分類:キンポウゲ科イチリンソウ属 特徴:多年草 花が咲く時期:4〜5月
「コハコベ(小蘩蔞)」

「イチリンソウ」や「ニリンソウ」ほど目立たないが、小さな白い花をつけている草に『Picture This』をかざすと、「コハコベ」と表示された。
「ハコベ」と言う時はこの「コハコベ」を指し、「はこべら」という名前で「春の七草」にも数えられる昔から日本人に馴染みの草花である。

元はアメリカやヨーロッパで広く分布する帰化植物だが、古くから日本に根づき、道端や空き地に繁殖している。
雑草といえばそれまでだが、こうして写真で撮ってみるとなかなか美しい。
花言葉は「ランデブー」。
「コハコベ」 分類:カデシコ科ハコベ属 特徴:越年草 花が咲く時期:3〜9月
井の頭公園の「山野草エリア」はここ!

「ハナニラ(花韮)」

山野草エリアの奥で、光り輝いている白い花が目につく。
「ハナニラ」だ。

「ハナニラ」と言えば、妻も昔から好きで育てていた家庭でもおなじみの花である。
原産地はアルゼンチン説と南アフリカ説があるようで、明治時代に園芸用に輸入され日本でも自生するようになったようだ。

「ハナニラ」には様々な種類があるようで、井の頭公園駅近くの茂みに咲くこちらの青い花も「ハナニラ」と判定された。
ニラのような葉っぱを見れば、これもきっと「ハナニラ」なのだろう。
「ハナニラ」 分類:ネギ科ハナニラ属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜4月
井の頭公園の「ハナニラ」はここ!

「シラユキゲシ(白雪芥子)」

井の頭池北側の木立の根元に白い花が群生しているのが気になっていた。
フキのような丸い大きな葉っぱと長い花茎が目立つこの花の名前を知りたいと思っていたのだが、『Picture This』で調べてみると「シラユキゲシ」という名前が表示された。

元々は中国東部の山岳部1400〜1800mの森林に自生していたという。
3cmほどの白い花の中心に黄色い雄しべをつける姿はまさにケシの花である。

木陰に群生する白い花はなかなか個性的で私の好きな花となった。
花言葉は「清純な誘惑」、私もその誘惑に負けた一人なのだろう。
「シラユキゲシ」 分類:ケシ科シラユキゲシ属 特徴:多年草 花が咲く時期:4〜5月
井の頭公園の「シラユキゲシ」はここ!

「クサイチゴ(草苺)」

「ひょうたん橋」の近くで見つけた白い花。
『Picture This』で調べてみると、「クサイチゴ」と表示された。
「ヒイラギ」の木の下に生えた草のように見えるが、草ではなく低木に分類されるそうだ。

ちょっと目立つ白い花を咲かせ、花が終わると赤い実をつける。
木苺の一種でありその実は酸味が少なく甘いのだという。
実のなる季節には忘れずにチェックしようと思う。
花言葉は「幸福な家庭」。
「クサイチゴ」 分類:バラ科キイチゴ属 特徴:落葉小低木 花が咲く時期:3〜5月 実がなる時期:5〜6月
井の頭公園の「クサイチゴ」はここ!

「スノーフレーク(鈴蘭水仙)」

「クサイチゴ」の近くには「スノーフレーク」が白い花を咲かせていた。
園芸用として花壇に植えられていることの多いこの可憐な花だが、この場所では野生に近い形で一株だけ生えていた。
おそらくどこからか種が運ばれてきたのだろう。

白いランプシェードのような花弁に緑のアクセント、人気の秘密はよくわかる。
原産地はヨーロッパの中南部、球根を植えれば簡単に育つので今では日本でも春の定番植物となった。

ちなみに「ジブリ美術館」の花壇でもう少し早い時期に咲いていたこちらの花は「スノードロップ」と呼ばれる。
同じヒガンバナ科の植物だが、別属だという。

井の頭公園周辺で「スノーフレーク」と言えば、吉祥寺通り沿いの花壇にたくさん植えられている。
こちらは明らかに人の手によって植えられたものであり、あまり増えすぎて逆にありがたみがなくなってしまった。
人間というのは本当に勝手なものである。
花言葉は「純潔」。
「スノーフレーク」 分類:ヒガンバナ科スノーフレーク属 特徴:多年草 花が咲く時期:3〜4月
井の頭公園の「スノーフレーク」はここ!

井の頭公園の植物2021
- 【1月】「オトメツバキ」&「トウカエデ」
- 【1月】「カツラ」&「サルノコシカケ」
- 【1月】「ケヤキ」&「クスノキ」
- 【1月】「コブシ」&「ハゼノキ」
- 【2月】「スギ」&「ヒマラヤスギ」
- 【2月】「ヒノキ」&「サワラ」
- 【2月】「コナラ」&「エノキ」
- 【2月】「フクジュソウ」&「マンサク」
- 【2月】「ムクノキ」&「トチノキ」
- 【2月】「スダジイ」&「シラカシ」
- 【2月】「イヌシデ」&「クヌギ」
- 【3月】「カワヅザクラ」&「オオカンザクラ」&「カンヒザクラ」
- 【3月】「サンシュユ」&「アセビ」
- 【3月】「トサミズキ」&「ヒサカキ」
- 【3月】「アズマイチゲ」&「ウラシマソウ」
- 【3月】「オオシマザクラ」&「コヒガン」
- 【3月】「メタセコイア」&「ラクウショウ」
- 【3月】「シダレヤナギ」&「ユキヤナギ」
- 【3月】「カタクリ」&「ヤブレガサ」
- 【3月】「ヤマブキ」&「オウゴンマサキ」
- 【3月】「ヒトリシズカ」&「マルバスミレ」
- 【3月】「イロハモミジ」& 新緑の主人公たち
- 【3月】「オオキバナカタバミ」&「クサノオウ」& 黄色い草花たち
- 【3月】「イチリンソウ」&「ニリンソウ」& 白い草花たち
9件のコメント 追加