<吉祥寺残日録>混迷する米大統領選を横目に日経平均は29年ぶりの高値 #201106

アメリカ大統領選挙の開票作業は、遅々として進まない。

投票が行われた今月3日には、トランプさんがフロリダ、テキサス、オハイオという重要州を相次いで制し4年前の再来かと思わせたが、翌4日になるとバイデンさんが逆に焦点となっていたラストベルトの3州を押さえ一気に王手をかけた。

しかし、日本時間の昨日の朝、残り6州となったところから1日半、ピタッと動きが止まってしまった。

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トランプさんは、郵便投票に文句をつけ、民主党が不正をしていると根拠のないデマを撒き散らし、開票を即刻やめろと民主主義を否定するような言動を繰り返している。

予想されたこととはいえ、現役大統領にあるまじき見苦しさだ。

「恥」という言葉の意味を知らない人間というのは、世の中にいるのだ。

客観的に見れば、バイデンさんの勝利は確実な情勢だが、トランプ陣営はなりふり構わぬ法廷闘争をしかけていて、果たして今後何が起きるのかまったく予想もつかない。

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トランプ支持派の間では、「STOP THE STEAL(盗みを止めろ)」が新しいキャッチフレーズとなっている。

嘘八百を発信し続けるトランプさんのデタラメを盲目的に信じ行動する人たちがこんなにもたくさんいること自体が怖い。

ヒトラーが台頭した時、彼が発する嘘八百を一部のドイツ人が熱狂的に支持し、やがてナチスが政権を握ると既存のルールを全部ひっくり返して独裁体制を確立してしまった。

そんな恐怖の歴史を思い起こさせる。

事実を軽視する傾向が強まると、社会は急速におかしくなってしまうのだ。

そんな混乱したアメリカの状況を横目に、株式市場は世界的に上昇している。

日経平均の終値はついに2万4325円となり、バブル直後の1991年以来29年ぶりの高値を記録した。

新型コロナウィルスはますます猛威を奮っていて、アメリカで1日10万人の感染者を出し、ヨーロッパでは各国がロックダウンに追い込まれた。

日本でも北海道で感染者が増加するなど冬の到来と共に第三波とも言われる感染拡大の兆候が見え始めた。

しかし皮肉なことに、コロナの影響で各国政府が前例のない金融緩和を行ったことで有り余ったマネーが株式市場に流れ込み株価を上昇させている。

この傾向は直ちには変わらないだろう。

買い方は強気で、株価はまだまだ上がるとの見方も強まりつつある。

本当に困っている人には金は回らず、豊かな人たちがますます豊かになる、そんな状況が世界的に進んでいるのだ。

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目先の利益を目指すマネーは、V字回復を達成した後、どのように動くのだろうか?

悪い材料には目をつぶり良い材料にだけ反応してどんどん株価を吊り上げていくのだろうか?

それともある日、何かのきっかけで一気に急落するのか?

いずれにせよ、ダブついたマネーが世界経済の波乱要因となる日が再び訪れようとしているように私には感じられる。

新型コロナウィルスが終息するまで、与党も野党も大盤振る舞いを止める者はいない。

しかも、世界各国が一斉に蛇口を緩め続けているのだ。

この先何が起きるのか、前例のない未知の領域に世界は突入しようとしている。

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