死刑執行

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ついに麻原彰晃の死刑が執行された。

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地下鉄サリン事件から23年目の決断。

麻原と共に、早川紀代秀、中川智正、井上嘉浩、新実智光、遠藤誠一、土谷正実の6人に対しても同日に死刑が執行された。13人の死刑囚のうち7人の死刑が一斉に執行されたことになる。

歴史に残るであろう死刑執行命令を出したのは上川陽子法務大臣。記者会見した上川法相は「慎重にも慎重な検討を重ねた上で執行を命じた」と語った。

今年1月、すべてのオウム裁判が終結し、いつ死刑が執行されてもいい状況だった。死刑執行をにらんだ死刑囚の分散、移送も行われた。だから、一報が伝わるや、テレビ各局は素早く特番態勢に入った。全局見比べたわけではないので、正確なことは言えないが、7人死刑をいち早く伝えたのはTBSだったようだ。

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さて、オウム事件と言えば、私ぐらいの年代で報道に従事した人であれば文字通り忘れがたい事件であろう。戦後日本で起きた最大のテロ事件と言える。

ただ、私はこの時期外国にいた。

オウム真理教がマスコミに注目され、次々に事件に手を染めていく1990年代前半、私はパリ支局に勤務していて、オウム取材にはまったくと言っていいほど手を染めていない。パリ支局時代唯一関係したのは、サリンを検知する軍事用機器を製造しているフランスのメーカーに警視庁から注文が入ったというニュースを出したことだけだ。一応スクープだった。

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地下鉄サリン事件が起きた3月20日には、私はスウェーデン北部の北極圏で京都大学のオーロラ観測を取材していた。超高感度カメラを借りて、毎夜氷点下20度の屋外で星空を見上げていた時、事件の一報を聞いた。事件の驚きもさることながら、今取材しているネタがボツになるという虚しさを感じたのを覚えている。

案の定、事件後日本ではオウム関連のニュース一色となり、私のネタはボツになった。当然である。

この時期、オウム関連の報道番組が驚異的な視聴率を取る日々が続いた。日本ではいつ新たなテロが起きるのか、ピリピリとした不安が日常を覆っていたのだろう。だが、私はそうした日々を経験していない。

パリから戻り、今度は編集長としてオウム裁判などを伝えた。麻原は英語交じりの意味不明な供述を繰り返し、時間が経つにつれて残虐な事件とはかけ離れた笑い話のようなニュースに変容した。

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結局、オウム事件とは何だったのか?

麻原は何も真実を語らないまま、この世を去った。そして、今もオウムの後継団体に多くの信者がいる。

日本社会の中で満たされない人々の存在が、オウム的なるものを生んでいるのだろうか?

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