急展開

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年に何回かテレビに釘付けとなる日がある。昨日は、そんな1日だった。

午前中は北朝鮮問題。

アメリカを訪問した韓国特使と会談したトランプ大統領は、金正恩委員長が投げた首脳会談の提案にその場で食いついた。5月までに、史上初の米朝首脳会談が実現することとなったのだ。

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個人的には、それほど驚きはしなかった。元々ビジネスマンであるトランプ氏は、直感の人だ。そして外交の常識は持っていない。みんなが心配するほど、失うほどの信頼も持っていない。

むしろこれまで歴代大統領が誰一人やったことのないことを自分がやるということに無上の魅力を感じるかもしれないと予想していた。

オバマさんだったらこうは行かなかっただろう。実際にオバマさんが金正恩氏にあったところで、原則論に終始し大きな成果は望めないところだ。

しかし、トランプ氏の場合、自分に有利だと考えればそれまでの言動に縛られることなく、融通無碍に驚くようなカードを切るかもしれない。

トランプさんの頭の中には、自らに降りかかるロシアゲートの捜査をかわすこと、そして今秋行われる中間選挙で勝利すること、この2点しかないように見える。そのために有利に働くなら、どんな奇手でもためらわないだろう。

この日、トランプ大統領は国内の鉄鋼とアルミ産業を保護するため、輸入品に大幅な関税を課す大統領令に署名した。周囲や各国の懸念を聞かず、選挙中の公約実現のために貿易戦争も辞さない保護主義的政策を実行したのだ。

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金正恩氏から見ると、こんなトランプさんはやはり怖い。何をしてくるかわからない恐ろしさがあるに違いない。その代わり、トランプさんが喜びそうな誘いを用意することも難しくはない。今回の方針転換はまさにそうして一手であり、見事にトランプさんを釣り上げた。

日本政府やメディアには、懐疑的な見方が支配的だが、私は少し期待している。この米朝首脳会談で、北朝鮮情勢が劇的に変化することもありえると考え始めた。

レーガン時代、やはり素人の大統領が強いアメリカを標榜してソ連と強い姿勢で対峙した。話が通じるゴルバチョフ氏が登場し、米ソ冷戦という戦後世界を支配していた構造が一気に崩れた。その瞬間まで、ソ連がかくも容易に崩壊するとは誰も予想していなかった。

ソ連に比べれば、北朝鮮など小さな存在だ。もちろん国内の統制は、北朝鮮の方が強いかもしれない。しかし、中国に見放された北朝鮮が生きていく道はほとんど残っていないのだ。北朝鮮は変わるしかない。若く海外で暮らした経験を持つ金正恩氏にとって、北朝鮮という国を率いていくことはうんざりするような仕事かもしれない。

トップダウンでしか物事が動かない北朝鮮という特異なシステムを維持したまま、経済発展を進めるのはほぼ不可能だ。韓国との格差を解消するには気の遠くなるほどの時間が必要だろう。まずはアメリカとの関係を修復し、中国の経済スタイルを全面的に導入し、国内の人事を根本的に刷新し、統治システムも抜本的に変えなければならない。

考えただけで、気が遠くなる道のりだ。

金正恩氏が自ら権力を放棄することを期待するのは時期尚早だろうが、その可能性がまったくゼロでもないような気がしている。

いずれにせよ、戦争の危機は少し遠のいた。5月の首脳会談で一気に事が進まなくても、米朝協議はしばらく続くことになるだろう。その間は、日本が戦火に巻き込まれることはない。

東アジアの緊張緩和は、憲法改正論議にも影響を与える。

安倍さんが主導してきた北朝鮮包囲網が一気にほころび始めている。

午後に入ると、安倍政権のアキレス腱である森友問題でも急展開があった。

まず飛び込んできたのは、森友学園との交渉に当たった近畿財務局の担当者が自殺したというニュース。関係文書の書き換え疑惑で国会が混乱する最中での衝撃の一報だった。

過去の疑獄事件でも必ず自殺者が出た。最近こうした自殺話は聞かなくなっていただけに、この問題の闇の深さをうかがわせた。

そして追い討ちをかけるように野党の批判にさらされていた佐川国税庁長官の辞任が突然発表された。本人からの申し出を麻生大臣が受理したという。野党やマスコミからは「トカゲのしっぽ切り」と一斉に批判が起きた。

安倍政権は、強行突破の腹を固めたのだろうか?

国税庁長官としてこれまでカメラから逃げ回っていた佐川氏が初めて取材に応じたが、具体的な話は一切せず、最後に一言「申し訳ございませんでした」と頭を下げた。

佐川氏はたまたま理財局長として国会答弁をする立場にあっただけだ。知っていても言えない立場で、官僚答弁に終始するしかなかった。しかしその官僚答弁があまりに杓子定規だったため、後日廃棄したとしていた文書が出てきて窮地に陥った。

元はと言えば、すべては安倍昭恵さん、安倍総理の奥さんが原因なのだ。そのことは誰もがわかっていながら、安倍さんがそのことを認めないため、官僚たちが苦労している。

このまま行けば、麻生さんまで昭恵さんの犠牲になるかもしれない。安倍=麻生関係に亀裂が入ると、政権にとってかつてない危機が訪れる。

 

これまでこのブログに写真を使わせていただいていた「ゲッティ・イメージズ」のサイトを見ると、安倍さんや麻生さんの写真がブログに使えないようになっていた。政権からの指導が入ったのだろうか?

様々なことが急転換した金曜日。

そして明日、7回目の「3.11」を迎える。

 

 

 

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