下院は民主党

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トランプ大統領というのは、ある意味で歴史に残る「スーパースター」である。メディアは彼の一挙手一投足を追い、彼を好きか嫌いかで選挙の結果が決まった。

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この男、やはり絵になる。文字通り、人気キャラクターなのだ。

アメリカの中間選挙がこれほど世界的に注目されたのも異例だ。トランプ政権にアメリカ国民がどんな審判を下すのか、予測がつかなかったことがその原因だった。

アメリカ国内でも、過去に例のない盛り上がりとなり、投票率も過去最高になったと見られている。若者やヒスパニックの人たちも投票所に足を運び、各地で長蛇の列ができた。

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選挙の結果は、事前の予想通り、上院は共和党、下院は民主党が過半数を制した。下院については、共和党が猛烈に追い上げ予断を許さないと言われていたが、民主党の新人候補たちが各地で躍進した。そして過去最多の女性議員が誕生したのだ。

カンザス州3区で勝利した民主党のシャリス・デイビッズ候補は、初の先住民女性の下院議員となった。ニューメキシコ州1区でも、同じく米先住民のデブラ・ハーランド候補が当選した。

イスラム教徒の下院議員も初めて誕生した。ミシガン州13区で勝利した民主党ラシダ・タリーブ候補は初のパレスチナ系米国人、ミネソタ州5区ではソマリア系米国人のイルハン・オマル候補が当選した。2人とも女性だ。

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そして、今回の選挙のシンボル的存在として注目されたのが、ニューヨーク州14区から出馬した民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス候補。29歳で当選した女性としては最年少の下院議員だ。プエルトリコ人の母を持ち、1年前までウェートレスをしていた。

そしてオカシオコルテスさんは自らを「社会主義者」と呼ぶらしい。前回の大統領選でヒラリー氏と民主党の大統領候補を争ったサンダース上院議員の選挙運動を手伝っていたという。

極端なトランプ政権の下で、皮肉なことにアメリカ社会で社会主義者が増えている。特に若者たちの間で「極左」的な傾向が広がっている。

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極右と極左に分かれ、中道が消えていくアメリカ。

トランプ大統領は下院で負けても、強気は変わらない。今回、トランプさんは上院と知事選の応援に集中した。そして、上院では議席を増やして見せた。しかもトランプさんに批判的だった共和党の重鎮たちが引退し、「ミニ・トランプ」と呼ばれるトランプさんを崇拝する候補者たちを上院に送り込んだ。これで、大統領弾劾は確実に阻止できる。これこそトランプさんの狙い通りだ。

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評論家たちも、トランプさんは民主党の中道勢力とのディールを模索しながら、外交や通商政策では大統領令をこれまで以上に連発するのではないかと予想する。通常の政権に比べ、トランプさんの場合、「ねじれ」によるダメージが少ないとの見方が強い。

トランプさんには、もともと信念がない。大統領に再選されるためならば、どんなディールも受け入れる可能性がある。変幻自在なのだ。

トランプ大統領の誕生で大きく変わったアメリカ。ただ、アメリカが変わったからトランプ大統領が生まれたとも言える。そして、その反動としてサンダース的な社会主義がアメリカに広がる。

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中西部の白人男性vs都市部の多民族の若者。

共和党と民主党は、決して交わることのない2つの真逆の集団を代表する政党となり、両極端に向かって走っている。

この先の2年間、アメリカや世界で何が起きるのか?

人類の歴史の中でも、重要な2年間になるかもしれない。

 

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