財務次官 辞任

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福田淳一財務次官の辞任が決まった。

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テレビ朝日記者に対するセクハラ問題の処分もないままの辞任だ。文書改ざん問題で辞任した佐川国税庁長官に次いで財務省のトップ2人が不在という異常事態だ。

相次ぐ官僚の不祥事の中でも、今回のセクハラ騒動はわかりやすさの点で政権のダメージになった。音声が報道され、「抱きしめていい?」「胸触っていい?」というお下劣な発言が多くの女性の生理的な反発を招いた。

それに加え、福田次官を擁護する麻生大臣の無神経な発言などが火に油を注ぎ、セクハラに対する日本の後進性を世界に示す格好になった。さらに、女性記者からの訴えを放置したテレ朝の対応にも批判が集中し、記者活動のあり方にも問題を提起した。さらにさらに、自社の対応に不満を持った女性記者が、録音テープを週刊新潮に持ち込んだことも職業倫理の観点から議論を呼んだ。

報道という仕事は、基本的には嫌がる人から情報を取る仕事だ。人が進んで話すような自慢話には報道する価値はない。個人や組織が外部に知られたくないと思って隠している事実をつかみそれを公にすることが報道の役目なのだ。それは戦いであり、駆け引きでもある。綺麗事だけでは情報など取れない。

昔は報道記者は男の職場だった。「女なんか邪魔だ」と公言してはばからない上司がたくさんいた。しかし、いつしか女性記者が増え、女性記者の方がネタを取ってくる時代となった。女性記者は一般的に真面目だ。真剣に取材に打ち込む人が多い。一方で、政治家や官僚、財界人などの中には、今回の福田次官のようなけしからん輩もいるのだろう。女性記者には男性記者とは違う悩みがあることはそれなりに理解していたつもりだが、こんな露骨なセクハラに晒されているとは、やはりちょっと驚きだった。

「官庁の中の官庁」財務省のトップまで上り詰め、こんなセクハラ発言が公開されて辞職するなど悔やんでも悔やみきれないだろう。だが、所詮は身から出た錆。完全にアウトである。

福田次官の辞任で、次の焦点は麻生大臣の進退と安倍政権の行方だ。野党は審議拒否を続けているが、やはり迫力が足りない。野党にスターがいないことが最大の問題だ。ツッコミどころ満載の安倍政権を前にして、国民の心を奮い立たせるような言葉を発する議員がいない。

これではしぶとい安倍政権を倒すことはできないだろう。国民の怒りに本当に火をつける何かがまだ足りない。

むしろ、自民党内の動きの方が安倍さん麻生さんにとっては気になるところだろう。

中でも派閥を引き継いだ竹下亘さんの発言は気になる。久々に竹下派に存在感が戻ってきている。表立って動きにくい岸田さんよりも竹下さんや伊吹さん、石原さんといったあたりが反安倍のうねりを作れるのか注目していきたい。そして最後は寝業師、二階さんの決断も要注意だ。

安倍さんとしては、外交で得点を稼いで支持率回復を狙っているのだろうが、果たして思惑通りに進むのかどうか。まず最初の成果を狙った先日の日米首脳会談は、福田次官のセクハラ騒動の影に隠れてしまい、トランプ頼みの限界をさらけ出した。

「日本は蚊帳の外」という構図が次第にはっきりしてくる中で、昨年のように外交で反撃するのは容易ではなさそうだ。

そして福田辞任でもう一つ気になるのが消費税への影響だ。

過去に2度消費税率引き上げを見送った安倍総理だが、消費税引き上げの急先鋒である財務省の力が落ちたことで、安倍さんが三度消費税凍結で景気と支持率を持ち上げる作戦を取るのかどうか、これも注目だ。弱った体に覚醒剤を射っていると、ショック死してしまう。自己保身のために無理を重ねると、その後遺症は長く日本を蝕むことになる。

超高齢化社会の日本には特効薬はない。金がかかるのだ。消費税を上げ、高齢者にも負担を求め、医療費・介護費用をまかなっていく以外に道はない。今必要なのは、そうした現実を国民に実直に語り、逃げない政治家なのだと思う。

アベノミクスは、たまたま好調な世界経済に支えられている。この好況が長く続けばいいのだが、経済というものは所詮、循環である。いつかは下り坂に入る。上り坂が長かっただけに、下り坂も長くなると考えておいた方がいい。世界中が自国ファーストになり、弱肉強食の世界が復活しつつある中で、夢にような未来を期待するのは幻想だ。

何があってもいいように、堅実な生き方を続けていきたいと思う。

 

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