トランプ 国賓

トランプ大統領が国賓として来日した。

3泊4日。令和となって初めての国賓だ。

安倍総理は、あらん限りのおもてなしでトランプさんを迎えた。

どうせすぐ忘れてしまうので、この4日間の動きを簡単にまとめておく。

1日目

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5月25日の午後5時ごろ、トランプ夫妻は大統領専用機エアフォースワンで羽田空港に降り立った。河野外相が迎えた。

その足で夫妻は、トヨタやソフトバンクなど日本企業トップとの会談をこなし宿泊先のホテルに入った。

宿は、皇居に近い「パレスホテル」だ。

2日目

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26日の午前9時過ぎ、トランプ大統領は専用ヘリで千葉県の「茂原カントリー倶楽部」に到着。安倍総理が出迎えた。

2人は青木功さんと一緒にゴルフを楽しんだ。トランプさんはランチにチーズバーガーを食べたという。

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夫たちがゴルフをしている間、昭恵さんがメラニア夫人をアテンドし、お台場にあるチームラボのミュージアムを訪れた。

夕方、トランプ夫妻と安倍夫妻は両国国技館を訪れ、大相撲夏場所の千秋楽を観戦する。正面のマス席を8つ潰して4つの椅子が用意する前代未聞の対応が取られた。1階には政治家の顔がたくさん並び、トランプさんが入場すると観客たちは手に手にスマホをかざして写真を撮った。異様な盛り上がりだった。

トランプさんが見たのは、優勝した朝乃山の取組から鶴竜の取組まで5番。

表彰式ではトランプさん自ら土俵に上がり、この日のために製作したアメリカ合衆国大統領杯を朝乃山に渡した。土俵に上がるための特製の階段やトランプさんや安倍さんが履く黒いスリッパも特別に用意されて、国技館はいつもとまったく違う雰囲気となった。

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国技館を後にした両夫妻は、その足で六本木に場所を移し、高級炉端焼き店で夕食を食べた。ニューヨークにも支店を持つ「六本木田舎家 東店」。サイトによると、『昭和45年創業, 米国大統領など各国の政府要人と著名人に愛されて40有余年、今も昔も男気一筋』のお店だそうだ。

3日目

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27日の午前9時すぎ、トランプ夫妻は皇居での歓迎行事にのぞんだ。

新天皇と雅子皇后にとっては、即位後初めて迎える国賓である。

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天皇皇后は、得意の英語を使ってトランプ夫妻をにこやかにもてなす。まだ若いので重々しさはないが誠意ある対応で、雅子様も元外交官として堂々とした接遇ぶりだった。

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それに対し、トランプさんは天皇の体に気安く手をかけて、右翼の人が見たら怒りそうな対応だった。

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ここまで、新天皇も利用してトランプさんへのおもてなしに努めた安倍総理だったが、首脳会談では貿易赤字解消を求めるトランプ大統領を丸め込むことはできなかったようだ。

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記者会見に臨んだ両首脳は、かつてない強固な同盟関係を強調しながらも、微妙なズレが明らかになった。トランプさんは「8月には素晴らしい発表ができるだろう」と言い放ち、日米貿易交渉の早期妥結を求め安倍さんにプレッシャーをかけた。

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首脳会談を終えた両首脳は、北朝鮮による拉致被害者家族との面会に臨んだ。

2017年の来日の際にもトランプさんは拉致被害者家族に会っている。トランプさんを利用して拉致問題を前進させようという安倍さんだが、北朝鮮は機関紙に戦時中の日本による拉致を非難する論評を掲載し反発を示した。

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3日目の夜は、天皇主催の宮中晩餐会が開かれた。

再び皇居を訪れたトランプ大統領はタキシード姿。ただ上着の前は開けっ放しだった。

天皇は、アメリカに対する自身や雅子さんの思い出も交え、日米関係の大切さを強調したのに対し、トランプさんは万葉集や大伴旅人、山上憶良にも言及した。とてもトランプさんが日本の和歌に精通しているとは思えないとってつけたようなスピーチだったが、トランプさんなりに気を使ったのだろう。

4日目

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来日の最終日、天皇皇后両陛下はパレスホテルに赴き、トランプ夫妻に別れの挨拶をした。これが国賓に対する慣例なのだそうだ。

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その後トランプ夫妻は専用ヘリで横須賀に飛び、海上自衛隊の護衛艦「かが」に降り立った。この船でトランプさんを出迎えた安倍首相は、アメリカの最新鋭ステルス戦闘機「F-35B」を100機購入し、「かが」を空母化することを決めた。

日米貿易交渉と中国・北朝鮮への軍事的備えの二兎を追うステルス機購入の決断。これを直接トランプさんにアピールするため、護衛艦への招待を企んだのだろう。

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米軍と自衛隊を前にスピーチしたトランプ大統領。

日米の軍事協力をアピールしたが、残念ながらトランプさんに安全保障に関する哲学はない。トランプさんの頭にあるのは来年の再選とそのためのディールだけだ。

特にトランプさんが今気にしているのは、農業団体のようだ。今回の来日中、安倍さんの接待攻勢を受けつつトランプさんの表情が硬いことが気になった。ただ日本で遊んでいるだけというメディアの論調を気にしたこともあるかもしれないが、一番は農業団体に対して日本に厳しい姿勢で臨んでいることを見せようとしていると感じた。

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今回の国賓としてトランプ大統領を招いたのは安倍さんだ。日本がなりふり構わず接待した印象が強いが、実は安倍さんの要請にトランプさんが応えた、つまり安倍さんは「借り」を作ったようにも見える。

紫禁城で晩餐会を開き最大限のおもてなしをした中国も今、トランプさんの攻撃を受けている。安倍さんの思惑通り、トランプさんを操ることができるのか、予断は許さない。

私はむしろ、日本の歴代指導者のように外圧を利用して国内改革を進める道も模索すべきだと思う。日本の農業には間違いなく問題を抱えている。超高齢化した今の日本農業はいつか破綻する。改革が必要なのは安倍さんもよく理解していると思うのだ。

予想不能のトランプさんにゴリ押しされた形を取りながら、競争力のある農業の仕組みを導入するチャンスだと考えると、今はいいタイミングだ。

日本人は日本の食材を見捨てはしない。日本の農業にはもっと可能性があるのだ。農協などの古い体質をぶち壊し、法人化も認めることによって初めて輸出競争力のある農業を作ることができると私は思う。

安倍さんの思惑とは裏腹にアメリカのプレッシャーは今後強まるだろうことがはっきり見えたのが、今回のトランプ来日の成果と言えるかもしれない。

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