🇳🇿ニュージーランド/クイーンズタウン 2020年1月2日
せっかくニュージーランドを訪れるなら、自然豊かな南島にも行ってみたい。そんな思いから、滞在先のオークランドから日帰りで、南島随一のリゾート地クイーンズタウンを訪れました。
「フィヨルドランド」の玄関口となるこの街は、実はバンジージャンプ発祥の地でもあるそうです。
ワカティブ湖畔に佇む美しい街で、人気のハンバーガーを食べたり、飛べない鳥キーウィと対面したり・・・。日帰りでも案外、楽しめたクイーンズタウンのご紹介です。
オークランドから飛行機で2時間!クイーンズタウン日帰り旅の行き方
まずはオークランドからクイーンズタウンへの生き方から・・・。
日帰りで行くには早朝の出発をオススメします。

午前4時52分発のスカイバスに乗って、オークランド空港国内線ターミナルへ。

ニュージーランド航空の自動チェックイン機で搭乗手続きを済ませ、オークランド発6時25分の早朝便に乗り込みます。

搭乗はタラップ。
無駄なところに金をかけないところが、ニュージーランドらしいですね。

機内サービスはお茶とクッキーだけ。
2時間足らずの国内線ですから、まあこんなものでしょう。

この日はあいにくの天気で、楽しみにしていた南アルプスの山々はまったく見えませんでした。

それでも8時過ぎには無事クイーンズタウン空港に到着しました。
こちらの空港ももちろんタラップを降りて、歩いてターミナルビルに向かうスタイルです。

私がまず向かったのは空港内にある観光フライトの会社「GLENORCHY AIR」のカウンターです。
この会社はクイーンズタウンを拠点に遊覧飛行やチャーターフライトを行なっている航空会社だそうです。
「今日ミルフォード・サウンドへのフライト飛びますか?」と聞くと、天気次第なので午後に出直してくれとの返事。この日の天気だと当然無理だと思っていた私は細かいことを聞くこともなく、街に向かうバスを探しました。

クイーンズタウンの街に向かうバスは、空港前から出る1番のバスです。
料金は片道10NZドル(約720円)とかなりお高めです。

後で知ったのですが、バスの運転手から「GoCard」という交通カードを買えば、通常片道10NZドルのところ2NZドルでオーバスに乗れるそうです。
カードの購入代が5ドルで、最低10ドル分チャージする必要がありますが、空港から市内の往復だけでも元が取れるのでお得です。
クイーンズタウンの歩き方① 大人気の【ファーグバーガー】へは朝の開店直後に!
クイーンズタウン市内に到着したのは、午前9時。
まだ朝食を食べていなかったので、ニュージーランドでも人気ナンバー1だというハンバーガーショップを訪ねてみることにしました。

店はすぐにわかりました。
人通りもさほど多くない朝のクイーンズタウンで、その店の前だけ多くの人が集まっていたからです。

店の名前は、「FERG BURGER ファーグバーガー」。
創業は2000年のようです。

黒いTシャツ姿の男たちが、手際よく大量のハンバーガーを作っていきます。

大量の写真が飾られた店内には壁際のベンチシートとカウンター席が少々。

入りきれない客は店の外でハンバーガーを頬張ります。
朝のクイーンズタウンは結構寒く、ダウンを着こんでハンバーガーを待つ観光客たちもたくさんいました。

10分ほど待って、ハンバーガーとコーヒーをゲット。
私が注文したのは、「The Fergburger with Cheese」(13.50NZドル)と「カフェラテ 大」(5NZドル)。
合わせておよそ1330円です。

こちらに人気の「ファーグバーガー」。
近くにあるアロータウンという小さな町の近郊で育った牛肉を、フレッシュなまま加工したパテが使われているそうです。
まあ日本にも最近、こうしたガッツリしたハンバーガーを出す店は珍しくないので、さほど驚きませんでしたが、クイーンズタウンに行ったら試しに食べてみてください。

ただし、昼時に店の前を通りがかると、数十メートルの長蛇の列ができていましたので、もし食べるなら朝の時間帯がオススメのようです。
クイーンズタウンの歩き方② 【ワカティブ湖】に立つ銅像は開拓者W•G•リース
「フィヨルドランド」の玄関口であるクイーンズタウン。
しかし実際には海につながるフィヨルドには面しておらず、ワカティブ湖という湖のほとりに作られた街です。

ワカティブ湖は細長いS字を描いたニュージーランドで3番目に大きな湖で、氷河によって削られてできた氷河湖です。

長さは約77km、水深は一番深いところで378m。
その形から、マオリたちはこの湖を「巨人の横たわる谷間」と呼び、1日に何度も見られる潮の満ち引きは巨人の心臓の鼓動のためだと考えました。

「湖上の貴婦人」と称される蒸気船「TSSアーンスロー号」がゆっくりと湖の上を走っていきます。
かつては南半球唯一の蒸気客船として湖の周辺に暮らす住民の足となっていましたが、今ではクイーンズタウンには欠かせない観光客に人気の遊覧船になりました。

1日5回、クイーンズタウンと対岸のウォルター・ピークを往復しています。私は乗りませんでしたが、対岸では牧場の見学などもできるようです。

湖畔に立つ銅像はクイーンズタウンを発見し開拓したウィリアム・ギルバート・リースです。
農場経営を志してニュージーランドに渡ったイギリス人のリースは、1860年にワカティブ湖を「発見」。3000頭の羊を連れて山や川を越え、湖の周辺に24万エーカーの牧場を開きました。
彼の物語は、彼の名前を冠した「ザ リーズ ホテル & ラグジュアリー アパートメンツ」のサイトに詳しく書かれています。
クイーンズタウンの歩き方③ 雨の日は【クイーンズタウン・ガーデン】のお散歩
小雨模様のクイーンズタウン。山々の絶景を拝めないこんな日には、美しい植物を見るのがいい。
そう思った私は、湖に突き出すように作られた公園「クイーンズタウン・ガーデン」に行ってみることにしました。

1867年に開園した広さ14ヘクタールの公園は、入園無料で誰でも好きなように散策できます。

公園には池が作られ、美しい花々が咲いています。

バラや・・・

こんな南国風の花まで・・・。
未開の地に入植後に、すぐ湖のほとりに公園を作るあたり、リースさんら初期の入植者たちはいかにもイギリス人といった感じです。

そんな花々に囲まれて、「QEENSTOWN BOWLING CLUB」と書かれたスポーツ施設がありました。
日本人にはまったく馴染みがありませんが、「ローンボウルズ」というイギリス発祥のスポーツを行う施設のようです。球を転がして目標球にどれだけ近づけられるかを競うスポーツだそうです。

ただ、そうした花よりも私の関心を引いたのは、公園のあちこちに大きく育った樹木です。

人の手があまり加わらず自然のままに大きく育った「ジャイアントセコイア」の大木。
その密集した枝の伸び方はとても迫力があります。

クイーンズタウン・ガーデンの周囲には湖畔の遊歩道が整備されていて、湖とそれを取り巻く山々を眺めながらの気持ちのいい散歩を楽しむことができます。

クイーンズタウンの歩き方④ 【スカイライン・ゴンドラ】とバンジージャンプ
雨が上がり、少し明るくなってきたので、ロープーウェイに乗って山の上の展望台に登ってみることにしました。
ブレコン・ストリートの坂道を登っていくと、突き当たりにゴンドラの乗り場があります。

「スカイライン・クイーンズタウン」。
クイーンズタウンの裏山「ボブズピーク」の中腹にある展望台まで、急角度にワイヤーが張られていて次々にゴンドラが上がっていきます。

クイーンズタウン有数の人気施設で、チケット売り場には行列ができていました。

ゴンドラの往復だけなら44NZドルですが、山の上でのアトラクションや食事などがパッケージになったセット券がいろいろ用意されています。

私は往復券だけを買ってゴンドラに乗りました。
標高790mの展望台に上がると、眼下にワカティブ湖とクイーンズタウンの街が広がっていました。

雲が低く垂れ込めていたのでガスがかかって何も見えないかと思いながらゴンドラに乗りましたが、思ったよりは視界が広がっていました。

天気さえ良ければコロネット・ピーク、リマーカブルス山脈、セシル・ピーク、ウォルター・ピークなどの美しい山々が望めるそうですが、この日は仕方ありません。

この施設の正式名称は、「スカイライン・ゴンドラ・レストラン&リュージュ」というだけあって、雄大な景色を眺めながらの食事と山の急斜面に設けられたコースを車輪の付いたソリで滑り降りるリュージュが観光客に人気のようです。
私はどちらにも興味がなかったのですが、もう一つ別のアトラクションに目を奪われました。

バンジージャンプです。
今や世界中で人気のバンジージャンプですが、世界初のバンジーサイトは、ここクイーンズタウン近郊にあります。
空港近くを流れるカワラウ川にかかる「カワラウ・ブリッジ」です。

そして気楽にバンジージャンプを楽しみたい客が訪れるのが、ここスカイライン・ゴンドラに隣接した「リッジ」です。
急斜面に突き出すように設けられたバンジーサイトは、展望台やゴンドラからも間近に見ることができ迫力満点です。
飛び降りる高さは47mで、ちなみに料金は1回205NZドル(約1万5000円)だということでした。
クイーンズタウンの歩き方⑤ 幻の鳥に会える【キーウィ&バードライフ・パーク】
展望台には20分ほどいただけで、さっさとゴンドラで下に降りました。
山の麓にある施設でお目当のショーが始まる時間です。

「キーウィ&バードライフ・パーク」。
“飛べない鳥”として有名な「キーウィ」に会える施設です。

「Kiwi encounter」と書かれているのが、生きたキーウィを見られる貴重なチャンスなのだと言います。
この日は、1日6回ありました。

キーウィはニュージーランド固有の鳥で、国鳥にも指定されて大切に保護されています。
ニュージーランド人たちは、自らのことを「キーウィ」と呼ぶほど国のシンボルとなっている特別な鳥なのです。

剥製は博物館などで見ることができますが、生きたキーウィを見る機会は滅多にありません。

この施設は、キーウィをはじめ絶滅の危機に瀕しているニュージーランド固有種の鳥たちを観察できる貴重な場所なのです。
もともとは傷ついた鳥の保護や貴重な種の育成を目的に作られました。

キーウィは夜行性なので、一日中暗く保たれた特別な小屋の中で生活していました。
中に入るとしばらく何も見えないほど、小屋の中は真っ暗です。
でも目が慣れてくると、ガラス越しにキーウィが暮らす草むらの環境が人工的に作られているのが見えてきます。
でも、キーウィはあまり動かないので、どこにいるのかまったくわかりません。

そこで1日数回、飼育員がキーウィに餌を与える時間が狙い目で、その餌の時間が「Kiwi encounter」と呼ばれているのです。
時間になると女性飼育員が中に入って、お客さんから見えやすい位置に置かれた餌場に餌を置いていきます。客はガラス越しにその様子を見守ります。
すると・・・

いました・・・。
奥の方から長いくちばしを持ったキーウィがちょこちょこ餌場に近づいてきます。

私の目の前に来ました。
わずかな赤外線ライトで、やっとその姿が確認できます。
確かにキーウィフルーツのように、丸っこい体つき。予想したよりも大きくて、予想通りカワイイ。
お客さんたちは一斉に身を乗り出して、暗がりでうごめくキーウィの姿を追います。
小屋を出る時には、みんな一様に満足げな表情をしていました。

この施設には、キーウィのように可愛くはありませんが、もう一つ人気者がいます。

“恐竜時代の生き残り”とされる爬虫類「トゥアタラ」。
日本では「ムカシトカゲ」と呼ばれ、2億年前から生存しているとされますが、今ではニュージーランドの離島にのみ生息する絶滅危惧種になってしまいました。

檻の中でじっとして動きませんが、キーウィと一緒に見てあげてください。
クイーンズタウンの歩き方⑥ 【ミルフォード・サウンド】には遊覧飛行という手も
フィヨルドランドの中でも特に人気が高い「ミルフォード・サウンド」。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」などのロケ地としても有名です。
通常ならクイーンズタウンからミルフォード・サウンドまでは陸路で5時間以上。
時間がない人には、クイーンズタウンから直接ミルフォード・サウンドまで小型機やへりで行く遊覧飛行という手があります。

空港近くには・・・

遊覧飛行を行う会社がいくつも並んでいました。

クイーンズタウンを飛び立ってミルフォード・サウンドまでは片道45分。
上空からフィヨルドや滝を眺めるだけでなく、山頂にヘリで直接着陸したり、フィヨルドクルーズとフライトをセットにしたプランもいろいろ用意されているようです。

クイーンズタウン市内にも、遊覧飛行を取り扱う旅行会社がたくさんあって、航空会社と連絡を取り合いながら予約してくれます。
私はこちらの「DISCOVER QUEENSTOWN」という観光案内所でフライトの相談をしてみたのですが、少しずつ空が明るくなってきているので飛ぶかもしれないと言われ、何度か通ってチャンスを待ちました。

午後1時半ごろになると、急速に天気が回復します。
ワカティブ湖の上空には青空が広がってきました。

それに合わせて、湖畔にはどっと人があふれ出し、静かだった街はディズニーランドのようになってきました。
こうなると私は居心地が悪くなり、空港に直接行ってフライトの有無を確認してみようと思ったのです。

空港の上空も晴れ上がり、素人目にもフライト可能な状況になっていました。
しかし朝立ち寄った「GLENORCHY AIR」のカウンターに行ってみると、「ついさっき最後のフライトが出たところだ」と言うではないですか・・・。
街で待たずに空港で待機すればよかった・・・ちょっと後悔しますが仕方がありません。

次々にヘリコプターが離陸する様子を眺めながら、私はオークランド行きの飛行機の出発時間まで空港近くを散歩することにします。
クイーンズタウンの歩き方⑦ 観光名所じゃないけれど私の一押しは【カワラウ川】

空港から歩き始めると、「ミルフォード・サウンドまで291km」という標識がありました。
そのまま進んでいくと・・・橋がありました。

ワカティブ湖から流れ出る「カワラウ川」です。

澄みきった水・・・

正面にそびえる岩山は「リマーカブル山脈」。
最高峰の「ダブル・コーン」は標高2319mです。

突然眼前に広がったその雄大な景色にしばし言葉を失います。
そのまま川辺に腰を下ろし、川の流れを眺めながら時間を過ごしました。

カヌーに乗って、ゆったりと川面を進むグループがあれば・・・

岸から魚を狙う人も・・・

川に沿って整備された遊歩道をサイクリングする人。

そこへ猛スピードでジェットボートがやってきました。
カワラウ川で突然、360度の急スピンを決めます。
ボートに乗る観光客から歓声が上がりました。

カワラウ川の岸辺ギリギリを時速80キロの猛スピードで駆け抜けてワカティブ湖へと戻って行きました。

世界的なリゾート地クイーンズタウン。
ここでは、他にもたくさんのアトラクションを楽しむことができます。
スカイダイビングやパラグライダー、ジップトレックやキャニオン・スイング。
カジノやワイナリーもあります。

そして、世界初のバンジージャンプ発祥の地「カワラウ・ブリッジ」は、この川を下っていった先の急流域にあるのです。
橋のたもとには「カワラウ・バンジー・センター」があり、私も行ってみたかったのですが、車でなければ行けない距離だと言われ断念しました。
クイーンズタウンの歩き方⑧ 偶然見つけた【クイーンズタウン誕生の地】
時間つぶしに川沿いを散歩しているとリゾートホテルがありました。

「ダブルツリー・バイ・ヒルトン・クイーンズタウン」。
その近くに偶然面白い場所を見つけました。

湖畔に点在する豪華な別荘の中に、粗末な小屋がありました。

「Rees Homestead Park」。
クイーンズタウンの創始者ウィリアム・ギルバート・リースが、1765年ごろに家を建てた場所です。
つまり、ここがクイーンズタウン誕生の地とも言えるのです。

2階建ての母屋は残っていませんが、肉を作るための石造りの倉庫がポツンと立っていました。

もう一つ、バターなど乳製品を作った石造りの小屋。
こちらも当時のまま残っていて、この小屋の近くに母屋の台所があったそうです。

川沿いの遊歩道を歩いてみます。

道沿いには白い花や・・・

ピンクの花や・・・

ニュージーランドの国旗にもデザインされているシダも・・・。

さらに進むと住宅地の中の公園に出ました。
この住宅地を抜けると、空港はもうすぐそこです。
人気リゾート「クイーンズタウン」は日帰りでも十分に楽しめる!

昼ごはんを食べていなかったので、空港のカフェで昼と夜を兼ねて腹ごしらえです。

地元の白ワインと一緒に注文したのは・・・

「POUTINE」(13.9NZドル)。
よくわからずに注文したこのプーティンという料理は、フレンチフライにグレイビーソースとチーズをかけたカナダのファーストフードだそうです。
ワインのつまみとしてはぴったりだし、それなりにお腹にもたまります。

オークランドへの帰路。
朝は厚い雲に遮られて一切見えなかったサザンアルプスを見ることができました。
ミルフォード・サウンドには行くことができませんでしたが、日帰りでもそれなりに楽しめたクイーンズタウンへの旅でした。
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