小泉進次郎

自民党内にちょっと気になる動きが出てきた。まだ大きな動きではないが、奢れる安倍一強政治に喝を入れるムーブメントになるかもしれない。

その発信源は、人気者・小泉進次郎筆頭副幹事長だ。

日経新聞の記事を引用する。

『 自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は6日、学校法人「加計学園」問題を巡り、国会に特別委員会を設置すべきだと述べた。安倍晋三首相と加計孝太郎理事長が2015年2月に面会したとする誤情報を愛媛県に伝えたとの学園の説明に「どう考えても県にうそをつくのはおかしい」と指摘。「与党から『委員会を設置してくれ』と言うのが真の行政監視だ」と述べた。

両学園を巡る問題を含めて「党内で『おかしいことはおかしい』となかなか出てこないことに、じくじたる思いだ。国民をなめてはいけない」と述べた。』

このところ、竹下総務会長が安倍さんに厳しい発言をしている。ポスト安倍を狙う石破さんはもちろん、岸田政調会長も一定の距離を置くようになった。さらに、公明党も森友加計問題では安倍さんに批判的な発言をしている。

こうした安倍さんと距離を置く勢力をまとめる形で、小泉氏を中心とする若手グループが動けばちょっと面白いことが起きるかもしれない。

安倍・麻生連合vs岸田・竹下・石破連合。

国会議員の数では安倍さん優位は動かず、二階さんも安倍支持を明言している以上、まだ安倍三選の可能性は高い。しかし、である。

特別委員会設置を野党が提案し、自民党のかなりの議員が賛成に回ればどうなるか。

自民党の歴史では過去何度も演じられた派閥抗争だ。今回は、国民の多くも安倍さんのあからさまな疑惑隠しにうんざりしている。

ひょっとすれば、ひょっとするかもしれない。

そんな中、今月初めの日経新聞にちょっと面白い記事が出ていた。やはり小泉進次郎がらみの記事だ。

こちらも一部引用させていただく。

『  国会や内閣から政党、官僚制にも及ぶ統治構造改革の論議が与野党を超えて広がり始めた。そんな「ポスト平成デモクラシー」構想のけん引役は自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎、衆院初当選同期で国民民主党共同代表の玉木雄一郎ら新世代だ。

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1日の自民党本部。防衛相や国会対策委員長を務めた党人派のベテラン、浜田靖一と小泉が並んで記者会見した。公表したのは、浜田が初当選同期で政調会長の岸田文雄の諮問を受け、座長として4月に立ち上げた「政調会の在り方等に関するプロジェクトチーム(PT)」の提言だ。PTでは幹事長の木原誠二(岸田派)と事務局長の小泉が取りまとめの中核を担った。

浜田「党内で摩擦も出てくるから、これからいろいろ大変だろう。だが、若い人が一生懸命、議論したことが形になっていくのが自民党の良いところだ」

小泉「首相官邸主導というが、与党が強いことは官邸にもプラスになる。自民党の将来のカギは『党人力』。浜田座長だからこそ浮かんだキーワードだ」

提言は4本柱。まず党則を改正し、政調会に「公約・政策等評価検証委員会」を常設する。選挙のたびに言いっ放しにしがちな公約のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルをしっかり回して政策の質の向上を目指す。次に「政策のプロ」を育てるため、各府省ごとの法案審査に当たる各部会の常任の委員は固定し、対応する国会の委員会にも入る。部会長はできる限り委員会の理事を兼任する。

「責任ある政官関係の構築」も打ち出した。部会で各府省の政策の説明を官僚任せにせず、副大臣や政務官が矢面に立って「説明責任の向上」を図る。与党への非公式根回しでも、副大臣や政務官に「主導的役割の発揮」を求める。さらに党運営全般で技術革新に後れを取らないようIT(情報技術)専門部局を新設し、最高技術責任者(Chief Technology Officer)も置く。

一見、CTO新設などに、政治も技術進歩に向き合う、と造語「ポリテック」を唱える小泉ら新世代の色を見て取りたくなる提言。今後、岸田の下に4つのワーキングチームを設けて具体化を急ぐ。実はさらなる起爆力を秘める。行間をよく読めば、衆院解散の制約や与党事前審査制の見直しにまで行き着くからだ。

政党の政策の生命線として公約のPDCAサイクルをきちんと回す方針は「マニフェスト(政権公約)選挙」への再評価を意味する。政策の工程表や財源を明示する手法は旧民主党が政権交代のテコに使い、政権運営の重荷ともなった。小泉は「約束は守るのが大前提だが、1年たてば世界は激変する」と指摘。「政策の不断の見直し」のプロセスをどう入れ込むか、バージョンアップを模索する。

PDCAを力説すればするほど、避けて通れないのが衆院解散の制約だ。安倍による昨年9月の臨時国会冒頭での解散は自民党さえ寝耳に水。前の公約の検証などゼロで新公約を泥縄でこしらえた。「首相の専権事項」扱いの自由な解散こそ、PDCAをぶち壊す政治日程の最大の不安定要因だ。』

国民の人気は高いが、無派閥の小泉氏に直ちに自民党をぶっ壊すような力はない。

しかし、「ポスト平成デモクラシー」という大きなテーマで今の永田町を変えようとする姿勢には注目していきたい。

政界の一寸先は闇。

国民がどういう政治を求めるのか、我々自身の判断が問われている。

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