もともと1ヶ月での宣言解除は無理なのはわかっていた。
でも、安倍総理は「1ヶ月頑張れば抑え込むことができる」と根拠のない見通しを示して緊急事態宣言を発したのだが、結局5月末まで延長することを正式に発表した。
これに合わせて、何か新たな対策が打ち出されるのかを注目して会見を聞いたが、目新しいものは何もなかった。
どうも、安倍総理はコロナが苦手なようだ。
それでも、少しずつ出口に向けた動きもある。
13の特定警戒都道府県は今の対策を継続するが、それ以外の34の県では徐々に制限の緩和を進めることになった。1日の新規感染者数が100人を切ることが宣言解除の目安となるという指針も示された。そして、今月14日に改めて感染状況を分析し、5月末の期限を待たずに宣言を解除する可能性にも言及した。
解除の条件として西村担当大臣は5つの条件を挙げた。
- 直近2−3週間の新規感染者数
- 感染経路不明感染者比率
- PCR検査が適切に行われているか
- 医療提供体制が十分か
- 近隣の都道府県の感染状況
どれも漠然としていて、数値目標は一切示されなかった。日本らしいといえば、日本らしい曖昧さが残念ながら今回も消えなかった。
大阪府の吉村知事は、国から具体的な基準が示されなければ、独自の「大阪モデル」を打ち出したいと予告しているので、そちらを待ちたいと思う。
コロナ対策では一貫して政府よりも首長さんの方が的確なので、どうしてもそちらに期待してしまうのだ。
さて、危機発生から一貫して非科学的な対応に終始している安倍政権は、お得意のキャッチフレーズとして今回「コロナ時代の新しい日常」「新たな生活様式」という言葉を打ち出した。
もうすでに、私もコロナと共に生きることに慣れてきたが、政府としてこうした生活がこれから長く続くことを国民に訴えたわけだ。
私のような在宅勤務のお気楽オヤジは、簡単に「コロナと生きる」「新たな日常」などと言ってられるが、生きるか死ぬかの判断を迫られている経営者の中には、1ヶ月の延長イコール「死刑宣告」という人もいるに違いない。
私が住む吉祥寺のお店も、あと1ヶ月持ちこたえられず廃業するところも増えるだろう。
国民もすでに数ヶ月コロナと付き合ってきているのであまり役には立たないが、専門者会議が今日示した「新たな生活様式」を書き残しておきたい。
- 日々の生活でのマスク着用
- 人との間隔をできるだけ2メートル確保
- 手は水とせっけんで30秒ほどかけて洗う
- 帰省や旅行はなるべく控え、出張もやむを得ない場合に限る
- 発症した際に濃厚接触者を特定できるよう、誰とどこで会ったかをメモに残す
- スマートフォンの移動履歴を起動させておく
- 買い物は通信販売や電子決済を利用
- 食事も持ち帰りや宅配を活用
- 外食する場合も大皿は避けるほか、向き合わずに横に並んで座る
- 公共交通機関を利用する際は会話を控え、徒歩や自転車を併用する
- トレーニングやヨガは自宅で動画を活用し、ジョギングも少人数で行う
- テレワークやローテーション勤務、時差出勤を取り入れる
- 会議や名刺交換にもオンラインを活用する
- イベントなどを開く施設や店では、従業員がマスクを着用して換気などを徹底するほか、手指の消毒液も配置する
- 密集を避けるための入場整理の実施や熱などの症状がある客の入場制限
- 従業員と客が対面する場所では、既透明なカーテンを設ける
- 従業員がせきなどをしている場合に帰宅させ、従業員のユニホームや衣服は洗濯を徹底する
- 感染リスクの高い場所での対応として、休憩スペースの利用人数の制限や、トイレはふたを閉めて流すよう表示する
- 業界団体ごとに、感染拡大防止策の指針を作成する
専門家会議に求めているのは、こういうことじゃない、と思う。
でも、いつの間にか悪者にされている専門者会議の皆さんにも個人的には同情しているところがある。会議が招集された時には方針は決まっていて、政治家が都合よく専門家を利用していると見ているからだ。
6月になれば、少し事態が落ち着いていることを期待している。
危機発生当初のように、政府のやり方に文句を言うのにも虚しくなってしまった。自粛して時間を稼いでも、検査体制も医療現場もなかなか改善されないもどかしさ。
こういう状態が、「コロナ時代の新しい日常」だとすると、悲しすぎるではないか・・・。