かつてパリに暮らしたことがある者としてとても信じられない。
こんなことが起きるのか?
でも、誰も想像もしなかったことが起きるから、ニュースなのだ。
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パリのノートルダム大聖堂が炎上し、高さ90mの尖塔が崩落した。
石造りの教会が焼けるなど、考えてもいなかった。
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火が出たのは、4月15日の午後7時ごろと伝えられている。
出火場所は、屋根裏とみられる。ノートルダムの屋根は木材を組み合わせて作られていたそうだ。石造りの外壁は焼け残ったが、屋根の部分は完全に焼け落ちた。
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そして、屋根の中央にそびえていた高さ90mの尖塔が炎に焼かれ、途中で折れ曲がる形で崩れ落ちた。
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その瞬間、見守るパリっ子達から悲鳴のような声が上がった。涙ぐみ人たちも大勢いた。
それほど、ノートルダム大聖堂は、パリになくてはならない象徴的な建造物なのだ。
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ノートルダムは、パリ発祥の地シテ島に建つ。
文字通り、パリの中心であり、お客さんが来れば必ず案内する定番中の定番である。川岸には屋台の古本屋が並び、洒落たカフェで観光客がくつろぐ。
セーヌ川を走る観光船から見上げるノートルダムも、パリ観光には欠かせない撮影ポイントだ。
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ノートルダム大聖堂の建設には200年の年月を要し、最終的に完成したのは1345年。それからフランス革命時に襲撃の対象となり荒廃したが、ビクトル・ユーゴーらの働きかけもあり修復作業が行われ現在の姿になった。
第2次大戦でも破壊を免れた大聖堂だけに、まさかこんなにたやすく炎に包まれるとは想像もしていなかった。
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大聖堂は数日前から修復工事が行われている最中だったそうだ。
おそらく、人為的な原因があったのだろう。
出火原因が特定された場合、その責任者には一体いくらの賠償が求められるのだろう。考えただけで、ゾッとする。
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大聖堂内部の美術品の多くは運び出され難を逃れたと伝えられるが、大きな絵画などは焼けたらしい。
ノートルダムのシンボルだった、あの見事なステンドグラスは果たして無事なのだろうか?
大変不謹慎な話ではあるが、映像を見ながら、私もあの瞬間パリにいたかったと思った。
金閣寺が燃えた日と同じように、ノートルダム大聖堂の火災は、まさに歴史に刻まれる出来事である。
再建のために寄付を募ると言う。
一時パリでお世話になった身として、私たちもいくらか寄付しようかと妻に言うと、普段ケチな妻が珍しく「そうね」と答えた。