<きちたび>3泊4日ウラジオストクの旅①  入出国カードの記入も必要なし!ロシアの旅はすごく便利になっていた

ウラジオストクに行くと言うと、みんな口を揃えて「何で?」と聞く。

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「どうやって、行くの?」

これが次の質問だ。

直行便があると答えると「へぇ~。どこから?」と続く。

ウラジオストクへは成田空港から週3便直行便が飛んでいる。ただし、オーロラ航空という聞きなれない航空会社である。どうやらアエロフロートのグループ会社のようだ。

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では、私はなぜウラジオに行こうと思ったのか?

思い立ったのは今年2月、沖縄に行った帰りのことだ。ANAの機内誌を何気なく眺めていて地図に目が止まった。東京から沖縄の距離よりもウラジオの方が近いことに気づいたのだ。

これは私にとって衝撃だった。

私は子供の頃から地図を見るのが好きで、大体の世界地図は頭に入っていると自負していた。ところがである。

「ウラジオストクって、こんなに近いのか?」

60年も生きてきて、初めて気づいた驚き。つまり、今まで私は60年間、ウラジオやロシア極東について真剣に考えたことがなかったということなのだ。

ただ何となく遠い街。ソ連の軍港で外国人はなかなかは入れない怖い街。そんなぼんやりとした印象だけで、興味もなく素通りしてきただけだ。

ところが実際には東京から直線距離で1063キロ。日本人にもおなじみの北京や上海、台北よりも近い。ソウルや那覇よりも近くだというとちょっと驚く。そして1991年からは外国人にも開放され、今では誰でも訪れることができる街になっている。

そして何より、日本の隣国なのだ。

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そんな単純なことに気づき、私はウラジオストクに行くことに決めた。今年3月のことだ。

いざ旅行の準備を始めると、知らないことがいろいろ出てくる。

例えば、ビザ。

ロシアに行くには観光でもビザが必要だということも初めて知った。

今時、ビザが必要なんて、北朝鮮ぐらいかと思っていた。今の若い人はビザという言葉すら知らないかもしれない。

でも、ロシアに行くためには今もビザが必要なのだ。

ただ、ロシアの観光ビザの取り方はちょっと面倒なので、またの機会に詳しく書くことにする。

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さて、前置きな長くなってしまったが、今回は主にウラジオストクへの行き方、つまりオーロラ航空のこと、入国審査のこと、空港と市内の交通のことなどをまとめて書くことにする。

出発は7月13日だった。

13日の金曜日とは、ちょっと縁起が悪い。会社では大事な会議があって、それをサボって旅行に行くのも少し気が引けた。

成田・ウラジオストク間を飛ぶオーロラ航空の直行便は週4便(冬は週3便)。

月、水、金、日の週4便。だから、三連休を利用してウラジオに行くためには金曜日サボるしかなかったのだ。

いつものように、吉祥寺からリムジンバスで成田空港へ。オーロラ航空は第1ターミナルの北ウィングだ。

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カウンターは出発の2時間半前から開いていて、混雑することもなくスムーズにチェックインできた。これは小さな飛行機のメリットだ。

その代わり座席は事前に選ぶことができないらしく当日先着順で決まる。私は常に窓際席希望なので早めに空港にやって来た。

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オーロラ航空は2013年、サハリン航空とウラジオストク航空が合併してできたロシアの航空会社だ。アエロフロートとの共同運航便が多く、アエロフロートまたはスカイチームのマイレージサービスが受けられる。

最近ヨーロッパに行く際に値段優先でアエロフロートを使うことがあるため、今年アエロフロートボーナスというマイレージサービスに登録したばかりだ。ちょうどいいので、今回初めてそれを利用してみた。ANAJALのようなマイレージカードは持っていないが、メールで送られて来ていた番号を伝えると手続きをしてくれた。実際それほどマイルが貯まるとも思えないが、とりあえず簡単なので今後スカイチームの航空会社を利用する際には、アエロフロートにマイルをまとめてみようと思う。

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続いては、両替。ロシアの通貨ルーブルに両替する。

日本ではレートが悪いと聞くが、とりあえず1万円だけ両替した。いつも通り、成田空港グループが運営する「GPA外貨両替専門店」 を利用した。

1ルーブル=2.27円。この日の公式レートは1.81円 となっていたので本当にレートが悪い。でもまあ、金額が少ないので目くじらを立てるほどのことでもない。

結果的には、ロシアでもクレジットカードで支払いすることが多かったので、1万円の両替だけで充分お釣りが出た。

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さて、オーロラ航空の飛行機の話をしよう。

プロペラ機ボンバルディアDHC-8-400。飛行場のはずれに止まっている小さな旅客機だ。空港ビルからはバス一台ですべての乗客を運ぶ。

タラップを自ら備えているため、乗客はバスを降りてそのまま飛行機に乗り込む。よくいえば、ちょっとしたプライベートジェット気分が味わえる。

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飛行機が小さいので機内持ち込みできる荷物も制限されると書かれていたため、40リットル入るいつものリュックの中に、無くなっては困るものだけ詰めた小さなリュックを収めておいて搭乗カウンターで尋ねた。大きすぎると言われたら、小さなリュックだけ持ち込んで、大きなリュックは南京錠をかけて預ける予定だった。

しかし、そこはロシアの航空会社。大きいリュックも簡単に持ち込みOKが出た。実際、リュックは柔らかいので機内の棚にちゃんと収まった。

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機内の案内表示もキリル文字で書かれていて、ロシアに行くんだという気分になる。

冷戦時代に育った私たちの世代にとってロシアはやはりちょっと身構えるが、事前に心配したことはあっけなくクリアした。昔は規則で縛られていたのだが、ロシア人はもともと大雑把な民族のかもしれない。

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飛行機は定刻に成田を飛び立つ。意外なことに機内は満席だ。そのほとんどが日本人の観光客。こんなたくさんの日本人がウラジオに旅行しているとは少し驚きだ。

飛行機は新潟、佐渡の上空を通り、日本海を北上する。ウラジオは北朝鮮国境からも遠くはない。

今年は1月に南北の軍事境界線、5月には中朝国境の丹東へも行った。

本当はロシアと北朝鮮の国境も見てみたかったのだが、短期の観光旅行では難しそうなので、今回は諦めた。

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成田を発ってから2時間。眼下には、シベリアの大地が見えてきた。飛行機の窓が汚くてうまく写真が撮れないが、どこまでもどこまでも無人の森林地帯が続いていた。

私が座った飛行機の右側からはほとんど街らしきものを見かけることもなく、ウラジオの空港に到着した。どうやら進行方向左側の方からなら海や街が見えるという。

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着陸の直前、民家が見えた。

これは農家か? それともロシア人が愛してやまないと言われる「ダーチャ」という名の別荘なんだろうか?

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旅客ターミナルは、2012年にウラジオストクで開かれたAPECに合わせ改修されたというが、止まっている旅客機は数少ない。

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古い軍用機も少し駐機していたので、バスの窓越しにこっそり撮影する。冷戦時代、社会主義国の空港は絶対に撮影禁止だった。万一撮影しているのがバレると、確実にトラブルになった。

今はそんなこともないかもしれないが、軍がいる場所の撮影は慎重にするに越したことはない。

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入国審査でちょっとドキドキする体験をした。

トイレの話ではない。入国審査の話だ。

私が持参した「地球の歩き方2015〜16 シベリア&シベリア鉄道とサハリン」には、「ロシアに入国する外国人はすべて入出国カードを提出し、出国するまで所持することが義務付けられている」と書かれている。そして、「入出国カードは通常機内で配られるが、入国審査場の脇にもたいてい用紙が置いてある」とあるのだ。

機内ではカードは配られなかった。だから、入国審査場でカードに記入しようと思っていたのだが、どこにもカードが見当たらないのだ。

他の日本人客らは何やら書類を持参している。多くの旅行者が旅行会社に手続きを代行してもらっているため、旅行社が用意したに違いないと私は考えた。私は持っていない。これはヤバいかもしれない。ちょっとドキドキしながら、その場にいた係官に英語で聞いてみた。全然通じない。ガイドブックに載っている入出国カードを見せて聞いても、まっすぐ進めとポーズで指示されるだけだ。

そこで私はちょっと頭を冷やそうと、トイレに駆け込んだというわけだ。

用を済ませた後、意を決して入国審査の列に並んだ。私の番になり、パスポートだけを提出する。女性係員は特段不審な様子もなく、淡々と作業をしている。そして入国審査終了。

「あれっ?  入出国カードは?」

よく意味がわからないまま、あっけなく入国審査はパスしたようだ。

帰国後、最新版の「地球の歩き方」を確認すると、記述が変わっていた。

「国際便が到着するほとんどの空港では、入国審査の際に必要事項がプリントアウトされた入出国カードが手渡されるので、サインするのみで記入の心配はない」

えっ?  記入する必要ないの?

図書館で借りて私が持参した「地球の歩き方」が古かっただけだったのだ。飛行機でロシアに入る際、事前に申請した情報が係官の手元システムに反映されていて、それを係官はパスポートと照合した上で、プリントアウトする方式に改められていたのだ。

これからロシアに行こうとする皆さん、くれぐれも古いガイドブックの情報を信じず、最新の情報をご確認ください。ロシアでもIT化が着実に進展しているようです。

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こうして無事ロシアに入国することができた。税関チェックもまったくなく、税関申告書すら提出しなかった。

結果的には、誤った情報で多少焦ったが、パスポートとビザさえ持っていればロシアの入国はいたってスムーズだということだ。ゆるゆるである。

空港の到着ロビーには、いくつかのお店が並び、キャッシュディスペンサーやSIMカードを販売する店舗もあった。

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そして中央部にはTAXIと書かれた黄色いカウンターがあった。ここで市内に向かうタクシーを手配する。

市内までは電車もあるが一日5本だけで日本からの到着時間にはもう乗れる電車はない。バスもあるようだが、初めての街だしもう夕方なのでタクシーでホテルまで行くことにする。

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ウラジオ市内までのタクシー代は一律1500ルーブル(約3000円)。

料金を支払うとレシートを渡され、その裏に女性が何やら三桁の番号を書き込む。表に止まっているその番号のタクシーに乗れと言う。

カウンターの女性たちは英語はしゃべるが、「おもてなし精神」はない。でも、空港の外にあるタクシー乗り場に行くと、確かにその番号のナンバープレートをつけたタクシーが止まっていた。運転手に紙を見せると「乗れ」と仕草で合図する。

みんな愛想はないが、トラブルこともなく、タクシーに乗り込みホテルへと向かった。

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タクシーは片側3車線の道をぶっ飛ばす。車は韓国のヒュンダイだった。

タクシーにメーターはなく、クーラーもない。窓を開けたまま、風の音をゴーゴー響かせながら広い道を突き進む。周囲は森林や荒野が続く。日本人から見ると、広い土地がちょっともったいない気もする。

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市の中心部に近づくと、突然激しい渋滞に巻き込まれた。今は金曜の夕方、ちょうどラッシュアワーの時間のようだ。公共交通機関の発達していないウラジオでは車が大切な移動手段なのだろう。

空港から市内まではおよそ40キロだが、あれだけぶっ飛ばしても1時間以上かかった。

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ホテルに着くと、ただ降りるだけ。チップも要求されなかった。旅行者にはわかりやすいシンプルなシステムだ。

空港からタクシーを利用するなら、白タクには乗らず、黄色いカウンターで1500ルーブルを払うことをオススメする。

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一方、帰国の際はタクシーではなく、「アエロエクスプレス」という名の電車を利用した。

1日5本しかない利用しにくい電車ではあるが、成田への出国便に乗る場合、朝一番早い7時5分発のアエロエクスプレスは使える。

ウラジオストク駅のお隣にアエロエクスプレス専用の真新しい駅がある。私は当日バタバタするのが嫌なので、2日前に切符を買いに行った。

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建物の内部も清潔で、窓口に並ぶ人もいない。どこに行っても行列ができる中国の旅に比べ、ウラジオの旅はストレスがない。

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このスーパーのレシートのようなものが、列車の切符だ。一番下のバーコードを機械で読ませると、改札を通ることができる仕組みだ。

料金は230ルーブル(約450円)とタクシーに比べ手頃だ。

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こちらが「アエロエクスプレス」。

荷物検査と改札はあるが、まったく混んでいないので、あっという間にホームに出られる。

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車内は片側に3つのシートが並ぶ。

写真で見るほど高級感はないが、広々としていて快適な列車だ。座るなら進行方向左手がオススメだ。

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シベリア鉄道の線路を走るこのアエロエクスプレスの所要時間はおよそ55分。

手頃な鉄道の旅として日本人観光客には人気のようだ。成田便に都合がいい時間ということもあって、この時間の列車には日本人客が多い。中には、見るからに鉄道マニア風の男性の姿も・・・。

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真新しいウラジオストク空港駅は、文字通り空港直結。とても便利だ。

時間さえ合えば、絶対に列車がオススメだ。

そして出国手続きもまったく問題はなかった。入国の際に手渡された入出国カードの半券さえ無くしていなければ、荷物検査も出国審査もいたってスピーディーである。

ロシアの旅は格段に便利になっていた。

ロシア、恐るるに足らず。風光明媚なウラジオストクがお手軽な海外旅行先になる日も近いかもしれない。

 

<関連リンク>

3泊4日ウラジオストクの旅

①出入国カードの記入も必要なし!ロシアの旅はすごく便利になっていた

②ロシア観光には短期でもビザが必要!でも意外に簡単に取得できる

③意外に美味しかったロシア料理!私が食べたディナー全品を紹介する

④旧式兵器を観光資源にする軍事都市ウラジオのあっけらかんとした現在

⑤シベリア制服!ロシアはいかにして世界最大の国家となったのか?

⑥ホテル・ビーチ・遊覧船・そして・・・!写真で綴るロシア極東の街歩き

⑦日露戦争・シベリア出兵・そして抑留!日露は不幸な歴史を乗り越えられるか?

<関連情報>

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