JSA

年明けから南北融和の動きが目立つ中、アマゾンプライムビデオで映画「JSA」を観た。

2000年(日本では2001年)に公開された韓国映画。韓国全土で538万人を動員し空前の大ヒット映画となった。

JSAとは「共同警備区域」の略で、南北の軍事境界線上にあり韓国・アメリカを中心とする国連軍と北朝鮮軍が共同で管理するおよそ800m四方のエリアのことだ。

この映画は、地雷を踏んだ韓国兵を北朝鮮の兵士が助けたことから芽生えた南北兵士の友情と彼らを待ち受ける悲劇の結末を描く。

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その年の韓国の映画賞を総なめにした映画だが、出来は決して良くはない。分かりづらい演出も多い。だが、敵対していても同じ民族、特に若者たちはすぐに仲良くなれるというメッセージが当時の韓国国民の心に響いたのだろう。

映画が制作された2000年は、金大中大統領の太陽政策の時代。南北融和が最高潮に達した時代だ。平和裡に南北の統一ができるのではないかと多くの人が夢見た時代だ。その年の6月、初の南北首脳会談が開かれ、9月のシドニー五輪では開会式で南北合同入場行進が行われた。

あれから18年、時代は再びあの頃に戻りつつあるのか? 少なくとも文大統領は金大中、盧武鉉路線への回帰を目指している。そして高い内閣支持率は、そうした融和ムードを歓迎する世論を反映しているのだろう。

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映画のラストシーン。

板門店の軍事境界線を隔てて、友情で一時的に結ばれた南北の4人の兵士が一枚の写真に映る。この映画はもちろんフィクションだが、同じ言葉を話す南北の若者たちが真夜中の境界線で無邪気に遊ぶ姿は、国際政治を超えた妙な感動を与える。

日本にとって北朝鮮は、核とミサイルと拉致の対象でしかないが、韓国から見れば祖国統一というもっと大きな命題がある。

北朝鮮の平壌オリンピック参加が決まり、選手団が陸路、軍事境界線を越えて韓国入りすることで調整が進んでいる。美女応援団や三池淵(サムジヨン)管弦楽団の派遣でも合意した。ただ管弦楽団派遣のための視察団の韓国訪問が急遽中止されるなど、相も変わらず北朝鮮ペースで事態は推移している。

果たして、文大統領の夢はどこまで実現するのか?

分断国家が話し合いで統一を達成した例は歴史上ない。できてしまった2つの政権は、その1つが内部崩壊するか、攻め滅ぼされる以外に一つにはなれないと私は考えている。

ただ文大統領の熱意と新たな時代が、奇跡の統一を実現することがあればそれに越したことはない。そんな夢のような出来事を0.1%ほど期待しながら、今後の推移を見守っていきたい。

<参考>2週間前、私が南北境界線ツアーに参加した時のブログはこちら

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