南京リポートもいよいよ大詰め。
3泊4日の駆け足旅行で記憶に残った場所や光景を、いろいろまとめて第14弾としてまとめてみた。
今回の南京旅行。飛行機は中国東方航空の直行便を利用した。成田から南京へ週3便が飛んでいる。中国の航空会社を使うのは初めてだ。
機体の到着遅れで出発が遅れた。JALとの共同運行便だがマイルはつかないという。
機内食はちょっと病院食のような雰囲気。
開けると、こんな感じ。見た目はイマイチだが味は悪くない。
上空から見た南京は水の都だった。
村落は水郷地帯の中に浮かんだようだ。
南京空港はピカピカだった。ただそれ以上に印象的だったのは、日本の感覚で言えば不必要に通路が広いことだ。
入国審査はあっけないくらいスムーズだった。係官の対応について評価するボタンが設置されていて、入国する人がボタンを押す。こうした細かいところに、中国も変わろうとしていることを感じる。
案内板は中国語と英語。漢字があると感覚的に理解しやすい。「地鉄」と書かれた方向に進む。
地下鉄の入口も不必要な巨大施設だ。でも中国らしい。
券売機でチケットを買う。
使い方はよくわからなかったが、タッチパネルをタッチしながら買うことができた。
日本と違うのは、手荷物のチェックがあること。面倒だなと思ったが、慣れると大して苦にならない。テロが頻発するようになると、日本でも導入されるかもしれない。
この丸いプラスチックが「クートン」と呼ばれるチケットだ。自動改札機にこのクートンをかざしてゲートを通過する。地下鉄の最低運賃は2元(約36円)。空港から市の中心部までは10元だ。
ホームには次に電車到着までの時間が表示され、サイネージ画面には政府の広報CMが流されていた。
南京の地下鉄はすでに7路線が開業していて、総延長は中華圏で4位、世界でも11位の規模だという。そして5路線が建設中で、今年から2020年代前半にかけて次々に開業する予定だ。車両も綺麗だ。
ドア上には駅名が表示された電光表示板があり、今電車がどこを走っているのか一目でわかり旅行者にはありがたい。
また列車内でのマナーを呼びかける注意書きも全ての車両に掲示されている。
マナーということで一番印象に残ったのは、車内でみんな大声で電話をかけることだ。これはどうやらルール違反ではないらしい。もちろん友人同士の会話も賑やかだ。日本と比べれば南京の地下鉄はうるさい。
もう一つ印象的だったのは、駅に貼られたポスターだ。
もちろん上のような美しい女性を起用した普通のコマーシャルポスターもある。だが圧倒的に多く目にするのは、下のようなポスターだ。
富強、民主、文明、和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善。
その上には「社会主義 核心价直視」と書かれている。これは当局による啓蒙ポスターだ。
このレトロなポスターもあちらこちらに貼られていた。
地下鉄の乗り換えの時、こんな掲示も目にした。
「南京市民楷模」つまり模範市民ということだ。
習近平政権が推し進める綱紀粛正。官僚たちの腐敗を摘発し、庶民からの告発も奨励している。しかし、こうした当局の掲示を真剣に見る人はいない。これが今の中国の姿だ。
一方で、こんなポスターも目にした。中国の人たちから見た日本のことが気になった。
南京の街で、「日本」を探してみた。
まずはアジアで人気の「味千ラーメン」。南京の繁華街「新街口」の地下街にあった。
熊本発祥のこのラーメンチェーンは今や12カ国に800店以上を展開する。創業者の重光孝治氏は、台湾出身の客家系中国人だ。中国国内には700店以上の支店があり、運営は中国人女性が経営する現地法人だという。
私も初めて味千ラーメンを食べてみた。
店内は中国人の若者たちで賑わっていた。
メニューを見ると、日本人にはありがたい料理が並んでいる。
ラーメン、チャーハン、カレー、とんかつ、さらにはお酒のつまみも。日本語メニューもありがたい。
まずはスーパードライに餃子。普通にうまい。
さらに味千ラーメンと味付けタケノコを追加する。全部で65元、1170円だ。
次に立ち寄ったのは、同じ新街口にある輸入品専門スーパー。台湾の商品が一番多いようだが、日本が強みを持つ商品群がある。
紙おむつや洗剤、抗菌製品などドラッグストアで売られている商品だ。日本にやってくる中国人が爆買いする商品がずらりと並んでいた。
その一方で、食料品などはお菓子が少し並んでいるだけで、台湾や東南アジアからの輸入品に押されている。こういうお店で知名度が上げることが、爆買いにつながると感じた。まずは商品の良さを中国にいる中国人に知ってもらうことから全てが始まる。まだまだ日本製品の知名度は高くないようだ。
新街口の地下街で「辻利」の看板を見つけた。辻利といえばお茶。宇治茶というイメージだが、こちらの辻利は北九州に本店を置く「辻利茶舗」の支店のようだ。辻利は19世紀に暖簾分けなどでいくつかに別れたようだが、この辻利茶舗は海外展開に熱心で、台湾や上海でも成功しているらしい。南京でも抹茶アイスなどに行列ができていた。
それでも日本の出店はまだまだ少ない。南京だから二の足を踏むということもあるかもしれないが、これだけの消費者がいる市場だけにまだまだチャンスはあるとみた。
実際に旅行していて、日本人だからといって不快な思いをしたことはない。特に親切にされることもないが、基本的には外国人に無関心だ。
このブログの最後に、南京で人の多さに疲れた時、オススメの場所を紹介する。
湖の対岸に高層ビル群を望む。まるでシカゴのような光景だ。こんな素敵なスポットが、南京にあるのだ。
長距離列車が発着する南京駅。その南口広場を進むと、玄武湖という大きな湖に出る。
湖畔は板張りのデッキになっていて、市民たちがのんびり座って夕日が沈むのを眺めていた。街中に比べて人の数も少ない。
望遠レンズで撮影した超高層ビル。何階建てだろうか?
中国らしい「悠久の時」が流れる、はずだった。
突然、一人の男が爆音とともにラジコン飛行機を飛ばし始めた。急上昇、急旋回、宙返り。見事な操縦ぶりで、彼の周りにはあっという間に人垣ができた。
せっかく静かな時を楽しんでいたのに・・・中国人の欠点はやはりうるさいことだ。
ついでに南京駅からタクシーを拾って、近くを流れる揚子江も見に行きたかったのだが、残念ながらうまく行かなかった。タクシーの運転手にGoogle翻訳アプリを示し、揚子江に行きたいと告げると、「ダメだ。降りろ」といった風に首を降った。理由はよくわからなかった。
ただどうみてもコミュニケーションがうまく取れていないことはわかった。自動翻訳機能はまだ実用レベルには達していない。もう日が暮れそうなのと、疲れたので、ホテルに戻ることにした。
私はまだ揚子江を見たことがない。今後のテーマとして残った形だ。
また、中国に来よう。西安や大連や広州。別の街に行ってみたい。
最終日、タクシーで空港に向かった。4車線の高速道路を不必要にぶっとばす運転手。以前、蘇州で乗ったタクシーも怖かったが、南京のタクシーも死ぬかと思った。
空港のチェックインカウンターは長蛇の列だったが、タクシーが爆走してくれたため時間には余裕があった。
空港の免税店は朝7時にオープンした。
お土産屋には「四書五経」の本も売られていた。さすが中国だ。
そして、帰国便の機内食は饅頭だった。さすが中国である。
やはり中国は面白い、のだ。
<参考情報>
私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。