<きちたび>5泊6日オークランドの旅① 環太平洋火山帯の南端ニュージーランドには小さな火山がいっぱい

この年末年始、初めてニュージーランドで年越しを迎えた。

私にとっては、ちょうど90カ国目の訪問国となる。

ニュージーランドといえば、赤道をはさんで日本の真反対にある島国という印象を持っていたが、サマータームということもあり、時差が4時間もあった。

ニュージーランド最大の都市オークランドで見た年越しのカウントダウンが終わり、2020年を迎えた時には、日本ではまだ紅白歌合戦が前半戦の午後8時でちょっと不思議な感じがした。

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ニュージーランドといえば、昨年の12月9日、オークランドの東方プレンティ湾に浮かぶ火山島ホワイト島が突然噴火し、外国人観光客16人とガイド2人が犠牲となった。

この島はオークランドから手軽に行ける人気の観光地だった。

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島に上陸し火口を歩くことができる。

対岸からは観光船が頻繁に島を往復していた。

空港の到着ロビーに置いてある「ARRIVAL」というフリーペーパーにも、堂々と「ニュージーランドで最も活動的な火山」としてホワイト島の紹介記事が掲載されていた。

歴史が浅いニュージーランドでは、マオリ文化と並んでその大自然は貴重な観光資源だ。

日本でも御嶽山で悲劇が起こったが、ある意味これも火山国の宿命なのだろう。

オークランドのすぐ沖合に浮かぶ「ランギトト島」も、およそ600年前の噴火によって海上に姿を現した比較的新しい火山島だという。

ニュージーランドは、太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界線にあり、北島の東側では太平洋プレートがオーストラリアプレートの下に沈み込んで大量のマグマを地下に蓄えている。

ニュージーランドを貫くように走る「タウポ火山帯」は総延長が300kmにも及び、その一番北に位置するのが噴火があったホワイト島だった。

驚いたことに、都会であるオークランドの周辺にも古い噴火口がたくさん残っていて、有名な「マウント・イーデン」などその数は48もあるというのだ。

その多くは1万〜2万年前に噴火した古いものだというが、ちょっと不思議な光景だった。

日本列島から、台湾、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、そしてニュージーランドへ。

西太平洋に弧を描いて連なる島々は、地震や火山の巣である。

今も、フィリピンでタール火山が大噴火を起こしたばかりだ。

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ニュージーランドの特異な点は、北島周辺では太平洋プレートがオーストラリアプレートの下に滑り込んでいるのに対し、南島の南西では反対にオーストラリアプレートが太平洋プレートにもぐりこむ逆転現象が起きていることだ。

東から西へ沈み込む北島のヒクランギ海溝と西から東へ沈む南島のプスギル海溝の間の部分には転形(トランスフォーム)断層が作られ、その全長700キロに及ぶアルパイン断層の上下変動が観光客を世界中から惹きつける南島のサザンアルプスを隆起させた。

つまり、ニュージーランドの美しい国土は、複雑な地下構造が作り出した自然の驚異なのだ。

北半球の大陸から遠く離れたニュージーランドに人間、すなわちマオリの先祖がたどり着いたのはわずか800年ほど前。

それまでは、ダチョウの2倍もある巨大鳥モアも棲息した鳥たちの楽園だった。

そこには羊はおろかコウモリ以外の哺乳類は一切いなかったのだ。

美しく穏やかな時間が流れるニュージーランド。

でも、そこには自然と人間による世界的にみても大変興味深い歴史が眠っていることを今回の旅で初めて知った。

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