IWC脱退

どうしてこのタイミングでこんな決定をするのか、まったく理解できない。

日本政府は反捕鯨国に支配されたIWCから脱退し、来年夏から近海での商業捕鯨を再開することを決めた。

まるで、トランプ流だ。

どうしてそんなに捕鯨にこだわるのか、私にはまったく理解できない。

私は昔、鯨肉を食べて育った。子供の頃、食卓には鯨肉ステーキがよく登場した。牛肉よりもよく食べていた印象がある。そして、大人になってからも、鯨ベーコンは好きでよく食べていた。

でも、それは昔の話だ。今では、まったく鯨を食べることはない。だから、なぜ日本政府がそこまで捕鯨にこだわるのか理解できないのだ。

水産庁のサイトに「鯨問題に関するよくある質問と答え」というQ&Aが掲載されている。引用してみる。

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『Q.どうして世界の世論に反して捕鯨を行うのか?

鯨類の持続的利用は世界の多くの国が支持する考え方であり、反捕鯨は世界の世論では決してありません。国際捕鯨委員会(IWC)においても、加盟国の半数近くが鯨類の持続的利用に賛成しており、2006年の年次会合では、持続的利用支持国が反捕鯨国を上回りました。

また、そもそも国際捕鯨取締条約は鯨類の持続的利用をその目的としており、この条約に基づき、国際捕鯨委員会(IWC)が設立されています。適切な資源管理の下、豊富な資源量を有する鯨種・系群について持続的に利用することは、元来認められていることなのです。

 

Q.クジラを食べなくても他に食べ物があるのではないか?

第一に、水産資源の持続的利用は、国際法上も謳われているものですが、現在は、鯨類という持続的に利用できる水産資源を利用できないという、矛盾した状況と言えます。科学的にも、法的にも正当な捕鯨が、国際的に認められている水産資源の持続的利用の原則に反して否定されてきたということが、そもそも問題なのです。

第二に、食は量さえ足りれば何を食べても変わらないというものではありません。世界各国の民族は、それぞれの生活環境、自然、そして歴史に基づく食文化を発展させ、維持してきました。クジラを獲り食べることは、そのような食習慣を有する地域の人々にとってかけがえのない文化なのです。

第三に、過剰保護による鯨類の増加が他の漁業資源に悪影響を与えている可能性があり得ることが、これまでの研究により示唆されています。特定の生物を過剰に保護することは、海洋生態系のバランスを崩し、私たちが食する他の水産資源にも影響を与えかねません。

 

Q.クジラは特別な動物と思わない?

クジラに限らず、すべての動物が特別なものです。すべての動物がかけがえのない生命を持ち、食う食われるの関係で生態系の中での役割を果たしています。もちろん、人間もこの生態系の一部です。

他方、人間は様々な民族や国民が様々な生き物に特別の地位を与えています。例えば、多くの国で食料とみなされる牛も、インドでは神聖な動物です。ある民族や国民が自らの特定の動物に対する価値観を他の民族や国民に押しつける行為は許されるべきではありません。これは、クジラについても同様です。

全ての生物を客観的に理解することが必要です。』

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どうだろう?

なかなか的を得た質問である。それに対して、答えの方は、わからなくはないが反捕鯨の人には通用しないだろう。哲学が違うのだ。次元の違う議論をしていても、道は開けない。

鯨を獲らないと海の生態系が乱れるっていう論理はどうだろう? もともと人間が捕鯨を始める前から海の生態系は保たれているのだ。

そもそも、商業捕鯨の再開を、どれほどの日本人が歓迎するのだろう?

むしろ日本のイメージが悪くなる方を懸念する人が多いのではないかと、私は考えている。

それにしてもなぜ、日本政府はIWC脱退を決めたのか?

私が勝手に想像したのは、自民党の二階幹事長の政治力だ。二階氏の選挙区には、捕鯨の町太地町がある。かつては捕鯨で栄えた町も、今では寂れてしまっている。他の捕鯨基地も同様だ。そこを地盤とする政治家たちが、捕鯨議連を作っている。彼らの執念が政権を動かした。おそらく二階さんがねじ込んだのだろう。

鯨を食べることは、本当に守るべき日本の文化なのか?

もともと牛肉を食べていなかった日本人。食べてみると鯨肉よりも美味しかった。だからみんな鯨肉を食べなくなったのだ。

商業捕鯨を再開したところで、鯨肉を食べる文化がかつてのように栄えることは絶対にないと私は確信している。

よって、今回の政府の決定は、時代錯誤的であり、無用な国際摩擦を引き起こすだけに終わるだろう。

残念である。

 

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1件のコメント 追加

  1. wildsum より:

    賛成です。わたしも若い頃。鯨のベーコンを食べた記憶があります。でも、今は豚肉と鶏肉が主で、牛肉は時々食べます。それ以外はできれば食べたいと思いません。無理に商業捕鯨を再開する必要はないし、多くの人たちはそうやって世界と敵対する必要はないと思います。それとそれぞれの国が互いの国の食文化を尊重するのは大事です。どこかの国では犬肉やネコ肉を食べる文化もあります。それに対して、反対を唱える必要はないし、自分たちは自分たちの文化を守ればいいと思います。

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