印ネット通販戦争

ソフトバンクが今度はインドで勝負に出た。

今朝の日経に載った「印ネット通販1、3位合併 ソフトバンク2割出資」という記事を引用する。

『 ソフトバンクグループがインドの電子商取引事業を再編する。同社が筆頭株主のスナップディールをインド最大手と合併させることで大筋合意した。ソフトバンクは合併後の新会社でも2割程度の株式を握る方針。ネット通販が急拡大するインドでは世界最大手の米アマゾン・ドット・コムも急速にシェアを伸ばしており、M&A(合併・買収)で対抗する。

スナップディールが合併で大筋合意したのは、インドのネット通販最大手のフリップカート。ソフトバンクはフリップカートの株主である米マイクロソフトや米イーベイ、中国騰訊控股(テンセント)などと協議を進めてきた。ソフトバンクはサウジアラビアなどと発足させた10兆円規模のファンドを通して追加投資し、合併新会社でも2割の出資比率を確保する方向だ。

インドではフリップカートが2007年、スナップディールが10年にネット通販を始めた。2強体制が続いていたが、13年にアマゾンが参入して猛追し、スナップディールは3位に転落した。

ソフトバンクは14年にスナップディールの親会社に6億2700万ドル(約700億円)を出資し、その後も追加出資してきた。アマゾンに対抗するため、最大手との合併で競争力を高める。

インドでの決済は現金が主流だったが、昨年11月に流通紙幣の8割強を占めていた1000ルピー(約1700円)札と500ルピー札の使用が廃止された。ネット通販の利用が急速に広がっている。

日本貿易振興機構(JETRO)によると、インドの電子商取引市場は09年の38億ドルから15年に230億ドルまで急拡大した。20年には1000億ドルを超えるとみられる。

ソフトバンクの孫正義社長は14年にインドのモディ首相に対し「今後10年で100億ドルをインドに投資する」と表明。スナップディールのほか格安ホテル予約サイトや配車アプリなどへの出資を決めた。今後もサウジアラビアと共同で発足させた10兆円ファンドを使い投資を加速する。』

孫さんが先日発表した「10兆円ファンド」。このファンドのからくりも気になるが、その使い道はもっと気になる。

バブル時代、日本企業がニューヨークのロックフェラーセンターを買うなど、ジャパンマネーの動向を世界が注目する時代があった。しかし今では、アメリカのIT企業が世界中に巨額の投資を行い、対抗馬は中国ぐらいだ。日本の影は薄い。

そうした中で、一人気を吐くのが孫さんだ。アメリカの通信業界でも戦っている。今度はインドのネット通販だ。「地球儀を俯瞰する投資」という世界の多国籍企業の戦いに参入しようとしている。

今回のソフトバンクの投資の背景にあるのが、インド市場におけるアマゾンの急成長だ。

ビジネスサイト「JBpress」に、「アマゾン、ついに念願かなう インドで本格的なeコマース開始へ」という記事が載っていた。こちらも引用させていただく。

『 海外メディアがこのほど、報じたところによると、米アマゾン・ドットコムは、まもなくインドで、自ら商品を仕入れ、消費者に直接販売する電子商取引事業を行えるようになるという。

アマゾンのインド事業は特異な形態

同社は、今後5年間で5億ドルを投じ、インド全域にわたる食料品の物流ネットワークを構築する計画だと、米ウォールストリート・ジャーナルが、インド政府当局者の話として伝えている。

とは言ってもアマゾンが急成長するインド市場で、電子商取引事業を行ってこなかったというわけではない。同社は2013年6月に同国で「Amazon.in」を開設し、同サイトで商品を販売してきた。

しかし同国には小規模小売業者を保護するという目的の外資規制がある。これにより、アマゾンをはじめとする外国企業は、地場企業を介さず、直接消費者に商品を売ることができなかったのだ。

そこでアマゾンは現在、地場の出店者と消費者を仲介するマーケットプレイス事業と、商品の保管と配送などを代行する「Fulfillment by Amazon(FBA)」事業を同国で行っている。

つまり同社は、商品を仕入れ、販売するのではなく、電子商取引インフラや、倉庫・物流ネットワークなどのロジスティック業務を小売業者に提供し、そのサービス料を得るというビジネスを行っている。

規制緩和で道開かれる

そうした中、同国では昨年、ナレンドラ・モディ首相の経済・市場改革に向けた取り組みの一環として、外国直接投資の要件が緩和された。これにより、取り扱い商品が同国内で生産、加工されたものという条件で、外国企業が食料品を消費者に販売することが可能になった。

この規制緩和で認められるのは、食料品に限られるが、アマゾンは同国で初めて、他国と同様の本格的な電子商取引事業が可能になる。

そして、この規制緩和策を受け、同社はインド当局に事業認可の申請を行っていたが、このほどその認可が下りる見通しになったのだという。

インド事業に50億ドル投資

同社は2014年に、インドにおける電子商取引事業の拡大を目的とした20億ドルの投資計画を発表した。また昨年は30億ドルの追加投資を行うとも伝えられた。

これら投資の期間やその対象など具体的なことは明らかになっていないが、同社は、物流拠点やクラウドサービスのデータセンター、ソフトウエアのエンジニアリング・開発センターなどに投資を行う計画だと伝えられている。

なお米国の市場調査会社、eマーケターの推計によると、昨年のインドにおける小売電子商取引の売上高は約160億ドルで、前年比55.5%の伸び。今年はこれが同46.2%増の約234億ドルに拡大するとeマーケターは見ている。

また、インドにおける過去3カ月以内の電子商取引サービスの利用者の割合は、印フリップカート・インターネット(Flipkart Internet)が87%で首位。これにアマゾンが79%で次ぎ、印スナップディール・ドットコム(Snapdeal.com)が65%の利用で3位になっている。』

インドで、ソフトバンク vs アマゾンの日米決戦が始まろうとしているのだ。

世界の巨人に対抗する日本のカリスマ。孫さんのようなビジネスリーダーが日本にはもう少し必要かもしれない。

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