<吉祥寺残日録>暖かな週末、外国コインをJTBでユニセフ募金 #210207

この週末、東京は快晴で4月並みの陽気となった。

井の頭公園のボートも久しぶりに大賑わい。

でも私はといえば、家で外国のコインを整理していた。

かなり年季が入ったケニアの硬貨。

学生時代に貧乏旅行した際のものなのか、それともパリ特派員時代に取材で訪れた際に持ち帰ったのか、今となっては定かではない。

こうした使いそうもないコインを処分したいと妻が言い出したのだ。

これはユーロ導入前にフランスで使われていたフラン硬貨。

こちらはアラビア数字が刻まれたエジプトの硬貨。

結婚前に妻と旅行した時のものだろうか?

インドのルピー硬貨もある。

かつてはもっとたくさんの世界各国のコインが我が家に転がっていて、幼い子供たちの遊び道具になっていたが、私が知らないうちにその大半は妻が中野のコイン商に持ち込んで処分したらしい。

コロナが終わったら世界各地を旅行したいと考えているので、無理に処分しなくてもと思うが、妻の意思は固く、弁財天の賽銭箱に入れてこようかなどと言い出すものだから、代替案を提案せざるを得なかった。

私が提案したのは、「ユニセフ外国コイン募金」だった。

以前空港で募金箱を見かけたことがあり、今度空港に行くことがあれば私が募金してくると提案したのだ。

しかし、ユニセフのサイトを調べてみると、空港まで行かなくても募金ができることがわかった。

「最寄りの募金箱」という欄があって、こう書かれてあった。

『お近くの三井住友銀行、JTBグループ、毎日新聞社でも、ユニセフ外国コイン募金箱を設置しています。』

週末は銀行は閉まっているだろうと、吉祥寺のJTBに電話してみるとユニセフ募金を扱っているという。

妻にそれを教えると、「すぐに行こう」と言い出し、街に出かけることとなった。

当然のことながら、暖かな陽気に誘われて吉祥寺の街にも人が溢れ、緊急事態宣言発出中とは思えない混雑だった。

この1年、すっかりコロナの街に慣れてしまっていて、もしコロナが終息して元の状況に戻ったら、きっと息苦しさを感じてしまうだろう。

「JTB吉祥寺店」は吉祥寺大通り沿いに店を構えている。

私の場合、旅行はすべてネットで手配するので、この店舗に入るのは初めてだった。

店内は想像していた以上にガラガラだった。

去年、「GO TO トラベル」をやっている頃には、結構お客さんが入っている印象だったが、今はほとんど客の姿がない。

「ユニセフ募金をしたい」と告げると、スタッフの女性が奥から募金箱を持ってきてくれた。

「unicef」と書かれたブルーの募金箱。

「世界の子どものために」というほどの金額ではないので申し訳ないが、いたずらのように賽銭箱に入れるよりはずっと人の役に立つというものだ。

妻も懸案が片付いてとても満足そうで、我ながら名案だったとほくそ笑む。

JTBでの用事を終えて、そのまま家に戻る。

サンロードも、なかなかの混雑ぶりだ。

ダイヤ街では閉店した回転寿司店が工事中。

他にもシャッターを閉めた店が目につく。

スーツ販売店は、「このままでは 完全赤字」との自虐ポスターを店中に貼っていた。

『破格値にて徹底処分いたします! お願いします! 助けてください!』

リモートワークでスーツの売れ行きは厳しいと聞くが、このポスターはインパクトがある。

コロナによってますます貧富の格差が広がる世界。

昨夜、録画していた一本のテレビ番組を見た。

元旦に放送されたBS1スペシャル『欲望の資本主義2021 「格差拡大 社会の深部に亀裂が走る時」』。

2016年に始まった『欲望の資本主義』シリーズももう6年目に入った。

今回のテーマはずばり、コロナ禍で進む「格差」である。

世界の様々な分野の専門家が、今世界で起きている現実を分析し、将来へのメッセージを発信する。

こういう高度で難解な番組が6年も続いていること自体、驚きに値するが、この番組についてはいずれまた書くとして、今日は番組の中で紹介された一つの言葉を書き残そうと思う。

経済学の巨人ケインズの言葉。

自己の環境に慣れてしまう能力

それが人間の顕著な特性である

出典:ケインズ「平和の経済的帰結」

コロナ禍によって一部の人たちに経済的ダメージが集中し、新たな貧困層を生み出す一方で、世界中の株式市場には莫大な資金が流れ込み、金持ちはますます豊かになる。

とはいえ、既存の秩序に異議を申し立てるのは膨大なエネルギーが必要で、身の危険も覚悟しなければならない。

香港やロシア、ミャンマーで起きていることを見れば明白だろう。

しかし、人々が何も行動を起こさず現状を受け入れる限り、貧富の格差はますます広がり、それがが次の世代にまで引き継がれていく。

そうやって階級が固定化された社会が極限まで達した時、気づかぬうちに「革命」や「戦争」のエネルギーが蓄積されていくというのが歴史の教訓だ。

世界中の先進国が自分たちのことで精一杯な今、ユニセフやUNHCRがになってきた弱者に対する支援の手は確実に細くなっているんだろうと想像しながら、絶望的な気持ちで番組を見た。

「ユニセフ外国コイン募金」の詳細は・・・
https://www.unicef.or.jp/cooperate/coop_coin.html

「JTB吉祥寺店」
東京都 武蔵野市 吉祥寺本町1-14-5 吉祥寺本町ビル1階
電話:0422-35-8483
営業時間:10:30~18:00

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